2019年4月25日

経済産業省は、各地域の経済動向を把握するために、各地方経済産業局が四半期ごとに行っている地域経済産業調査の結果を取りまとめました。

【今回の調査結果のポイント】
全体の景況判断は、前期から下方修正し、「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している」としました。
地域別の景況判断は、東北、関東、北陸、近畿、中国、四国、九州で下方修正しました。東海、沖縄は据え置き、北海道で上方修正しました。

1.地域経済産業調査について

各地方経済産業局が管内の企業等に対して、業況、生産、設備投資などの地域ごとの経済動向を把握するために四半期ごとにヒアリング調査等を実施し、その結果を集約・分析しているものです。

  • 調査期間:2月27日~3月29日

  • 調査対象企業数:776社

2.全体総括

一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している(↘)

生産は、輸送機械が高水準で推移しているものの、中国など海外経済減速の影響等により、生産用機械は半導体関連で、電子部品・デバイスはスマートフォン関連などで、弱い動きがみられます。設備投資は、受注増加に向けた生産能力増強や人材不足解消のための省人化投資等で増加傾向が続いています。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移しています。個人消費は、暖冬の影響で一部に弱い動きがみられるものの、高額品は引き続き好調です。

3.各地域の概要

【北海道】 緩やかに持ち直している(↗)
生産は、地震等の影響による減産分の挽回生産の落ち着きなどから、弱含みとなっています。個人消費は、季節商品などの動きにより、持ち直しています。観光は、地震により一時落ち込んでいましたが、春節や雪まつりなどのイベントや「北海道ふっこう割」の効果から好調です。

【東北】 一部に持ち直しの動きがみられるものの、足踏み状態となっている(↘)
生産は、輸送機械が持ち直しているものの、電子部品・デバイスがスマートフォン関連、生産用機械が半導体関連を中心に弱含んでいます。個人消費は、高額品や春物衣料などに動きがみられましたが、全体としては足踏み状態となっています。

【関東】 緩やかに改善している(↘)
生産は、国際情勢の影響もあり一進一退で推移しています。個人消費は、暖冬の影響や節約志向の高まりから、持ち直しの動きが緩やかになっています。

【東海】 改善している(→)
生産は、電子部品・デバイスが弱い動きであるものの、主力の輸送機械は高水準で推移しています。個人消費は、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが堅調であることから、緩やかに持ち直しています。

【北陸】 一部に弱い動きがみられるものの、改善している(↘)
生産は、電子部品・デバイスの一部に弱い動きがみられますが、化学を中心に高水準で推移しています。設備投資は、製造業で大型投資の一巡もあって減少の動きもみられます。個人消費は、前年の大雪影響の反動から客数の増加もあって持ち直しの動きとなっています。

【近畿】 一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している(↘)
生産は、各種工作機械等で足踏みがみられます。個人消費は、暖冬の影響から弱い動きがみられるものの、インバウンドの回復もあり緩やかに改善しています。

【中国】 持ち直しの動きに足踏み感がみられる(↘)
生産は、鉄鋼の設備トラブルや自動車の輸出減などがありましたが、横ばいとなっています。個人消費は、暖冬の影響により季節商品が低調で、持ち直しの動きに足踏み感がみられます。

【四国】 持ち直しの動きに足踏み感がみられる(↘)
生産は、電気機械等で一部に弱い動きがみられるなど弱含みで推移しています。個人消費は、暖冬により季節商品に影響がみられたものの持ち直しの動きとなっています。

【九州】 横ばいとなっている(↘)
生産は、横ばい傾向でありますが、電子部品・デバイス等の一部で弱い動きとなっています。個人消費は、暖冬の影響で冬物衣料等の動きが鈍かったものの、時計、宝飾・貴金属等の高額品及び化粧品は引き続き好調です。

【沖縄】 改善が続いている(→)
観光客数の増加、個人消費の堅調さを背景に改善が続いています。また、設備投資も持ち直しています。

※前回調査時の景況判断と比較して、上方に変更の場合は「↗」、変更がない場合は「→」、下方に変更の場合は「↘」としています。

関連資料

担当

地域経済産業グループ 地域経済産業調査室長 安藤
担当者:春田、美留町、岡田
電 話:03-3501-1511(内線:2731~4)
03-3580-4987(直通)
03-3580-6389(FAX)