2019年4月26日

私たちが普段暮らしている地面は、地層や岩石などでできており、その性質や状態のことを「地質」といいます。これを調査し、集約した地質図などは、地質情報として防災やインフラ整備などの様々な用途で活用されています。経済産業省では、地質に関する取り組みを身近に感じていただくため、経済産業省本館1階ロビーにて産業技術総合研究所が作成した「地球化学図」のパネル展示を実施します。

1.「地質の日」の由来

1876年5月10日に日本で初めて広域的な地質図として「日本蝦夷地質要略之図(にほんえぞちしつようりゃくのず)」(200万分の1)が作成されたこと、1878年5月10日に地質の調査を扱う組織(内務省地理局地質課)が定められたことに由来して、2007年に「地質の日」が制定されました。

2.地質の調査に関する取組

経済産業省は、産業技術総合研究所を通じて、137年にわたり、各種地質図やデータベースなどの地質情報を整備してきました。これらの地質情報は、産業技術総合研究所地質調査総合センター(GSJ)のウェブサイトで公開しており、一般の方でも自由に閲覧することが可能です。

3.パネル展示の概要

  1. 期間:2019年5月7日(火曜日)~2019年5月31日(金曜日)18時

  2. 場所:経済産業省本館1階ロビー(正面玄関側)

  3. 内容:「日本初!日本列島大分析 元素で見る『地球化学図』」
    私たちの足元には、どのような元素がどれくらい存在するのか。それらはどうしてそこにあるのか。そういった疑問を解決する助けとなるのが「地球化学図」です。周期表でお馴染みの「元素」という視点で分析した時、日本列島の地質はどのような元素から成り立っているのでしょうか。皆さんもよく知っている元素を例にあげて紐解きます。

※1 地球化学図について
地球化学図の作成には、試料の大量採取と処理、化学分析や元素濃度測定、地理情報システムを用いた作図など、通常の地質研究よりも長い時間と多くの予算が必要になります。そのため、これまでは、研究機関などが何らかの必要性から限られた地域で特定元素の調査を行っていただけで、全国を対象にした詳細かつ総合的な調査は行われてきませんでした。
そこで、GSJは、53元素について北海道及び沖縄を含めた日本列島とその周辺の沿岸海域をカバーした地球化学図を2010年に日本で初めて発表しました。以降、地域ごとに精密地球化学図と三次元地球化学図の整備を進めています。
地球化学図は、建造物の立地やトンネル工事の廃土処理などで環境汚染リスクを考える際に、その地域の元素の濃度や分布が地質構造によるものか、それとも産業活動によるものかの評価などに活用されています。

※2 地球化学図では、情報未整備の島しょなどは非掲載となっています。

※3 展示内容は産業技術総合研究所のウェブサイト外部リンクでもご覧いただけます。

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担当

  • 本発表資料のお問い合わせ先

    産業技術環境局 基準認証政策課 知的基盤整備推進官 佐藤
    担当者:二井内(にいない)
    電 話:03-3501-1511(内線 3451~2)
    03-3501-9279(直通)
    03-3501-7851(FAX)

  • 展示内容についてのお問合せ先

    国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター
    担当者:斎藤、針金
    電 話:029-861-3540