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日時

2019年3月26日(火)14:00~18:40

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)

出席者

【専門委員】
中田座長、生貝委員、大谷委員、片岡委員、上村委員、西村委員、畠委員、原田委員、前田委員、森委員
【消費者委員会担当委員】
池本委員長代理、大森委員、鹿野委員、樋口委員
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官、友行企画官、消費者委員会事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 取りまとめに向けた検討について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • 議事次第(PDF形式41KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料1】 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書(案)(概要)(事務局提出資料)(PDF形式:507KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料2】 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書(案)(事務局提出資料)
    オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書(案)(PDF形式:901KB)PDFを別ウィンドウで開きます
    オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書(案)参考資料(PDF形式:1151KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料3】 「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書(案)」に対する委員等意見(事務局提出資料)(PDF形式:394KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【参考資料】 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書(案)(見え消し版)(事務局提出資料)(PDF形式:1028KB)PDFを別ウィンドウで開きます

≪1.開会≫

○中田座長 それでは、始めさせていただきたいと思います。

本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから、第14回「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」を開催してまいりたいと思います。

本日は、大学関係者は卒業式などの行事がございまして、そういった所用等によって、早川座長代理、石原委員、大橋委員、沖野委員、山本委員が御欠席となっております。

隣に座長代理がいないので寂しいのですけれども、人数が少ないということもあって皆さんのお顔をこちらから見ながら会議をするという座席配置をとりましたので、私は一人だけでここにおりますが、今回は、座長代理は置きませんが、そのかわり皆さんのほうでサポートしていただければありがたいと思っております。

今日は第14回ということで、予定では最終回です。事務局からもできれば報告書を取りまとめてほしいとの要望を承っております。場合によっては継続することになるかもしれませんが、私の心づもりとしては今日を最後にしたいと考えております。皆様の御協力をぜひお願いしたいと思います。

私自身は、もちろん、あと1年ぐらい皆さんと議論していくことについて全くやぶさかではないのですが、そういう形で考えておりますということをまずお伝えしておきたいと思います。

資料については、議事次第の配布資料一覧のとおりになっておりますので、もし不足等がございましたら、事務局までお願いしたいと思います。


≪2.取りまとめに向けた検討について≫

○中田座長 それでは、今日の議題に入っていきたいと思います。前回に引き続いての取りまとめに向けた検討でございます。

前回の専門調査会、1か月ぐらい前ですが、本専門調査会の報告書の素案について議論をしていただきました。その後、皆様からいただいた、その前にもいただいていた意見があったと思うのですが、それを踏まえて修正させていただきました。そうした修正意見をうまく反映できたかどうかというところはございますが、本日はそういった御意見を踏まえまして、専門調査会の取りまとめに向けて検討していきたいということでございます。

まず複数の資料、今日は大部になっておりますが、資料1は、報告書案の概要版になっております。見ていただければと思います。

資料2は、本体部分でございますが、本専門調査会の報告書の案です。繰り返しになりますが、前回までの専門調査会の議論、そして、専門委員の皆様からいただきました貴重な御意見を十分に参考にしながら、私自身がドイツに出張していた時期にも事務局との間でやりとりをさせていただきまして、取りまとめをさせていただきました。

参考資料は、前回お示しした報告書の素案からの変更箇所が見えるようにしております。御覧いただければと思います。全ての意見をダイレクトに反映させているわけではないところもありますので、十分ではないかもしれませんが、そのような形で考慮したものでございます。

資料3は、委員の皆様に事前に送付しました本専門調査会の報告書の案に対する御意見を集約させていただいたものです。

そして、前回同様ということになりますが、今回も時間的な制約があるので、本日の会議の場で報告書案について委員の皆様から個別に御意見をお聞きして議論するということを全部の点についてやってしまいますとおそらく時間不足になってしまいます。ある程度、資料にあるような形で意見を見ていただいて、それを反映させているという形で御確認をいただければと思います。

今日の進め方は次のように考えております。時間的な制約を考慮し、まず、事務局から資料2の報告書案について前回からの修正箇所を中心に項目ごとに説明をいただこうと思います。その部分について、具体的にここを修正すべきである、あるいは意見が反映されていないということがございましたら、委員の皆様から御指摘をいただくことにします。それについて、委員の皆様との意見交換を行うという形で進めさせていただきたいと思います。

時間的制約により、ある程度の段階で終わることになるかもしれませんが、できるだけこの報告書をよりよいものにしていきたいと考えておりますので、皆様のいろいろな意見を頂戴できればと思っております。

それでは、最初は「はじめに」「第1 プラットフォームを介在する取引の拡大」及び「第2 プラットフォームを介在する取引における消費者トラブルの状況とプラットフォーム事業者等の自主的取組」について、事務局から説明をいただくことにしたいと思います。

それでは、よろしくお願いします。

○友行企画官 それでは、お手元の資料2を御覧いただけますでしょうか。

1ページ目、「はじめに」でございます。前回よりも少し長目に書き込んでいるところがございますが、基本的にはこの専門調査会の問題意識、それから、本会議でおりてきた問題意識を整理させていただいているところでございます。インターネット上のショッピングモールやマッチングサイト等、プラットフォームを介在する取引の拡大は経済的活動としても大きな注目を集めるとともに、それをめぐるトラブルも生じているといったところから始まっているところでございます。

2ページ目、最初の「なお、本専門調査会では」という段落でございますけれども、消費者委員会の問題意識を受ける形で、EC取引のうち、BtoC、シェアリングエコノミー等のCtoCを主な対象として検討を行いましたというところでございます。

その下のところが「本報告書の目的と構成は」というところでございますが、第1から始まりまして第6まででございますけれども、こちらにつきましては、前回もお示ししておりますが、大きなところは変わっておりません。

中身のところに入りますが、3ページ目、「第1 プラットフォームを介在する取引の拡大」のところでございます。こちらの柱書きのところも基本的には変わっておりませんで、現状取引が拡大しているというところを、スマホなどの普及率の高まりもあってということと同時に御説明しております。

3ページ目、一番下の行でございますが、その成果は、以下の本文においても述べるが、その調査の全体の内容につきましては、後掲のコラム1及びコラム2を参照されたいという形にいたしておりまして、この報告書の中でコラムを掲載しておりますけれども、それと本文との関係が分かりにくいという御指摘もありましたことから、なるべく本文の中に入れまして、どういったところでかかわりがあるのかが分かるような形で整理させていただいているところでございます。

4ページ目からグラフが始まっておりまして、次のページですが、ネットオークション、フリマ取引の拡大ということで、フリマアプリの推定市場規模、ネットオークションの推定市場規模というグラフがございます。これは前回と同じでございます。

6ページ目、シェアリングエコノミーの取引の増加といったところも記載させていただいておりますが、基本的には前回と変わっておりません。

ページをおめくりいただきまして、シェアリングエコノミーのグラフがございまして、それからコラム1、コラム2となっております。

10ページ目、「第2 プラットフォームを介在する取引における消費者トラブルの状況とプラットフォーム事業者等の自主的取組」といったところでございます。

最初の1の取引の仕組みのところでございますけれども、ここの柱書きに少し文字を加えております。図表2-1のところで三角形の図を書いてございますけれども、その図を少し説明するような記載を加えております。

取引の仕組みの2段落目からでございますけれども、「プラットフォーム取引の基本的な法的関係を整理すると」というところから始まりまして、BtoC型ではBとCとの間での契約、ここの利用者間契約が存在し、プラットフォーム事業者とB、プラットフォーム事業者とCとの間で利用契約があり、3つの契約が存在しているといった記載にさせていただいております。

BtoCだけではなくて、この関係はCtoC型においても同様であるといったことを次の段落で記載させていただいております。

一番下のところでございますが、重要な点は、利用者間契約とプラットフォーム利用契約との関係をどのように整理するかであると。法律的に考えれば、各契約はそれぞれ別個であるが、プラットフォーム上で締結されるこうした利用者間契約は、プラットフォーム事業者を介在していることにより成立が可能となるものという形で整理させていただいております。

次のページに参りますけれども、2番といたしまして、消費者トラブルの状況というところでございます。こちらにつきましては、前回と変わっておりません。コラムの引用をなお書きのところからさせていただいております。コラム3とコラム4を参照されたいという形にしております。

11ページ、12ページ、13ページ目のところからは、図表2-3というところが始まりまして、トラブルがあった先の連絡先でございますとか、その次のページはサイト運営者への連絡後の経過に関する感想についてというところでございますが、それぞれのページの一番下のところに、前回までは何々という意見があったという記載を加えておりましたけれども、ここはグラフをそのまま読み取るだけにするということでございまして、その部分は削除しております。

15ページ目、(2)消費生活相談の現場等から見る消費者トラブルの状況といったところでございます。ここのところは前回から少し形が変わっております。前回は表を掲載しておりまして、左側にトラブルが起きているということとそれを分類したもの、右側につきましてはそれに対する事業者の取組という対比をさせていたのですが、その表はもう取っております。ただ、どういったトラブルですとか、事例ですとか、相談などが起きているかということは整理したほうがいいだろうということでございまして、どのような事例や相談や消費者トラブルが起きているかにつきまして、文字で説明するという形でいろいろなことに注意しながらここで整理させていただいているところでございます。

それぞれにつきましては、ア、イ、ウという形で、ショッピングモールサイト、フリマ、シェアリングエコノミーという形で整理させていただいておりますが、まずそこに入る前に(2)の柱書きのところでございますけれども、本専門調査会の第2回において実施したヒアリングを参考にしながら、プラットフォーム取引における課題を明らかにしましたと。そして、その課題解決の方向性を探ることを目的として、消費生活相談の現場から挙げられた消費者トラブルの事例の主なものを幾つかの観点から一定の項目に整理することを試みたとしております。

消費者トラブルの原因は多様でございまして、必ずしも明確に分類できるものとはなっていないということでございますとか、事例の個々の原因を詳細に調査することができないといったことがございまして、トラブルの内容に共通の原因が見られても整理の仕方は変わる可能性があるといったことをコメントしております。

その意味で、以下の項目による分類は、制約を意識しつつも、主に消費者トラブル解決のための課題を認識いたしまして、その解決の方向性を検討するための素材を提供する目的で行った整理であることに留意されたいということをまず大前提として置かせていただいております。

その上で、アのショッピングモールサイトから始まりまして、(ア)のところ、前回は「加盟店管理」としておりましたけれども、こちらはコメントもございまして「出品者等管理」に変えております。中身といたしましては、そこにございますようなことで整理させていただいております。情報管理でございますとか、次のページの表示・利用規約、支払手続・決済、ポイント・割引に関すること、17ページに参りまして、配送に関することでございますとか、解約・返品、返金に関することということでモールとしてまとめさせていただいております。

イ以降がネットオークション・フリマサイトに関連することでございまして、項目としてはほぼ同じでございますが、出品者等管理でございますとか情報管理、表示・利用規約、評価・口コミ・レビューのところでどんなことが生じているか。支払手続・決済でございますとか、19ページ、財、サービスの品質でございますとか配送といったこと、解約・返品、トラブル救済といったところで整理させていただいております。

20ページ目、シェアリングサービス関連のところでございまして、こちらも同じような類型に沿いまして、出品者等管理のところでございますとか、情報管理といったところで整理させていただいております。

この整理の仕方につきましても、事業者様からコメントなどをいただいておりまして、そこにつきましては、できるだけ反映した形で誤解のないように整理するといったことで整理させていただいております。例えば、20ページの情報管理のところにつきましては、シェアリングサービスについて、個人情報を求められることについては、必ずしも不適切な対応とは言えないがといったところもコメントするような形で注意するような形でさせていただいております。

21ページ目、表示・利用規約でございますとか評価・口コミ・レビュー、財、サービスの品質等といった形で整理させていただいております。

ここでそういった形で一定の項目に整理するといったことを踏まえた上で、次の22ページ目、3のプラットフォーム事業者等の消費者保護に関する自主的取組といったところでございまして、こういった記載は前回もさせていただいておりましたけれども、プラットフォームにおける消費者トラブルに適切に対応するために、事業者等においてはそれぞれのプラットフォームの形態に応じた形で個別の自主的取組が行われているといったところでございます。いずれもそれらは取引環境の健全性や消費者保護に資するものとなっているといった一定の見方をしております。

具体的には、その丸で示したようなことで記載させていただいております。実際にこちらにつきましては専門調査会の場で、第3回でございますとか、第4回でございますとか、そこで発表していただいておりますので、その具体的な発表をしていただいた中身につきましては、実際のこの資料に当たっていただきたいということで脚注を付けております。

さらに細かい取組を書いたらどうかという御意見もいただいたところでございますが、それはここに書く方法もございますけれども、どういったことに対応するかという具体的な事業者様の取組というのは「第6 提言」の取組例のところで整理させていただいておりますので、ここでは主なものを頭出しするにとどめまして、実際の細かな発表の例につきましては、その回の資料を御参照いただきたいという形で脚注でお示しいたしまして、報告書の中でのさらに具体的な取組の例というのは、第6のところで整理させていただいた形で、事務局としてはこの報告書につきまして整理させていただければと思っているところでございます。

以上を踏まえまして、4番のところの小括でございますけれども、最初の段落でございますが、プラットフォームを介在する取引における消費者トラブルに関して、アンケート調査の結果から、そこで分かるところでは、7割が「トラブルの経験はない」と回答していると。そして、消費生活相談の現場から挙げられた相談事例を整理することで、事例の原因は様々であり必ずしも明確に分類することが難しい面もあるが、各サービスで、ある程度共通の消費者トラブルがあることが分かったということで評価しております。

第2の3のところでは、事業者においてトラブルを未然防止するために様々な取組を行っていることも明らかになったというところでございますが、このようなプラットフォーム事業者の取組がある一方で、アンケート調査などの結果を見ると3割の回答者がトラブルの経験を持っていることが分かったと。その要因としては、例えば、消費者が消費者トラブルへの取組を行っていないプラットフォームや取組が不十分なプラットフォームを利用してトラブルに遭遇した可能性でございますとか、又はプラットフォーム事業者において取組を行っているものの、消費者とやりとりしても折り合いがつかず、又はプラットフォーム事業者側で対応し切れない内容もあるため、消費者から相談現場に相談が寄せられたことなどが考えられるのではないかといった一定の考察をさせていただいております。

ここまでが第2のところでございまして、コラムとしましては3、4のところまでを含めまして第2までという形で整理させていただいております。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございました。

第1、第2については、特に第2については様々な意見をいただきましたので、形式上、大幅な変更をさせていただきまして、御意見をいただいたところをできるだけ反映させる形でまとめさせていただいております。この点について、もし御意見あるいはその内容について御指摘のある方は御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。

片岡委員、お願いします。

○片岡委員 第2のところで意見がいろいろとございます。 まず細かいところではあるのですが、10ページの第2の1です。ここはあくまで売買契約等ということで、今回議論の対象になっているEC取引のことを主眼に置いていると思いますので、1の「ここでは、いわゆる」の前に「EC取引のうち」と入れたほうが明確になるのではないでしょうか。

あと、様々な消費者トラブルの状況を挙げていただいているのですが、まず全体を通して、全ての項目で「消費者トラブルが生じている」という書き方をしていると思うのですけれども、これはあくまで事例をピックアップしてその整理を試みたということだと思いますので「トラブル事例があった」という形で書いていただければと思います。その趣旨は、どれもものすごく問題になっていて、たくさんトラブルとして社会的に問題になっているかのような印象を受けるとちょっと嫌だなと思ったのと、そこまでの分析してはいないと思いますので、「トラブル事例があった」とそのままのことを書いていただければと思います。

○中田座長 「消費者」を省くということですか。

○片岡委員 例えば、15ページのア、(ア)のところなのですが、2行目です。何々することによる「消費者トラブルが生じている」という書き方のところを「トラブル事例があった」と事例であることを明確にしていただきたいという趣旨です。

○中田座長 なるほど。「事例」を入れるということですね。

○片岡委員 はい。

○中田座長 了解しました。

○片岡委員 あと、同じページの(2)の柱書きのところに1点入れていただきたい点がありまして、プラットフォームが介在しない取引と比べてはいなかったと思います。そこについては課題として意見を申し上げていたことがあると思います。今、例えば、「消費者がどのような解決を望むかにより、整理の仕方は変わる可能性がある」という書き方もされていますが、プラットフォームが介在しない取引との比較を行っていないことも書いていただきたいと思います。要するに、取引全体として考えなければいけないことなのか、プラットフォームの特徴なのかというところがあると思いますので、その観点を入れていただきたいと思います。

16ページ目、情報管理のところです。前回から少し書き方を変えていらっしゃるのだと思うのですけれども、「プラットフォーム事業者の情報管理に起因する事情であること」や、「本人確認や決済に必要な情報がパスワードの一致のみとしていることなどにも起因している」ということが書いてあるのですが、この事例自体はそんなに深いところまで分析していないと思います。単純に「プラットフォーム事業者の情報管理に関するトラブルの可能性がある」ぐらいにしないと、書き込み過ぎではないかと思いました。

○中田座長 「可能性がある」ですね。

○片岡委員 そうですね。細かいことは書かないほうがいいと思うのです。事例にそこまでは書いていなかったり、事例を分析したりしていないので、起因する事情とかパスワードの一致のみとしているとかは余計なので書かないほうがいいと思います。

その下です。(オ)のところですが、ショッピングモールにおけるポイントの提供条件に魅力を感じて購入したところという書き方がしてあったり、その下に「ポイントが付与されることが購入のきっかけであることから」と書いてあるのですが、そういう事例だったかなというのが過去の資料を読んでも分からなくて、これもあまり細かいところを書かずに、ポイントとか割引に関して消費者トラブルの事例があったので、ポイント・割引に整理したとシンプルに書いてはいかがでしょうか。そうでないと、ポイントが購入のきっかけであると書かれてしまうと、必ずしもそうではないと思いますと言わざるを得ないで、もう少しシンプルにしてはいかがでしょうか。

こんな感じでどんどん言ってしまって大丈夫でしょうか。

○中田座長 どこまで直せるのかというところがあるのですが、事例まではいいのかなと思ったのですが、どうしましょうか。具体的な事例というのは、具体的なケースのこの事例についての分析ということと、もう一つは、全体的に幾つかの事例があって、そういった特徴点をここで挙げているケースもあろうかと思うのですけれども、そのあたりの組み合わせの問題もあるのではないかと思うのです。

○片岡委員 そうですね。全体的に事例をもとに本当に抽象的に項目として挙げるのであればいいのですけれども、それにしては具体例に引っ張られ過ぎている書き方が多い気がしていて、そうすると、細かいところが気になってしまうところがあります。

○中田座長 だから、もちろん具体的な事例でこういう事例でこのようになっているという事案そのままを挙げているのではなくて、おそらく幾つかの事例の中でこんな形で問題が起こっているという書き方だとは思うのですが、そうだとすると、そのあたりは書いていてもおかしくないような気もするのです。具体的な事例でこの事例でこういう事情があってという形での書き方だと片岡委員の言うとおりに書かなければいけなくなるのですが、全体の幾つかの例の中でこんな問題があったという形で整理しているのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。

○片岡委員 そうであればそう書いてほしくて、何々で購入したところとか、何々がきっかけであることからという事例の説明になってしまっているところが。

○友行企画官 この消費者トラブルの状況の(2)のところでございますけれども、そもそも柱書きの3行目に、消費生活相談の現場から挙げられた消費者トラブル事例の主なものを幾つかの観点から整理したということでありまして、これは全部がトラブル事例であります。

あとは、これを読んだ人の分かりやすさでございまして、どこまで抽象化するかや、我々は実際に相談員さんからトラブル事例をヒアリングしたり発表していただいたものをもとに書いておりますので、あるものはより具体的に、あるものは少し抽象化されているといったところはあるかも分かりませんが、全体としては消費者トラブルの事例でありまして、多少具体的に書いているところは実際にそういう話があったということで具体性を持たせたりですとか、なぜこれを加盟店管理ではなくて、出品者等管理ではなくて、ポイント・割引に整理したのかを読んだ方にわかっていただきやすくするために、消費者の解決の方向がそちらの方向であったのでこういう形で整理しましたということが分かるような形で整理しているところでございます。

ですから、全体としては事例でございまして、その中で具体的により書いているところや、なぜここに整理したのかが分かるような表現ぶりにしているところもあるという形であります。

○中田座長 御説明のとおり、原因としてあるいはトラブル事例としてこういうものがあるという羅列的な要素がここの中には示されているという理解をしないと、個別の具体例をそのまま挙げているということではないので、若干のずれはあるのではないかと思うのです。それはまずいのでしょうか。

○片岡委員 そうであれば、原因がこうだったというのが資料から見て分からないところがありますので、そこはこうであったと決めた書き方ではなく、このような背景がある可能性があるのでここに分類しましたという書き方にしていただきたいというところです。

○中田座長 おそらく、それは先ほどの主に消費者トラブルの解決の課題を認識し、その解決の方向性を検討するための素材提供ということで、全く空想事例を出しているわけではなくて、一定の観点から整理するときになぜこれをここで整理したのかという書き方で整理しているのではないかと思うのです。そういう観点での整理はあまり適切ではないということなのですか。

○片岡委員 専門調査会で出てきていた資料にここまで書いていなかったので。背景について、これが原因でこうしましたというところがなかったので。

○中田座長 どうぞ。

○友行企画官 それでは、例えば、ポイント・割引のところなどでは、ポイントが購入のきっかけであることからと割と断定的に書いているところを少し「可能性もあることから」ですとか、(イ)情報管理のところは「パスワードの一致のみとしていることなどにも起因していることがあり得ることから」ということで、ここは少しトーンダウンさせていますけれども、「可能性もあることから」ということを表現の中に加えることはできると思います。

○中田座長 分かりました。

では、まず西村委員、その後、原田委員からお願いします。

○西村委員 もう少しシンプルに書いていただきたいという御意見をおっしゃっていますけれども、伝わらなくなるので、このぐらいの表現は許していただきたいと思います。

○中田座長 原田委員、お願いします。

○原田委員 ほぼ同じなのですけれども、私は多分50個以上の事例を出しましたが、ほぼないことになっている感じで報告書が出てしまうと、事例を出した側としては、あれは何だったのだろうということになります。事例それぞれ一個一個がこうだああだという話をするつもりは全くここではないので、解決の方向性を考えるために整理を行うことが目的だということはそのとおりだと思いますので、一個一個の事例がどうだったということを細かく分析する必要は全くないと思うのです。

ただ、逆に言ったらそのような具体的なことがある程度は見えないと、何でそういう問題がここで議論されたのかが読み手にも分からなくなってしまうので、私は個人的にはこれぐらいだと具体的まではいっていないと思います。なので、そこの部分はある程度こういう内容があったということは客観的な事例として残しておいていただければと思います。

○中田座長 もちろん消費者相談の具体的な事例の後に、こういう事例でどういう原因があるのかも我々は調査の中である程度見通しているところもあるということで、ここで叙述していることになっていると思うのですが、表現についてはある程度は考えますが、とりあえずこういう形での書き方自体は置いておいてもよろしいでしょうか。

そうでないと、読んでいて楽しくないというか、そういう言い方は適切ではないのかもしれませんが、読んでいて中身が分からなくなってしまうと困るので、ある程度トラブルの傾向を分析した形で事案を整理していることになっているのではないかと思うのです。

前田委員、お願いします。

○前田委員 質問なのですけれども、事例の記載がないと分からない部分は具体的にどこなのかを教えていただければと思います。といいますのも、今の話は事例が記載されるとかある程度具体的な話が入ることについては、誰も異論はないかと思います。事実に即した記載がされるところに誰もここでは異論はないかと思うのです。それに加えて評価が入ったり、何か解説めいたようなことがどこまで入っていいのかどうかで、ここではそこまで議論できていないというところで話が分かれているのかなと私は理解しています。

その中で、具体的に想像がつかないとか分かりにくいところは、どこの部分が入らないと分かりにくいということを指しているのか、御教示いただけると幸いです。

○友行企画官 今の御質問の趣旨なのですけれども、具体的な事例を入れないと、なぜここでこういう問題が起きているのかが分からないのではないかということをお伝えしたのです。例えば、出品者等管理であったり、表示・利用規約に関することでありますとか、実際にこういうことが相談現場から挙がっているので、表示や利用規約のところで何らかそういう事例やトラブルが起きているのではないかということをお伝えしているということでありまして、ここのところについては、別に解説とか評価は入れておらず、こういうことがありましたという事例を述べているにすぎないと事務局としては考えているのです。ですから、それについて必ず何が原因だとか、プラットフォーム事業者の取組が不十分だとか、そういった解説的なものはどこの事例においても入れていないつもりなのです。

○中田座長 先ほどのポイントの例は私なども具体的に経験したことがありまして、これはすばらしい、ポイントが付くのだ、3,000ポイントだと。ところが、リボ払いを申し込まないとそれがつかないということが後で分かるということがありました。そういった部分について、これは事実誤認であると言われてしまうとそうなのかということになってしまいますが、そうした経験は大方の認識と一致しているのではないかと思います。確かに表現ぶりは少し変える必要はあるかもしれませんが、現実に全く存在していないということではないと思うわけで、それは評価ということになるのか、それとも事実を摘示していることになるのか、何をもって事実というのか、何をもって評価というのかという根本的な問題にもなります。

全くこれは架空の事例である、存在していないケースであるということであればもちろん削除する必要はあるかもしれませんが、そうでない限りは一定の傾向を示しているという理解でよいのではないでしょうか。具体的な消費者相談の事例からもこういうことが想定できる限りにおいては残しておいてもよろしいのではないかと思っているわけです。いかがでしょうか。

片岡委員。

○片岡委員 事例を消してくれと言っているわけではなくて、書きぶりの問題で、私が読んだときには、背景が脚色されているなとか、ここは決め付けてしまっているなという書きぶりがあったので、それの具体例が(オ)のショッピングモールにおけるポイントの提供条件に魅力を感じて、そういうことがあり得ることは否定しません。ポイントが購入のきっかけであることからと書かれていたりするところが、評価が入っているなと思ったところです。いずれにせよ書きぶりの問題ですね。

○中田座長 私は結構そういうケースがあって、クレジットカードを契約したりするケースはあるのではないかと思うのですが。

○片岡委員 改めて、このときにもっと議論しておきたかったという気がします。

○中田座長 生貝委員。

○生貝委員 私も研究の仕事柄、具体的なケースを短く要約して書かないといけないことがしばしばあり、かなりディテールまで書き込むと分かることを何とか要約しなければならないといったときに、おそらくここで書かれていること、もしかすると評価的に見えるかもしれないというのは、ディテールまで、例えば、実際に相談の窓口でこのようなことを言われたのですとかということまで見ていくと、おそらくそのとおりなのだろうということが書かれていることだと認識いたしました。ここを省くか、あるいはしっかりもっとディテールまで書き込むかというトレードオフがおそらくここにはあるのかなと感じたところではございます。

○中田座長 ありがとうございます。

畠委員、お願いします。

○畠委員 もしかしたら議論が混乱するかもしれないのですけれども、ここでの整理はその後の検討の素材とするために整理したとなっているのですが、本当にこの整理が必要かというところがあります。例えば、(オ)ポイント・割引のところも、ポイントが付与されることが購入のきっかけであることからポイント・割引に整理したとあるのですけれども、この整理したことがその後の提言等でどのように活かされているのかが必ずしも明らかではなくて、ここで整理しているだけで終わってしまっているのです。おそらく片岡委員が懸念されている、この整理している部分について一定の相談現場から挙がってきていないような評価が加えられているところが多いのではないかと思うので、この最後の一文の「整理した」というところがもしかしたら要らないのかもしれないなと思ったのです。

○中田座長 「整理した」というのは評価を加えているのではなくて、そういった項目においてのトラブルであったというぐらいの意味ではないかと思うのです。

大森委員、お願いします。

○消費者委員会大森委員 個人的には、以前の表があって、消費者トラブルがあって、こういうプラットフォームではこういう対応があるよというのが一番淡々と分かりやすくて、こういうトラブルがあるのだな、こういう対応をしているプラットフォームを利用すると安全なのだなと非常に分かりやすかったのですが、そこはすごく議論があって、今回文章に書き直したわけですね。文章に書き直してしまうと、自分が書かない以外はニュアンスが違うというのはどうしても起こるので、文章にするのであれば、ある程度我慢し合わないと仕方がないのではないかという気がします。

○中田座長 ありがとうございます。

池本委員長代理、お願いします。

○消費者委員会池本委員長代理 大体意見交換に出てきているところでほぼ網羅されているかと思うのですが、まず、15ページから16ページ、あるいはその後も同じですが、これこれの事例がある、それが売買の当事者間あるいは消費者の不注意なり、当事者間の問題の側面もあるけれども、プラットフォーマーの側に起因する側面もあり得るという見方が両面あることを指摘するのが、その後提言などで問題を指摘するということなので、見方が2種類あることを指摘するのは必要なことなのだろうと思います。

ただ、片岡委員がおっしゃったところを前提にもう一回16ページの(オ)を見ると、見方があるという中で、不注意の可能性はあるものの、ポイントを付与されることが購入のきっかけであることからと書くと、それが全て購入のきっかけである、全部がこうだと読めるのではないかという指摘だと私は受けとめました。だから、むしろここは「が購入のきっかけとなっていることが少なくないことから」とか、そういうことが起因して問題になっているケースもあるというふうに、表現ぶりの問題だと思いますが、工夫したほうがいいと思います。

実は同じ問題意識で、(ア)もそういう目で見ると、上から5行目、6行目あたりで、サービス提供者の対応が不誠実だということが主たる原因だと。これに異論はないと思うのです。「他方で」の後で、プラットフォーマーの側にも何か原因があるのではないかというところも適切な対応を行っていなかった事例と見ることもできるというと、その前段の問題が全てプラットフォーマーの責任でもあると読めるおそれがあるので、だとすると「適切な対応を行っていなかった事例も含まれているのではないか」とか、全件がプラットフォーマーの責任に直結ではない。でも、そういう側面はあることは指摘しておいていただく必要があると整理できないでしょうか。

○中田座長 ありがとうございます。

表現ぶりのところはきちんと整理する必要があるという御指摘だったと思います。

森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。

今のお話を伺っていて、例えば、クリーンバージョンの15ページの(ア)出品者等管理のところについて申し上げれば、確かに誰の責任かという話をするのも特定の文脈では意味があると思うのですけれども、この報告書は基本的にはプラットフォーマーに落ち度があったかもしれないのだという話ではなくて、プラットフォーマーに一定の取組を期待するという出口になっているわけですので、そういう意味では、問題提起のところもどちらかに落ち度があったかもしれないよという話ではなくて、プラットフォーマーがこういうことをしていれば防げたかもしれないよという言い方にすると、若干かもしれませんが、印象も変わるのかなと思います。

この出品者等管理のところを拝見すると、5行目「他方で」の後が「他方で、プラットフォーム事業者が消費者から報告を受けたにもかかわらず、それに基づいて適切な対応を行っていなかった事例とみることもできる」となっているわけですが、そういう事例と見ることもできるかもしれませんけれども、最終的にはそういう話にはなっていないので、要は、問題のある商品・サービスが提供されたような事案があることは事実で、それは出品者等管理の強化によって防げた可能性があるのでということにしたほうが角が立たないというか、少なくとも出口の議論とは平仄の合った導入なのかなという気はします。

○中田座長 ありがとうございます。重要な御指摘の部分ではないかと思います。

片岡委員、お願いします。

○片岡委員 今の御意見に私も賛成です。どうしてもネガティブなイメージを持ってしまったのは書きぶりなのかなと思いますので、書きぶりを工夫することで大分違うのではないかと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

○片岡委員 加えて、似たような書きぶりの問題のところで言うと、18ページ、CtoC関連の情報管理のところですね。下から3行目「今後の被害の未然防止、拡大防止を行うことができる立場にあるのは、不正利用者の情報を持っているプラットフォーム事業者である」みたいなところも書きぶりを考えていただければ。持っている情報を使って防止することが何かできるかもしれないところは分かるのですけれども、プラットフォームしかできませんということだと違うと思いますので、書きぶりを考えていただければと思います。

○中田座長 今のところなのですけれども、18ページの「対応が必要となることも考えられる」と書いてあるところですか。上のほうですか。

○片岡委員 (イ)の後段ですね。

○中田座長 分かりました。下のところも同じようなところがあったので、上のほうがきつく書いてあるということですね。

○片岡委員 また、「消費者に問題があるかもしれないけれども、プラットフォームでも何かできるかもしれない」ということ自体はいいのですが、「プラットフォームでも何かできるかもしれない」のところが、今、かなり強い書き方になっていて、そういうことができる立場にあるのはプラットフォーム事業者であるという書き方になっているので。

○中田座長 これは、悪意を持って不正利用する者が現在進行形で行っている不正利用の対応や今後の被害の未然防止、拡大防止を行うことができる立場にあるのは、不正利用者の情報を持っているプラットフォーム事業者であるということを書いてあるのですが、それをどうすればいいということですか。

○片岡委員 「プラットフォーム事業者はこういう情報を持っている可能性があるので、こういうこともできるのではないか」という書き方ならばいいのですけれども、今だと、実際にこれは不正利用者の情報を持っていると言われて何の情報のことなのかもよく分からないのですが、プラットフォーム事業者しかできないように書かれているので、そこの書きぶりを変えていただきたいというところです。

○中田座長 「プラットフォーム事業者が対応する可能性がある」みたいな形ですかね。

○片岡委員 1ページ戻っていただいて、17ページのイの(ア)です。これは何度か読んでいてどうしても腑に落ちないのが、利用者が出品者と連絡がとれず交渉がこじれたりすることで、最終的にはプラットフォーム事業者が相手方としてトラブルを解決するしか方法がないような事例であったという紹介で出品者等管理としているのですが、もしそう考えるのであれば、後ろに出てくるトラブル救済のほうに入れるべきなのではないかという気がしています。出品者管理に持ってくるのであれば、モニタリングですとか、そういったことで防げる可能性があるものとして分類すべきなのではないかと思いました。

似たような話ではあるのですが、19ページの(カ)のところです。財、サービスの品質ということで、BtoCのときには同じような話が加盟店管理のほうに分類されていて、こちらは財、サービスのほうに分類されているので、ぶれがある気がするので、これはうまくちゃんと整合性をつけていただいたほうがよいかと思います。財、サービスの品質に分類されること自体に文句があるわけではないのですけれども、全体を通したときにBtoCとCtoCとの違いがよく分からなかったので、整合性を持たせたほうがいいのではないかと思いました。

もう一つが22ページの3のところなのですけれども、これはほかの方からも意見があったと思いますが、自主的取組の紹介があまりにも少なくて非常に悲しいので、もう少し増やせないかという話です。

○中田座長 そこは先ほど企画官から、提言のところでかなり増やしていただいたということで対応したという話だったのですけれども、それでは足りないということでしょうか。

○片岡委員 ただ、提言のところに書いたとは今なっていないのです。提言のところは、あくまでこういう役割を果たすべきとして事業者の取組として書かれているので、であれば、提言のところに書いてあるということをきちんとここで書いてはいかがかと思いました。

これを素直に読んでいくと、取組自体はすごく少なく見えてしまって、後でこれからやるべき取組のところで出てくるという形になってしまうので、項目を増やしていただくだけでも構わないのですけれども、私は意見として今の項目を増やしたもの、あと5から6行増やしたものは出していますが、もう少し書いていただければと思います。

以上です。

○中田座長 分かりました。スペースの問題ももちろんありますし、提言のところでは、プラットフォーム事業者が今取り組んでいることをモデルとしてそこに書き込んでいるという形になっているわけですね。構造はそのようになっていると思うのですが、そうだとすると、提言のところにも反映されているという一言を加える形で対応するのが一番適切かと思いますが、それでよろしいですか。

○片岡委員 そうですね。後で提言のところでも言おうと思っていたのですけれども、今はその中の一部には既にやっているものもあるという書き方だったので、でも、実際は結構やっているものをいっぱい入れていただいていると思いますので、そこら辺の記載の書き方も工夫していただきたいと思います。

○中田座長 はい。その点は意識していたと思うのですが。

生貝委員、どうぞ。

○生貝委員 基本的に、まさに森先生の御意見に賛成だというところなのですけれども、私としては、プラットフォーム上での取引において様々な問題を解決することができる情報や権限や様々な地位にあるのは、まさしくプラットフォームであることが認識の中心に置かれるべきであるとは存じますし、さきの書き方をされるということは、おそらくそのような前提が全体として強調されるべきなのであろうと考えましたときに、むしろ私はこの章の一番最初のほうにしっかりとその認識をより明確な形で記入することも適切であろうかと考えました。

○中田座長 ありがとうございます。

大分御意見をいただいていると思うのですけれども、全体の章の3以降の議論も残っていますので、2についてこれ自体を全部なくしてしまえという議論は全くなかったと私は思います。むしろ文言そのほか、適切な形で修正をする。かなり変えなければいけないところもあるのかもしれませんけれども、おおむねはこの方向で事例を残しながらということにしたいと思います。

整理はなかなか難しいのです。どこの問題として整理するのかというのは非常にいろいろな評価というか、整理自体も評価になる可能性もあるかと思いますので、その点はある程度我慢というか、ある程度整理という方向の中で捉えさせていただく形にしたいと思っております。

とりあえず、ここで1と2の議論については御意見は承った形にさせていただいて、3、4のところに入ります。「第3 プラットフォームを介在する取引に係る規定の整理」「第4 海外の動向」について、事務局からの説明をお願いしたいと思います。

○友行企画官 それでは、資料2の28ページ、「第3 プラットフォームを介在する取引に係る規定の整理」のところでございます。こちらにつきましては、大きくは前回お示ししたものから変えておりません。少し順番などを変えたところはございます。

第3の柱書きでございますけれども「プラットフォームを介在する取引に係る規定について、以下では、その主要な規定について、取引形態をどのように規制しているのか、そして、現行規定の適用上の課題やその限界について検討する」とさせていただいております。

1番のところに持ってきましたのは、プラットフォームを介在する取引そのものを対象とする特別法の不存在でございまして、プラットフォームを介在する取引につきまして、取引の種類や取引の一部の局面に着目した個別法が部分的には存在いたしますが、プラットフォーム事業者が介在する取引全体に着目して、これを対象とする特別法は存在しないというところを最初に書かせていただいております。

その後でございますけれども、プラットフォーム上で締結される利用者間契約は、プラットフォームを介在することにより成立が可能となるものであると。利用者間契約とプラットフォームの利用契約について、それぞれ別個に捉え、既存の個別法を適用した場合に、上記2で述べたようなトラブルに対し適切に対応できるのかといった観点からも、以下では現行規定の適用関係について整理するというところでスタートしていく形でございます。

次の民法のところでございますが、(1)利用者相互の法的関係につきましては、売主、買主の関係を整理させていただいたところでございます。

(2)プラットフォーム事業者とプラットフォーム上の利用者との法的関係につきましては、アのところでBtoC型といたしまして、次のページでございますが、イのところでCtoC型と整理させていただいております。主には準則などを引っ張ってきておりまして、BtoC型につきましては、原則として責任は負わず例外として一定の場合に責任を負う場合があるという形でございます。

29ページ、CtoC型でございますが、最初の段落のところにつきましては原則として責任を負わないというところの考え方が見られるとしております。

その次でございますが、裁判例においては、プラットフォーム事業者は「信義則上、利用者に対して欠陥のないシステムを構築してサービスを提供すべき義務を負う」と示したものもあるという形で紹介いたしまして、その義務の内容につきましては括弧書きにありますように、その時々の社会情勢等に応じて総合考慮して判断されるべきというところでございます。

また、準則の中では、例外としてプラットフォーム事業者に一定の注意義務を認める考え方も示されているところでございます。

原則責任は負わないというところでございますが、そういった信義則上の話でございますとか、例外として認められるといった場合があり、30ページのところでございますけれども、裁判例のことでございますとか、そういった各判断要素の総合考慮により、プラットフォーム事業者に一定の責任が認められることも考えられるというところで結んでおります。

3番は特商法に関する法律の規定のところでございますが、着目したところは「ここでは」という段落でございますけれども、販売業者等が個人である場合、販売業者等とする判断基準でございますとか、販売業者に該当する場合にプライバシー保護の観点からの表示義務を課すことの是非、プラットフォームを介在する取引を特商法がどのように規律しているのかについて、以下について整理するといったところでございます。

最初の(1)「販売業者等」とする判断基準につきましては、前回もお示しいたしましたけれども、31ページでございますが、ガイドラインがあるといったところでございます。このガイドラインはフリマ、シェアエコについての扱いが若干明らかになっていないところがありますというところを指摘しております。

氏名・住所等の表示義務につきましては、プライバシーの保護の観点からどう考えるかといったところでございます。

(3)特商法とプラットフォームを介する取引の適用関係につきましては、32ページに表がございますけれども、プラットフォーム事業者と利用者間との利用契約の考え方でございますとか、プラットフォーム上の利用者間契約についての考え方を32ページからのアと、その次のページのイで整理しております。

アでは「通信販売」の規制を受ける主体となる場合があるといった整理でございまして、イにつきましては、当事者が販売業者となるかどうかにつきましての認定が個々の事案に応じて個別判断、それから、こういった取引におきまして、特商法上の規制が及ばないケースがあり得るといったところも指摘しているところでございます。

4の「消費者契約法」と「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」のところでございます。こちらにつきましては、前回は消契法は上に上げておりましたけれども、電子消費者契約法等につきましては脚注で紹介していたところでございますが、こちらは上に上げて紹介しております。

4の最初の柱書きのところにつきましては、契約法の基本的な考え方を整理しているところでございます。ここの消契法のところにつきましては、2段落目の「ここでは」というところでございますが、消契法に関し、プラットフォームを介在する取引をどのように規律しているのか、それから、プラットフォーム事業者が媒介することの委託と消契法との関係について検討するといった形で打ち出しております。

34ページの(1)が消契法とプラットフォームを介する取引の適用関係でございます。こちらにつきましても、基本的には前回お示ししたものと同じでございます。アはプラットフォーム事業者と利用者との契約関係、イにつきましては、プラットフォーム上の利用者間契約のところの関係を整理したものでございまして、35ページ目でございますが、フリマ、シェアリングエコノミー等のこういった取引の場合には、消契法の適用がない取引となる可能性があり、その場合には、利用者は消費者法の保護を受けないことがあり得るといった整理をさせていただいております。

(2)につきましては、媒介することの委託を行った場合の考え方でございまして、そういった場合には消契法の適用になる。媒介することの委託をした場合に、消契法4条に該当する行為をした場合などにつきましては、取消しの対象になるといったことを整理させていただいております。

(3)につきましては、プラットフォーム上で行われている契約が「CtoC」である場合は、電子消費者契約法の契約には当たらないというところがありますと指摘してございます。

そういったところでございまして、特商法と消契法の部分につきましては、前回お示ししている部分の段落を落としているところがございます。

続きまして、36ページ目、5番につきましては消費生活相談員に関する規定のところ、6番につきましては海外事業者に対する法の適用のところでございますが、こちらにつきましては、前回お示ししたところから大きくは内容的には変えておりません。

第3のところにつきましては、以上でございます。

それから、コラムが続きまして、「第4 海外の動向」のところでございますが、41ページでございます。こちらにつきましても、内容につきましてはEU、中国、韓国を扱っているというところで大きくは変わっておりません。今回お示ししたもので少し加えておりますところは、海外の最後の52ページから始まるところでございまして、小括とございます。こちらは海外のところを少しまとめたところでございまして、最初の段落では、電子商取引が通信販売の延長であった時期から、プラットフォーム事業者の存在を前提としたビジネスモデルの発展と多様化により、さらなる進展の時期に至った現在においては、電子商取引に係るルールとそこでの消費者保護ルールの形成状況は、前項までに取り上げたように、国際的には新たな展開を見せているというところでございます。

このうち、EUなどの国では法的な対応が必要な事項に対して、加盟各国の個別立法対応によるすき間を埋めるべく様々な提案がなされている、横断的なルール整備が議論されている状況であるとしております。

包括的な新規立法を行っている中国、韓国などにつきましてのことをここでまとめさせていただいておりまして、最後に「我が国においては」というところでございますが、取引環境の健全化や消費者の安全性確保に関しては、各事業者の自主的な取組が行われているものの、プラットフォーム事業者が介在する取引全体に着目して、これを対象とする特別法は存在していないという形で結んでおります。

御説明は以上でございます。

○中田座長 ありがとうございます。

この部分については御意見をいただいたところをできるだけ反映させて、かつ特商法、そして、消契法の適用の範囲を明らかにするという方向で修正しています。その点、プラットフォーム取引においてそうした法律が十分には適用ができないようなケースについて、できるだけ客観的に充実するという形でまとめさせていただいております。

その間、幾つか前回のところでも議論がありましたので、文章をできるだけ読みやすくさせていただいたということでございます。いかがでしょうか。

それでは、前田委員からお願いします。

○前田委員 29ページのイのCtoC型の2段落目の裁判例についてというところなのですが、ここは意見が出たところだと思うのです。見え消し版を見ると、その後最高裁により確定と書いてはいるのですが、出ている意見としては、これ自体が傍論でリーディングケースとしての意味をどれだけ持つのでしょうかというところを、ここの信義則上、欠陥のないシステムを構築してサービスを提供すべき義務を負うという話だったり、その後の3行です。これが見え消し版を拝見しているとあまり変更がなされていないように思うので、どのように変更があったのか。

今、私も検索をしていて、最高裁がどのような形で出たのかと確認しました。そのままただ維持するだけという形で出て終わりだったのか、どういう内容が最高裁で出て判例として意味があるのかというところで、最高裁が出ているので最高裁のものを引けばいい話で、下審のものがそのままの残っているということは、そこは傍論で判例として意味はなかったのではないかという疑義も生じ得るところだと思うので、そこだけ御説明いただけると大変ありがたいです。

○中田座長 では、まず森委員からお願いいたします。

○森委員 ありがとうございます。

私も記憶がいまいち定かではなくなっているのですけれども、最高裁は非常にあっさりしたもので、確か受け付けませんということだったと思いますが、地裁と高裁が同じで、確か高裁がこのように改めるという改め文をくっつけていて、その地裁の表現を残していたのではなかったかと思いますが、そういう意味では御指摘の部分は地裁の表現です。

そうなのですけれども、逆に言うと脚注18のところを御覧いただくと、名古屋地判平成20年3月28日、出典これこれで、同判決は控訴審でも維持されている。その後、最判により確定ということなので、事件が最判により確定したというだけのことで、判決理由は原審のものということは脚注で示されているから、これでいいのかなと思います。

○前田委員 そうすると、ここのまさに引用されているこの部分が、要は、この報告書に記載するという意味だと思うのですけれども、ここが結局事例として最高裁で確定しましたというところなのであれば、ここの引用されている部分が、本当にここで裁判例として引用していいものなのかどうかが分からなくて。

○森委員 ありがとうございます。

裁判例においてとなっているのも判例はこうであるではなくて、裁判例においてこういうものもある、このように述べられていると限定的な表現になっているので一つはいいのではないかということ。

もう一つは、今回やってみて非常に感じたことは、この判決は特に一方的に消費者を保護するような判決ではなかったのだということですね。ヒアリングの際に、千葉先生からは、プラットフォームは原則として参加提供者、つまり、店舗のサービス・商品について原則として責任を負うべきであるという御意見が表明されたかと思いますけれども、これはこの判決とは、この裁判例とは全く違う御意見なわけですね。

そういったいろいろな考え方がある中で、一つの裁判例において、信義則上一定の義務を利用者に対してプラットフォームは負っていると。そして、その義務がどのようなものになるかということは、これこれこのような事情で決まるというようにその裁判所が言っているのは、それは一地裁の判決でしかないかもしれませんけれども、ほかに裁判例のない中で、紹介する価値は高いのかなと思います。そして、それは消費者側にとってだけではなくて事業者側にとっても意味があるのかなと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

この判決の内容をどのように見るのかについては議論があるかもしれませんが、一つの事例として事情が挙がっていて、こういう場合の責任を負う可能性があることを示したことは事実ですので、この判決が存在していないということであれば前田委員の意見もこの中に反映させることができるかもしれませんが、むしろここにあって、そういう形での一つの準則という言い方はあれなのですが、ルールとしてこういう見方が示されていることは示しておいていいのではないかと思います。

○前田委員 最終的にはそういう意見ということであればそれはお伺いはしますが、ここは裁判例自体が事例判断でしかなくて、しかも、この中の傍論、要は判旨の中心部分ではなかったところに懸念は示させていただければとは思います。

○中田座長 分かりました。

片岡委員、お願いします。

○片岡委員 まず、今、話のあった裁判例の紹介のところなのですが、30ページの一番上の段落のところですね。これは状況が変化しているため、今後は一定の責任が認められることも考えられると書いてあるのですけれども、これは裁判例をもとに現在の状況を評価しているのだと思うのですが、普通に「今後は」ではなくて、今までであっても総合考慮により一定の責任が認められ得ることはあったと思うのですが、わざわざこの段落が要るでしょうかということです。この段落は別に要らないのではないかということですね。

○中田座長 2つ解釈の可能性かあって、要らないという意見と、そのまま置いておいてもそれだったら構わないと。説明という形なのですが。

○片岡委員 この一文が必要であるとするならば、そのため、今後は責任が認められることも考えられるとした理由。例えば、この判例と同じような案件であってもということを言いたいのか、どういうことを言いたいのかをお伺いしたいと思います。

○中田座長 分かりました。それが1つ目ですか。

○片岡委員 それが1つ目です。

2つ目が、30ページの特商法に関する法律の一番上の段落ですが、今、後段に「特商法は、プラットフォームを介在する取引に関わる重要な法律の1つである」と書いてあるのですが、冒頭でプラットフォームを介在する取引を規律する法律はないと書いているので、ここは書くとしたら「プラットフォームで行われているEC取引に関わる」という書き方のほうが正確なのではないかと思いました。よって、その次に続く「特商法はプラットフォームを介在する取引をどのように規律しているか」というところについても、「プラットフォームで行われているEC取引」としたほうがいいのではないかと思います。

最後にもう一つが「第4 海外の動向」のところなのですけれども、52ページの一番最後の小括のところですが、ここは海外のことを小括していると思いますので、一番最後の段落「他方で、我が国においては」というところは不要だと思います。そして、この内容は第3の冒頭に書かれていますので、これは不要という意見です。

以上です。

○中田座長 最後のところはあってもなくてもいいという趣旨ですか。それとも削れという趣旨ですか。

○片岡委員 海外のところの小括にあるのが違和感があるので、削除すべきだという意見です。

○中田座長 でも、何のために海外の事例を置いたのかという意味がなくなってしまうような気がするのです。むしろ外国ではこういうことをやっていますよと書いてあるので、そして、日本は自主的な取組で大分やっていますという評価があります。そのような比較的な評価はあってもいいのではないかと思うのですが、そのあたりは議論の中でも出ていたことですし、それは違うのでしょうか。

○片岡委員 場所がここなのが気持ち悪いという意見ですので、皆様の御判断に従います。

○中田座長 分かりました。了解いたしました。

それでは、1番目の質問のところですね。企画官から。

○友行企画官 30ページの「上記裁判例が示した」というところだと思うのですけれども、この判断要素の対象となる状況は、第1で述べたプラットフォームを介在する取引の拡大予測やインターネット関連技術の発展等により刻々と変化していると。そのため、今後は各判断要素の総合考慮によりプラットフォーム事業者に一定の責任が認められることも考えられるということでありまして、お分かりだと思うのですけれども、判決が出たときは平成20年でありまして、そのときにはこういう形で信義則上義務を負うと。その義務の内容は社会情勢や、システム技術水準や、システムの構築、維持管理に関する費用、システム導入による効果、システム利用者の利便性等を総合考慮して判断されるべきという話がございます。

そのときには、ここまではやるべきだといった判断がされたと思うのですけれども、それから10年たってこうした導入による効果や費用やシステム構築に関すること、技術水準に関することなどが変化してきていて、それを踏まえてプラットフォーム事業者に責任が認められるということも、昔と比べて現在また違った形で認められることも考えられるのではないかといったことを書いているところでございます。

○中田座長 ここの書きぶりが難しいということなのかもしれません。2つ、この判決の捉え方はあるだろうと思うのです。前田委員の捉え方は、おそらくこういう責任を負うという形では、これは傍論であるので責任を負わない可能性が高いのではないかという意見で理解していいのかなと私は思ったのです。もう一つは、この射程がどこまで及ぶのかということで、もし今後のプラットフォーム取引の重要性から、この射程がきちんと認識されると、責任を肯定する方向に利用される可能性もあるという理解です。そういう判例の見方についての議論ではないかと今のところは見ているのです。

そのことを前提にしつつ、我々の専門調査会ではプラットフォームをめぐる現状が大きく変わっているということを認識の柱にした上で、だとすると、この判決のような準則を使いながら、プラットフォーム事業者に責任がかかってくる可能性があることを指摘しておくのも意味があるのではないかということではなかったかと思うのですが、違いましたか。

前田委員からお願いします。私の理解が十分ではないのかもしれませんが、よろしくお願いします。

○前田委員 裁判例をどう引用するのかというところは、先ほど森先生からもお話があったように、最終的にはほかにも最高裁とかほかの裁判例がないのであれば引用するというのが、参考情報として引用するということであれば良いというところはあるかもしれません。ですが、そこを踏まえた上で刻々と状況は変化していると。なので、例えば、各判断要素の総合考慮の在り方が変わり得るかもしれない、今後においては変わることも、再考が必要になるかもしれないという書き方であれば分かるのですけれども、プラットフォーム事業者に一定の責任が認められるというのは、価値判断がどうしても入ってきていると思います。

今、この専門調査会の場は、プラットフォームなのか、事業者なのか、それとも消費者なのか、その役割について、分担について考えましょうというものと理解しています。前回の専門調査会のときにも、ここでの報告書で挙がっている内容を踏まえてこの後どうするのか議論をするという御指摘があったかと思います。そうすると、総合考慮の在り方あるいは考え方、判断要素の総合考慮の在り方、どのように考えていくのかが裁判例とか準則などはあるけれども、10年もたって、まさに座長がおっしゃっているように変わり得るかもしれないというところでとどめておくということであればまだ分かるのですけれども、ここは一つの考え方が入ってしまった前提での記載になっているように読めるので、微修正だと思うのですけれども、修正したほうがいいと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。

前田先生の意見と同じです。判決はこの29ページにあるようにそのサービス提供当時におけるインターネットオークションをめぐる社会情勢とか、場合によってはシステムの構築及び維持管理に要する費用とか、そういったものを総合考慮して判断されるとしているのですね。プラットフォーム事業者の義務の内容が判断される。ですので、経年によって増えるとは必ずしも限らなくて、もしかしたら減ることもあるわけです。なので、ここの30ページの書きぶりとすれば、刻々と変化している。そのため、注意義務の内容は、プラットフォームの種類等にもより、本判決、上記裁判例と同じとは限らないので不断の注意が必要である程度のことにしておかれると、ニュートラルであまり違和感なく読んでいただけるのかなと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

生貝委員、お願いします。

○生貝委員 ありがとうございます。国内法から外国法、よろしゅうございましょうか。第4の41ページでございます。

何点か微修正というレベルかと存じますが、まず第1点目として、2パラで「なお、米国では、現時点では事前規制の少ない比較的自由な市場となっている」ということについて、むしろアメリカという国は、連邦レベルだけで見てもFTC法5条で、プラットフォームが直接関わるかどうかは別としても、最近はレビューに関するかなり厳しい執行があり、TikTokに対してはCOPPAのエンフォースメントだったでしょうか。そのほかにもFTC法5条はかなり厳しいと表現してもよいエンフォースメントが大変見られるところでございます。

そのほかにも連邦法レベルでもレビュー公正法、いわゆるさるぐつわ条項禁止法というのも存在していたりしますし、プラス、これはしばしばアメリカを見るときのある傾向なのですけれども、私はアメリカ消費者法を専門でやっていないのですが、アメリカは多くの部分で州法がメインでございます。例えば、プライバシー関連法、先日、カリフォルニア州のホームページを見たところ、カリフォルニアだけで優に70以上、数え方によっては100以上、掛ける50ほどが法律として存在しており、そのうちの少なくない部分が最近成立した法律を含めてオンライン分野に焦点を当てているといったことがあります。

同じことは、おそらくオンライン消費者分野でも少なくないと言えることであるはずであって、アメリカが事前規制の少ない比較的自由な市場だということは、これは事実に反するのではないかと存じましたので、今回アメリカについては調査をしていないと明確に書いておくにとどめるのがよいかなというのが第1点でございます。

第2点について、EUに関してでございます。これもアメリカの件と近しいところがあるのですけれども、先に結論を申し上げますと、今回取り上げられた幾つかの指令ですとか提案は、ごく最近のEUにおけるプラットフォームに関連する消費者関連のイニシアチブのごく一部だということを明確にお示しいただけるとよろしいかと存じました。

先日申し上げましたとおり、例えば、ヨーロッパではUCP指令というのが相当程度プラットフォームにも関わる、特に2016年5月の改定ガイドラインなどがある。消費者ニューディールも実はUCPの改正が今度入ることになりまして、オンラインレビューに対する規定が最終暫定合意で入ることになったり、まさに非常に様々なイニシアチブがEU法レベルでもあり、カライスコス先生がいらっしゃったときにお話をしたとおり、あちらもあくまでメインは国内法でございます。国内法がばらついてしまったり、やり過ぎてしまったり、あるいはコーディネーション、ハーモナイゼーションがかかったほうがいいときにEU法はプロポーショナリティーの原則に基づいて初めて発動することを許されるものでございます。まとめますと、最初に申し上げましたとおり、あくまでごく一部だということは記載されるとよいかというのが2点目でございます。

そのほかに、まさしく自主規制、共同規制、ヨーロッパではこれらを丸めてソフトローアプローチとリファーされたりするところでございますけれども、こういった方法による問題解決が極めて重要であると考えております。

そのようなときに、ヨーロッパでも今申し上げたあまたの法のほかに、またあまたのソフトローアプローチが存在しております。わけてもこの分野におきましては、2017年の9月に出されました欧州委員会の「Tackling Illegal Content Online」という文書の中で、まさしく様々なプラットフォームが、どうやってそこで生じてくる違法コンテンツに対してどう取り組んでいくかに関しまして、その副題がプラットフォーム責任の強化に向けてということでございますので、しっかりとより今までの受動的な対応だけではなく、能動的な対応を、自主的な対応でまずはやっていくべきだということを全体のトーンとしてつくっている。

その上で、例えば、オートメーテッドフィルタリング、ディテクティングに関しても積極的な取組をしていくべきだということが書かれておりまして、ヨーロッパのアプローチというのは原則としてまず自主規制でやってみて、共同規制でやってみて、それでもだめならば法規制というアプローチでございますので、そういったような状況にあることをソフトローとしても念頭に置いていただく。

他方で、これは消費者法に直接どのぐらい関わるのかは定かでないのですが、別の機会に事業者様とお話した際に話題に出てきたのですが、積極的な対応によってあまりにも取引に手を出し過ぎるとプラットフォーム、つまり、第三者としての地位を失ってしまうことがしばしば関連する法律との関係であり得ると考えるときに、いわゆるグッドサマリタン、よきサマリア人、ここまで手を出しても別にあなたたちの免責特権を失うわけでもないですよといったことを明確化することに、さきの2017年9月の文書は多くのページ数を割いているところでございまして、そういった部分ももしかするとこの部分でも意識をしなければならないところかなと存じたところでございました。

少々長くなりまして恐縮ですが、以上3点でございます。

○中田座長 御指摘をどのように入れようかと、今、私は頭を使っているのですが、確かに米国のところでも具体的な法規制という形でそのものを記載したものはないかもしれませんが、具体的な執行のところで消費者保護的な規制がかかることは十分認識できますので、「なお」のところは少し削除するか、注に入れるか、削除したほうがいい感じがします。もし生貝先生が今言われたところを少し要約していただけるのであれば注のところに入れる形で、米国法のほうはいいと思うのですが、ヨーロッパでの最新の動きを入れるのであれば少し要約していただいて、EUの最近の動きという形で今日お聞きした情報として入れるというのは考えられることですが、そういう形のほうがよろしいですか。

○生貝委員 申し訳ございません。私の心は、3点それぞれ1行ずつ入れていただければというイメージでございまして、1点目は、「なお、米国については調査をしていない」ということ、2点目については、「これらはヨーロッパの様々な取組のごく一部である」こと、3点目に関しては、「このほかに非常に多くのソフトローアプローチがあり、例えば、2017年9月の文書は重要である」という、この3点だけを入れていただければという趣旨でございます。

○中田座長 分かりました。その内容を具体的な提案という形でいただければ、後で事務局と相談させていただきます。

それでは、前田委員、お願いします。

○前田委員 今のアメリカ法の話なのですけれども、生貝先生が御指摘のところを入れるのであれば、この41ページの「なお」の1行は矛盾してしまうという気はします。なので、生貝先生の御指摘の1文を入れて差し替える形なのか、生貝先生がおっしゃったようにFTC法がかなり強く影響があるというのは事実なので、この記載だとアメリカにおける判断がフリーハンドになってしまっているみたいな記載になってしまってしまうのかなという気はします。

○中田座長 私も実は気になったところなので、そこは削除するか、米国についてはそのように言われていることもあるが、実はそうではないということも書く可能性もありますので、それは事務局と相談させていただきたいと思います。

それでは、第3と第4ということで進めさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。

どうぞ。

○生貝委員 先ほどの第4の最後の日本法への言及につきまして、52ページの一番最後の、日本にこういう法律が存在しないということは、私はこのぐらいは残していただきたいなと。本当の心を言うと、外国法研究は比較法のためにあると思っているので、もうちょっとこれはがりがりやりたいなと思うのですけれども、今日が最後でございますし、私もそれを自分でやれと言われたら死んでしまいますので、このぐらいの記述にとどめていただくとよいなと。

本音を申しますと、私が外国法をやっていて感じるのは、本当に日本はこの分野の法律は少ないなということであって、それは翻して言えば事業者様たちに非常に自主的な努力を頑張っていただいているのだということでもあって、そういった中で、存在しないことが必ずしもそれそのまま法の必要性を求めているわけではないという立場は堅持した上で、この記述を中立的な形で残すのがよいのではないかなと。そして、私にはこの記述がそう読めます。

済みません。余談です。

○中田座長 ありがとうございます。

この部分について、ほかによろしいでしょうか。

それでは、大分時間が来ましたので、少しだけ休憩させていただきたいと思います。10分ほど休憩させていただいて、15時45分から再開という形にさせていただきます。

(休憩)

○中田座長 それでは、時間になりましたので再開させていただきたいと思います。

次のところは議論が白熱するかもしれないですが、「第5 プラットフォームを介在する取引の重要性や特徴」「第6 提言」について、事務局からまず説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○友行企画官 53ページ、「第5 プラットフォームを介在する取引の重要性や特徴」でございます。こちらにつきましては、前回もこのような形ではお示ししておりますけれども、少し文言を足しているところがございます。

第5の柱書きでございますが「プラットフォームを介在する取引の経済的重要性が認識されるとともに、その広がりに応じて、プラットフォーム事業者には様々な規模、仕組み、提供サービス、収益構造を持つものが存在している。以下では、まずプラットフォーム事業者が介在する取引の重要性の重要性について指摘した後、全てのプラットフォーム事業者にみられるものではないが、その特徴としていくつかの観点を示すことにする」といったところでございまして、以下、1から6まで挙げております。

1については、重要性の高まりといったところでございますが、2以下の特徴、観点といたしましては、全てのプラットフォーム事業者にはどの程度、程度の差があるというところを踏まえた上で指摘するといった形にさせていただいております。

個別の内容につきましては、大きくは変えておりませんけれども、例えば、一番のところは大きくは変えておりませんが、2番のところではプラットフォーム事業者が定めたルール・設計に基づく取引といったところで、54ページで(1)(2)という形で特徴を指摘しておりますが、例えば、(1)利用者の選択権の基礎となる情報の提供にいたしましては、そういった意思形成の重要な基礎となっている場合もあるといった書きぶりにしております。そういったところを変えているところでございますが、こちらにつきましては、前回のところからは大きくは変えていない形でございます。

55ページ目を見ていただきますと、5のプラットフォーム事業者による紛争解決の可能性というところでございまして、こちらにつきましても「したがって」のところでございますが「プラットフォーム事業者は、何らかの対応が必要である場合は、その対応について、あらかじめ規約で定めることにより、プラットフォーム上で消費者トラブルが生じた際に、悪質な参加者のアカウントを停止する等の措置をとることにより、取引の場を正常な状態に戻すことができる可能性を有するといえる」といった書きぶりにしております。

第5のところは以上でございます。

56ページから「第6 提言」でございますが、こちらにつきましても大きな柱立ては変わっておりませんけれども、「第6 提言」の柱書きのところでございますとか、1の柱書きにつきましてもう一度御確認をお願いできればと思います。

「第6 提言」の柱書きにつきまして、最初の段落の「プラットフォームを介在する取引は」というところでは、我が国社会全体にとって重要なテーマであるといったところを指摘しております。

2段落目でございますけれども、アンケート結果や消費者からの相談事例をもとにトラブルについて一定の整理を行いましたというところでございます。それに対しましては、事業者において事業者の様々な取組がなされていることも分かったところでございますといったところでございます。

その次の段落で、プラットフォーム上の利用者間契約は、プラットフォーム事業者を介在することにより成立が可能となるものでございますと。プラットフォーム利用契約と利用者間契約は相互に関連しているものの、現行法においてはプラットフォーム事業者が介在する取引全体に着目して、これを対象とする特別法は存在しないといったところを指摘しております。

発生する消費者トラブルに関し、プラットフォーム利用契約と利用者間契約について個々に個別法を適用しようとした場合、利用者の事業者性の判断や表示義務とプライバシー保護とのバランス等について、課題が生じ得るとしております。

本専門調査会は、こうした様々な状況を踏まえまして、利用者が安心してプラットフォームを介在する取引を利用できるようにするためには、取引に関わる主体がその役割を果たし取組を進めていくことが重要であるとの視点に立って、利用者の安心・安全に向けて、プラットフォームを介在する取引に関わる各主体が取り組むべき事項について、提言を行うといった形でまとめております。

一番最初のところがプラットフォーム事業者の役割でございます。最初は前も指摘しておりますような設計のところでございまして、利用者間の契約の締結に向けた意思形成過程に影響を与えているという指摘もあるというところでございます。さらに、契約の履行につき不可欠な役割を担う場合も見られるといったところでございます。

57ページ、プラットフォームのトラブルの未然防止や不正な取引を行う利用者の排除等による被害発生を回避することができる可能性を有するものであるといったことを指摘しまして、プラットフォーム事業者は役割に応じて取引環境の健全化を図り、安全に取引を行い、かつ合理的な選択の機会を確保するためのシステムを構築する役割を担う立場にあると指摘することができるとまとめさせていただいております。

次の段落でございますが、プラットフォーム事業者の経済活動の発展のためには、その市場の重要なパートナーである消費者の視点に立つことが重要であると指摘しておりまして、本専門調査会としては、こうした消費者の視点に立った上で、プラットフォーム事業者の規模ですとか、仕組みですとか、取扱商品等により取組内容が異なる場合もあると見られますけれども、例えば、プラットフォーム事業者が担うべき役割として次のことを指摘したいとしております。

もっとも、以下に示すいずれも取組例でございますけれども、これにつきましては、本専門調査会においてヒアリングを行ったプラットフォーム事業者においては既に取り組まれていることも含まれているといったところでございます。そのようなプラットフォーム事業者においては、さらに積極的な取組を期待したいというところでございまして、その上で全てのプラットフォーム事業者において、規模、仕組み、取扱商品に応じて、こうした以下に示すような取組例を行うことが求められるといったことでございます。

以下の(1)から(9)に示す取組例を実施するに当たっては、特に若年者や高齢者に配慮した取組としても行うことが重要であるとしております。

以下、(1)から今回(9)までとしておりますけれども、前回と変わっておりますところはODRのところでございますが、そこを項目としては削除しまして一つにまとめております。61ページ、(7)消費者トラブルへの対応と消費生活センターとの連携の取組の一番下のところに、消費者がトラブルに遭った際にというところで実際にやっていただきたい取組の事例を入れ込んでしまいまして、項目としては1つ減らしておりますので、全体としては(1)から(9)までを具体的に取組例として示しているといったところでございます。

以上が1番のところでございまして、63ページからはCtoC取引における消費者としてのプラットフォーム利用者の役割でございます。こちらは提供者の役割を(1)として記載しておりまして、(2)購入・利用者の役割でございます。(1)提供者の役割につきましては、まず、提供者は取引に参加する上での基本的なルールを遵守することは不可欠だということも強調しているところでございます。(2)購入・利用者の役割のところにつきましては、以前脚注におろしていたところを上に上げるべきだという意見が幾つかのところからございまして、上に上げまして、購入・利用者において留意していただきたい点ということをこの上で明確に示すといったところでございます。

64ページ目につきましては、行政機関にやっていただきたいことということでございまして、(1)につきましては消費者への情報提供ということで、ア、イ、ウということで変えておりません。(2)につきましてはプラットフォーム事業者への情報提供ということで、加えましたところは一番最後の段落でございますが、新業態のプラットフォームが次々と出現してくることでございますとか、プラットフォーム事業者に紛争解決に向けた情報共有や協力を求めるためには信頼関係が不可欠であり、定期的な情報交換なども必要ではないかといったことを盛り込んでおります。

65ページ目、関連する法令、ガイドライン等の見直しのところでございまして、ここでは特商法のオークションガイドラインでございますとか、オークションの出品者の表示義務につきまして、第3で指摘したところを受けるような形で一定の見直しを検討することが考えられるのではないかといったところで整理させていただいております。

66ページ目、国民生活センター、消費生活センター、消費者団体の役割でございます。(1)消費生活センター等の役割につきまして少し整理いたしまして、ここの最後のところでございますけれども、結論といたしましては、国民生活センターや消費生活センターは、プラットフォームを介在する取引に関する消費者相談に対応することが考えられる、CtoC取引であっても対応することが考えられるといったことを明確に書くといったところでございます。

68ページ目、こちらはプラットフォーム事業者が果たす役割の実効性の確保といったところでございまして、この専門調査会におきましては、プラットフォーム事業者の取組の役割につきましても書いてはおりますけれども、直ちに法律による制度整備を求めているものではございません。本専門調査会における調査審議等を踏まえまして、プラットフォーム事業者の役割について、その取組の実効性を確保するための基本的な方策として整理すると、以下のようなものが挙げられるといったところでございまして、法律、ガイドラインというのは、海外でもそういった規定があったというところで書いてはおりますけれども、主に自主的取組や共同規制の重要性でありますとか、認証制度を既に取り入れているといったシェアリングエコノミーのところのお話もございましたので、そういったところを参考にできるのではないかということで整理して記載しているところでございます。

70ページにつきましては、今後の課題というところでございまして、柱書きのところでございますけれども、「プラットフォーム」という広い概念を対象として考えるに当たっては、消費者保護の観点から、以下についても重要な論点となり得るため引き続き着目し、議論の検討を深めるべきであるとの指摘があったというところで指摘させていただいてございます。

項目としては前回のところと変えておりませんで、利用者の情報の取扱いに関する透明性の話でございますとか、パーソナルデータの扱いでございますとか、72ページでSNS等における財、サービス等の取引、海外事業者への対応をどうするかといった話でございますとか、73ページでオンライン紛争解決の重要性、最後のところでプラットフォームを介在する取引における消費者保護の視点の重要性といったところでございます。

こういったプラットフォームが介在していく取引が健全に発展していくためには、消費者の自由な選択が基礎に置かれることが大事であり、消費者が安全に取引に参加できることが重要であるといったところを指摘しまして、プラットフォームを介在する取引に関係するルール、仕組みの検討を行うに当たっては、こうした消費者保護の視点や、また、プラットフォーム利用契約と利用者間契約がそれぞれ別個ではなくて相互に関係している取引であることに着目した検討を行うべきではないかと指摘しているところでございます。

その後、コラムを挟みまして、コラムが6、7、8、9とつながっていきますが、最後のところに前回にはございませんでした「おわりに」がございます。まとめといいますか、最後の締めくくりといったところでございますけれども、基本的には今まで書いてきたものをここに繰り返して書くような形になっております。

最初のところは、これまでの検討の回数を振り返ってございますが、一番最後の段落の「本報告書は」といったところでございますけれども、本報告書は、プラットフォーム上の取引市場の健全性と安全性を確保するためには、プラットフォーム事業者の役割が重要であること、そしてそれは、消費者利益の保護という視点に基づいて行われるべきであることを指摘していると。本専門調査会としては、プラットフォーム取引における消費者保護に関する課題を解決するために、事業者(事業者団体)、消費者と、ここに記載するような関係行政機関などにおきまして、今後の検討において本報告書が活用されることを期待するといった形でまとめております。

以上でございます。

○中田座長 ありがとうございました。

この点については、かなりいろいろな御意見が寄せられたということで、事務局と相談しつつ、できるだけそれを反映しつつ、かつ本報告書の意義が失われないように、わりとコンパクトながらも方向性を示すような叙述も残されているということになっていると思います。限られた時間ですが、御意見等を賜れればと思います。

もちろん、いろいろな意見があるとは思いますが、全体としてこのような形でまとめさせていただいているということですので、今後の課題については、書いてあるとおりに、今後の課題としていろいろな意見があったところをまとめさせていただいているということでございます。

片岡委員。

○片岡委員 たくさんあるので、まず第5について申し上げたいと思います。第5のところですが、前回に引き続き今回もたくさんの意見を出していますが、その結果、このようにまとめられたということですので、細かいところではなく一番最初の柱書きのところの修正をお願いしたいと思っています。

何かというと、今の書きぶりをもう少し工夫していただきたいというところなのですけれども、今、53ページの柱書きで「以下では」という文章になっているところがありますが、今は「全てのプラットフォーム事業者にみられるものではないが、その特徴として」という書き方をしてありますが、この「全てのプラットフォーム事業者に見られるものではない」ということをかなり強調していただきたいという思いがありまして、以下のように変えていただけないかと思います。

これは有識者から示された観点であるということを明記していただきたいというところがありますので、例えば、「以下では、まずプラットフォーム事業者が介在する取引の重要性について指摘した後、プラットフォームを介在する取引の特徴として、有識者から示された幾つかの観点を紹介する。なお、これらの特徴は必ずしも全てのプラットフォーム事業者に該当するものではなく、各プラットフォームの実態によって異なることに留意が必要である」といった形です。

○中田座長 今の片岡委員の御意見、修正点について、各委員、いかがでしょうか。

気になることなのですが、「有識者から示された」と限定される意図は何なのでしょうか。ここに注もあるのですけれども、必ずしも有識者だけではなくて、ほかのところの検討会で示された観点とか、あるいはこの議論の中で示された観点が出てきていると思うのですが、有識者だけということではないのではないでしょうか。それが事実の問題なのかどうなのかは別ですけれども。

○片岡委員 事業者から反対意見が出ていたことについて特に書かれていないので、書きぶりを調整していただいていると思うのですけれども、第11回のヒアリングをもとに書いているということを明確に書いていただきたいという趣旨です。そうしないと、その後のところで書いてあることについて、こう書いてあるけれども、こういう意見もありますという意見を全て言いたくなってしまうのでということです。

○中田座長 生貝委員、お願いします。

○生貝委員 その点については私も少し前回発言させていただいたところではあるのですが、私の認識ですと、このあたりの書きぶりを含め、まさしく比較的事業者様以外からはあまり違和感のない表現であったという御意見も多かったかなと記憶しております。他方で、事業者様からは、それは必ずしも実態に即していない部分がともすればあるのではないかという意見があったこともまた事実であろうかと思います。

中田座長のおっしゃったとおり、ほかの政府検討会等でもまさに同様のことを言われているところでございますので、本文としてはこのようにしたままで、しかし、当然このことについては、より非常に現実のビジネスを御存じでいらっしゃる事業者の方から必ずしも全てに当てはまるものではないという意見があったことを明確に書くことが、議論の経緯をしっかり示す意味でも適切なのかなと感じたところでございました。

○中田座長 今、言われたところ、前段のところで「プラットフォーム事業者には様々な規模、仕組み、提供サービス、収益構造を持つものが存在している」と書いてあるので、それを前段として読んだ上で全てのプラットフォームにそれがあるわけではないのだという理解だと、ほぼ片岡委員の理解と共通するのではないかと私は受け取ったのですが、違うのでしょうか。そこは大分隔たりがありますか。

○片岡委員 これも書き方の問題なのですが、今の書き方だと、「いろいろあるけれども、こう整理できるよね」というふうに読めるので、「こう整理したけれども、いろいろなものがある」という、いろいろなものがあって必ずしもこれに当てはまるとは限らないというところをより強調して書いていただきたいところです。

○中田座長 では、例えば、「指摘した後、その特徴として幾つかの観点を示すが、それらは全てのプラットフォーム事業者にみられるものではない」と書けばいいですか。

○片岡委員 「各プラットフォームによって状況は異なる」とか、書き方は幾つかあると思うのですけれども、そういった書き方をしていただきたいです。

○中田座長 いかがでしょう。

○友行企画官 修文は承りましたけれども、それは規模、仕組み、提供サービス、収益構造をいろいろ持つものが存在していて、プラットフォームにおける状況が異なるというのは、当たり前のことといえば当たり前のことだと思います。修文はそのようにさせていただきたいと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

どうぞ。

○片岡委員 そうであるならば、既に直していただいているところもあるのですけれども、こういう場合があると直していただいているところと、こうであると書き切りのところと両方あるので、そこはもう一度見直しをしていただきたいという意見です。

○中田座長 具体的にどこかということでありますか。

○片岡委員 例えば、55ページの5の「集約されている」とかですかね。

○中田座長 でも、これは個別のところなので、これも異なり得るということは前提ということではないのですか。文章の書き方なので、こうなりますが。

○片岡委員 なので、こちらを直すのではなくて柱書きを直してくださいというお願いをしたのです。

○友行企画官 柱書きは直します。

○中田座長 分かりました。そういう形で対応させていただきます。

○片岡委員 もう一つだけいいですか。これは修正意見ではなく、どうしても議事録に残しておきたいので申し上げるのですが、5のところで、情報が集約されているので迅速な対応ができる可能性が高いということが書かれています。そういう見方ももちろんあると思いますけれども、結局、プラットフォームでは商品の現物を持っていません。アンケートでは、商品の品質が悪いというトラブルが一番多かったのですが、そこに対する解決策がないのが悩みだとずっと申し上げてきたとおりなので、議事録にそこだけ残しておきたいと思います。

以上です。

○中田座長 もしそれをこの文書の中で書くとすればどこがいいですか。

○片岡委員 ここには書かなくていいのですけれども、後で6のところで冒頭に書いていただきたいという意見です。今申し上げてもいいですか。

○中田座長 6だとちょっと、個別の取引のところかなという感じがしていたのですけれどもね。

○片岡委員 前回も、事業者の共通の悩みとして、品質にトラブルがある、いわゆる通常の売買取引にトラブルがあったときに、事実確認が難しくてどう判断したらいいか分からないという悩みがあるというお話をしたのですが、そこのところがどこにも入っていない状態なのと、商品に関する情報だと実は集約できていないのですという事情を知っていただきたいというだけです。

○中田座長 もし事業者サイドで今の点について何かございましたら意見をいただけませんか。その商品の情報について集約できていないというようなことがありますか。ただ、大量に商品を扱っていて、それについてかなり欠陥が出ている場合には、苦情として挙がってくるわけですね。ただ、そのあたりの情報はプラットフォーム事業者さんのところには上がってくるのですか。つまり、上がり方なのですが、どうなのでしょうか。大量にそういうものが出てくる場合とか、個別に本当にレアケースで出てくるのはなかなか難しいかも分からないのですが、それは多分ここでは問題にしていなくて、むしろ数多くの苦情が出てくるようなケースだろうと思うのですが、いかがでしょうか。

○上村委員 例えば、特定の商品に関してとか特定の出品者に関して苦情が多く挙がれば、それが社内で分かる状態にはなります。

○中田座長 ここは、そういうレベルでの議論ではないかと思うのですが、片岡委員が言われているのはそのあたりのことではないのですか。今の情報収集というのは、ちょっとお聞きしたいと思うところなのですが。

○片岡委員 事業者としては、必ずしも悪質な出品者だけではないという話は前にもあったと思うのですけれども、1対1のCtoC取引でトラブルがあったときに、それをいかに解決するのかを考えたときに、アンケートにも出ているように、本当に一個の商品の品質とかがトラブルになることが多いのですが、そこに対しての解決は、これという対策があるわけではないという意味です。

○中田座長 大量現象からすると、それは。

○片岡委員 大量現象があればいいのですけれどもという話で。

○中田座長 全体の取引からすると、それはかなり少ないケースなのですか。それとも、かなり多いケースなのですか。

○片岡委員 多いケースです。多くは個々人の話です。

○中田座長 どうぞ。

○上村委員 確かにCtoCの取引だと、買う側がこのぐらいのクオリティーだと思っていたものが、届いてみたら全然違ったとかという主観的な問題が結構あって、片岡委員が言われているのはそういう問題だと思いますけれども、そういうトラブルはいっぱいあるのです。でも、個別に違うので結構対応が難しいということです。

○中田座長 分かりました。

どうぞ。

○消費者委員会池本委員長代理 今の御指摘の点は、62ページの脚注の72番で紛争解決というときになかなか見きわめが難しいという御指摘で反映されているように私は読んだのですが。

○中田座長 畠委員。

○畠委員 まさにケース・バイ・ケースだと思うのですが、55ページの文章で言うと3つ目ですかね。「したがって」の前のところで「トラブル当事者はそうした情報を有していないことが多く、それに比べプラットフォーム事業者は、情報を活用した迅速な対応ができる可能性は高い」と、ここはやや言い切りになってしまっていて、ここはまさにケース・バイ・ケースなのではないかと思います。

○中田座長 「可能性がある」ぐらいですか。

○畠委員 「可能性がある」もそうなのですけれども、トラブル当事者に対して、売主も含まれるのであるとすると、売主のほうが情報を持っていることも多いのではないかと思います。

○消費者委員会池本委員長代理 池本ですが、私はここの文章は「情報を活用した迅速な対応」という「情報」というのが同種情報、まさに同種苦情が多発したときに対応する力を持っているという意味で、相対の1対1であれば主観的な評価の問題になるけれども、いわば情報集約に基づいて対応できる可能性があるという意味にもうちょっと言葉を足せば誤解は避けられると思います。

○中田座長 むしろ大量系の紛争事例だということですね。

原田委員。

○原田委員 まさにそういう話だと思うので、5の「したがって」の後のほうのプラットフォーム上で消費者トラブルが生じた際に、悪質な参加者のアカウントを停止する等の措置をとることで、取引の場を正常な状態に戻すというのは、いわゆるこの出品者というか、提供者の人に、大量に苦情が発生しているという情報をもとにアカウントを停止するという結果を出すという意味でここは書いてあるのですか。

「紛争解決の可能性」というタイトルといまいちなじんでいないのは、紛争解決というと、今お話ししたように、品質とか商品のトラブルみたいな主観をもとにしたトラブルに紛争解決としてという話が何となく想定されてしまうので、ここでは混乱してしまうのかなという感じがします。情報が収集されるというところで切るのだったら、それだったら大量に一人の悪い人が一斉にやっているのだったらその情報が収集できるから、そのアカウントを停止することができるというふうにすぐ読めるのですけれども、「紛争解決の可能性」というところとあまり結びついていないのかなという印象を受けます。

○中田座長 分かりました。

タイトルが「紛争解決の可能性」だと広がり過ぎるという御指摘だと思いますので「情報の集約可能性」ぐらいですかね。

○森委員 私もこれは結構重要な問題ではないかと思っています。というのは、御案内の3省合同でアンケートをとりましたと。これはモールの店舗とアプリマーケットプレイスのアプリベンダーですね。そのプラットフォームの利用者で提供者側にアンケートをとりましたところ、要は、これは優越的地位の濫用かどうかを調べるという趣旨なのですが、挙がってきた苦情の中に、一方的に購入者側の言い分を聞いてアカウントを消されてしまって、収入が大幅にダウンして厳しかったということが結構あります。

プラットフォームの議論をする上で、ここの話はゆっくり進めたほうがいいところでして、私も名案はないのですけれども、そういう意味では先ほど池本先生がおっしゃったみたいに、大量にクレームが挙がっているケースではこうと限定するか、それとも脚注か何かで個々の案件については、直ちに商品・サービスについて直接的な情報を持っているわけではないのでプラットフォーマーが判断に苦慮する場面もあるとの指摘があるという留保を書くかとしたほうが、片や消費者から苦情が出てきたからプラットフォームが店舗をやっつけろみたいな話だと優越的地位の濫用に、片や何もしないと消費者保護に欠けるという難しい問題なので、それは意識して書いていただいたほうがいいと思います。

○中田座長 ありがとうございます。貴重な御指摘ではないかと思いますので、少し反映させるような方向をとってよろしいですか。

○友行企画官 そうですね。両方書くというのもありですか。

○中田座長 池本委員。

○消費者委員会池本委員長代理 池本です。

今、直前におっしゃったように、私はこの「紛争解決の可能性」の中には2つの意味がある。それが一緒くたになっているので、個別案件について、もう聞いたらアカウント停止かと誤解を招くものだと思います。取引停止というのは一番最後の強硬手段ですね。もっと前に苦情がされたことについて、それをきちんと伝達して回答を求めるというところから普通はあると思います。

あるいは、連絡先がそもそも連絡がとれないとなったらきちんと連絡するように、あるいは正確な当初表示していたものと違うのであれば正しい連絡先を確認して、それを消費者の側に伝えるとか、自らが連帯責任をもって履行する責任では決してないのだけれども、紛争が早期、円滑に解決できるような調整役になるという意味での対応をするという意味と、仮に言い分が食い違っても大量の情報の中で一定の見きわめができれば、それはアカウント停止も含む再発防止の措置を講ずる可能性も出てくるという二段構えの話になるのではないかと思います。

それは後の個別の(1)(2)(3)の中で発言しようと思っていたところがありますので、それがここで2つの場面を想定するということになるのではないかと思います。

○中田座長 ここで書いたほうがよろしいですか。ここは主にプラットフォーム取引のときに最終的な解決の鍵を握るのはプラットフォーマーではないかという前提のもとにある程度書いているところがあると思うのですが、二段構えにしますか。

○友行企画官 その判断に苦慮する場合もあるということを脚注に入れつつ、あとは大量情報をもとに悪質な参加者のアカウントを停止するといったこともでき得るということを書き、あとは情報を活用した迅速な対応ができる場合もあるといった形に書き分けるというのではいかがですか。

○中田座長 それで文面を作ってみたいと思います。

ほかにいかがでしょうか。

畠委員、お願いします。

○畠委員 あまり理由もないのですけれども、この第5の場所が気になっていまして、プラットフォームを介在する取引の重要性、特徴というものが、3の規定の整理や4の海外の動向の後に出てくるのが気になったのです。ここに置いている理由があったら教えていただきたいです。

○中田座長 第5の場所が適切でないということですか。

○畠委員 理由はないですけれども、違和感があるというか、普通は1、2、3ぐらいには来るのかなと思うのです。

○中田座長 なるほど。そういう趣旨ですか。

○友行企画官 そうすると、海外の場所がどちらかという違和感という形でございますか。

○中田座長 おそらく当初の意図は1、2、3として、次の4の海外の動向の比較法的考察を入れて、それを踏まえた形での提言にしようと考えていたのです。つまり、その後に、5、6という形で結論部分を付けるという形で考えていたのです。ただ、実際に書いてみますと、海外の状況は日本の前提とかなり違う部分があるので、その比較法的な部分は最低限にとどめたというところがあって、4のところの考察が十分というか、後の結論に導くだけの比較法的な考察をしていないということになっていて、そこでちょっと断絶という言い方は適切でないかもしれませんが、違和感が残るような流れになったのではないかと思います。そういう説明で御理解いただけませんか。

ほかによろしいでしょうか。

片岡委員。

○片岡委員 第6に入ってもよろしいでしょうか。

○中田座長 第5のところを終えてよろしいですか。

では、第6のところに入らせていただきます。

○片岡委員 まず、第6の柱書き、56ページなのですけれども、2段落目に「本専門調査会では、プラットフォームを介在する取引における消費者トラブルを指摘し、そこにどのような課題があるかを明らかにし」という書き方をされているのですが、消費者トラブルを指摘しというよりは、消費者トラブルの事例をもとにそこにどのような課題があるかや、その課題解決の方向性を探ることを目的にという書き方のほうがいいのではないかというのが一つ。

あとは、そのすぐ次の「トラブルについて一定の整理を行った」というところ、ほかの場所とあわせて「試みた」としていただきたいと。

その次に「自主的取組についてヒアリングを実施し、様々な取組がなされていることも分かった」の次が、「それでもなお、トラブルが生じている」としているのですが、もう少し丁寧に書いていただきたいなという思いがあります。やっているけれども、全然だめというように読めてしまうので。

○中田座長 それはそういう書き方になっていないような気もしますが。

○片岡委員 ちょっとあっさりしているので、もう少し苦労を書いてほしいというところがありまして、資料3の29ページに具体的な修文案を出しているのですけれども、「事業者によれば、類型化された項目自体はトラブルが起こりうる点として認識しており、トラブルが起こらないよう様々な自主的取組を行っているとのことであったが、それらの取組を消費者に伝えているか、伝わっているかについては課題が残っていること、特にCtoC取引において出品者と購入者の意見が食い違う場合や、一方が民法上の債務をきちんと履行していない可能性がある場合にどのように解決に導けばいいのかといった悩みがあることも明らかになった。自主的取組を行っている事業者がいる一方で、行っていないか、又は取組が不十分な事業者が存在する可能性が指摘され、消費生活相談窓口に相談が寄せられているという現状や、アンケートで3割はトラブル経験があるという結果もあるなか」という感じで、もう少し丁寧に書いていただけたらというところです。

ちなみに、悩みのところについては脚注にあるのではないかという意見もあると思いますので、脚注に書いていただけるのであれば悩みのところは脚注でもいいかとは思います。

○中田座長 後半部分はほかのところで書いてあった気がするのですが、取組を行っている事業者といない事業者がいるのだというところは書いてあったような気がします。

○片岡委員 この提言の柱書きのところにきちんと流れを書いていただきたいというところですね。その次の1のところに、全てのプラットフォーム事業者においてもという書き方はされているのですが、やっているところもあるけれども、それが不十分だったり、やっていないとこもあるねということをきちんと書いてあるところはほかにありましたか。見当たらないので、ここに書いていただけたらと思った次第です。

全体を通して、今、それぞれの取組に【プラットフォーム事業者の取組】と書いてあるのですが、あくまで事例であるので、【プラットフォーム事業者の取組例】としてはどうかというところ。

○中田座長 今のページはどこですか。

○片岡委員 例えば、58ページの上から2行目【プラットフォーム事業者の取組】というものがあるのですが、いろいろなところに同じような書き方がありますが、こういうものがあり得るということで【プラットフォーム事業者の取組例】としてはどうかということですね。

それから、これも書きぶりの問題なのですが、役割をもとにこういう提案をしたらどうかという提案の書き方が、必要となるとか、重要とか、望ましいとか、期待されるとか、いろいろな書き方があると思うのですが、そこの平仄をそろえていただいたほうがいいのかなというところです。

○中田座長 でも、あまり同じ表現にすると読んでいて退屈するのではないですか。いずれにせよ、そんなにニュアンスの違いはないように思うのですが、全てが同じである必要はないですね。

○片岡委員 これを必ずやれという意味なのか、こういうことが望ましいとか、期待されることなのかとか、そういう意味での書き分けは気になっているところです。

○中田座長 それは文章の流れの中で少し整理するということで承りました。

○片岡委員 次に58ページ、(3)分かりやすい財・サービスに係る表示のところなのですが、これは異議があって、価格等様々な取引に関わる事項についての表示を容易に変更することが可能であり、変更されたことについて消費者が気付きにくい場合があるというのが、「実店舗での取引に比べ」と書かれているのですけれども、本当にそうなのかというところがあります。ここの部分は削除していただきたいということですね。

○中田座長 全くそういう事例はないという意味での削除ですか。

○片岡委員 実店舗との取引に比べてこうであるということには同意できないというか、そこまで議論していないと思います。

○中田座長 そういう例がないということですか。実店舗と比べて。

○片岡委員 実店舗と比べて必ずしも容易とは限らないというのは事実です。

○中田座長 容易とは限らないという趣旨を教えてもらえませんか。

○消費者委員会大森委員 これは定期購入とか、今、トラブルの多い事例で、消費者団体とかが改善を申し入れようとしたらばっと変えたりとかという事例が実際にあるので、こういう形で書かれていると思うのです。実店舗であれば、看板を変えるにしても発注したりとかいろいろな時間がかかりますけれども、ネット上であるとそんなに時間がかからない、費用がかからないということなので、今、多いトラブルを反映しているということで、できたら残しておきたいなと思うのです。

○片岡委員 「実店舗等での取引に比べ」という書き方はやめていただきたいのと、チラシとかも容易に変えられますし、実はインターネットも発注しないと変えられないものもあったりするので、そこの書き方は変えていただきたいなと思います。

○中田座長 では、実店舗に比べてというのを削除すれば大丈夫ということですか。

○片岡委員 今の事例を書くということであれば「取引の後に表示をされる可能性や、その変更に気付きにくい可能性がある場合」という書き方にしていただければ問題ないと思います。

○中田座長 確かにおっしゃるとおり、実店舗でも電子的な表示の仕方であればその表示を容易に変える可能性はありますね。

生貝委員。

○生貝委員 反論しようという意図は全くないのですけれども、自分自身の考えとして、一つは実際に実店舗は値札を変えるのは大変です。消費税、内税と外税を変えるのに際しまして、あれは日本中で幾らのコストがかかったか分かりませんところ、デジタルは原則としてその点は現にかからないという、関連するファクトもあるのかなというのがまず一つでございます。

もう一つ、これはこの後に出てくるパーソナルデータ等の取扱いの透明性等に関して、改めて言及するかどうか悩んだのですが、もし書くとしたら、ダイナミックプライシング、パーソナライズドプライシングとのかかわりを触れたほうが、おそらくこのデジタルプラットフォーム固有の価格設定の問題が明確に指摘できるのではないかと考えるものでございます。

○中田座長 もう少しやさしくというか、英語だけではなかなか伝わらないので。

○生貝委員 申し訳ございません。利用者のプロファイリングやパーソナルデータに合わせて、ダイナミックにこの消費者はこのくらいの値段を付けても買うであろうとか、特に航空業界からもともと始まって様々な消費者保護上の大きな課題になっており、前回のカライスコス先生からの諸外国における消費者保護のレポートでも大きく取り上げられていた課題について、我がほうでそういった取組が実際に行われているかということについて、私は承知しておりません。なぜならば、そういった検証をした人はいないからであります。もし指摘するとしたら、その部分かなということでございます。

○中田座長 実際におそらくこれは消費者トラブルになっていると私は思います。私自身も経験したことがあります。だから、今言ったように、チケットを買うときに、最初はそのチケットの価格で、最後まで手続をした瞬間に価格の表示が変わるサイトもあるわけですね。そういうことがないように表示した価格は最後まで有効ですというふうにプラットフォームの中、あるいはそういう販売業者の中ではそういう表示をしたりとか注意書きがあったりとかしますので、現実に起こっているトラブルではないかと思うのですが、実店舗と比べてというところが想定しているものが片岡委員と違うのかなという気はしているのです。

今のような例を表現するときに、実店舗と比べてという言い方は全く削除しなければいけないほどの間違いなのかというのがよく分からないのですが、そうなのですか。

○片岡委員 実際、結構ネットでいろいろ情報変更をするのは大変だという実体験がございますので、おそらく想定しているケースが違うのだと思います。

○中田座長 そうですね。だから、想定しているケースが違いますね。

○片岡委員 なので、今のような書き方だと想定しているケースが違うということを前提にしていないように思えるので、書くのであれば実店舗と比べてということではなくて、取引で後から表示が変わる可能性があるとか、その変更に気付きにくいという書き方にしたほうがいいと思います。

○中田座長 畠委員、どうぞ。

○畠委員 生貝先生が御指摘された点と座長の御指摘された利用者ごとに価格を変えるケースが、プラットフォーム上、果たしてできるのかという疑問がありまして、それは自社サイトで運営しているからこそできることなのではないかと思います。

○中田座長 生貝委員、どうぞ。

○生貝委員 具体的な名前を出したくはないのですけれども、ここにはいませんが、実は大手ショッピングモール、世界最大のところですが、15年ぐらい前から大分議論になったことがあります。例えば、あるアイドルのCDは私にとって300円の価値はないけれども、あるファンにとっては3,000円の価値がありますといったようなことで値付けを変更するといったことが非常に多くの消費者の反発を招きまして、15年くらい前でしたが、取りやめられたケースもありました。

もう一つ、まさにシェアリングエコノミーとの関係ですと、例えば、あれがウーバーであったかどうかは私もよく承知しておりませんけれども、あれは噴火か何かでしたか、アメリカの山火事でございましたか。そのときに、その混雑状況等に合わせて価格をものすごく上げたことが大変な社会的な批判を招いたこと、まさにシェアリングエコノミーのプラットフォームに関してあったこともございます。事実として、これはプラットフォームの問題だし、そのように論じられているものだと私は認識しているところです。

○畠委員 前者の点はもしかしたらプラットフォーマーとしてというよりも売主としてやっている面もあるのかなとは思いました。

○中田座長 ただ、プラットフォームの窓口を介してそちらのほうに行くということもあるので、それは全く違うということになるとプラットフォーム事業者の意義がなくなってしまうので、そうした可能性は大いにあるのではないかと思います。

原田委員、お願いします。

○原田委員 我々のところはよくトラブルで価格誤表記というものがありまして、いわば20万円のパソコンを2万円とか2,000円とかというすばらしい金額で売ってしまいまして、大量注文が入ると。プラットフォーム上であったり、そうではなかったり、いろいろなケースがあるのですが、価格の間違いを店側がやってしまう。これは今でも発生するわけなのです。

そのときに、逆に言うと早く変えられないと非常に危険な状態になりまして、2ちゃんねらーみたいな人たちがどんどん注文をしてくる。すぐ変えられないとそれはそれで危険な気がするので、その点をどういうふうに変えているのか、あまり私たちのほうに見えてこないので、その点は本当に変えられにくいのか、それとも変えられるのか、そのところは実態を教えていただけたほうがありがたいかなと。

○中田座長 片岡委員、いかがでしょうか。

○片岡委員 画像とかに入れてしまっているとすごく大変なのと、お店によっては管理とかページ作成を外注している場合があるのですね。そうすると、そこのコミュニケーションに時間がかかってしまってなかなか直せないので、例えば、楽天市場でそういうことが起こると一旦お店を閉めましょうかという話をしたりするケースがあります。

○原田委員 全商品ですか。

○片岡委員 そうですね。店舗で対応ができるまでということをやったり、あとは、ページを修正していたりするのと消費者の対応とを両方やらなければいけないので、どちらを優先するのかといったら消費者の対応でしょうということで、そちらを優先させる場合もあります。ですので、お店の規模とか仕組みとかによって表示の変えやすさとか、あるいはミスのしやすさかとか、そういうものは異なってきたりします。大手のほうが大変ということもあります。

○中田座長 ありがとうございます。

想定している事例が大分違うことが分かったので、この事例はおそらく表示が容易に変えられるような可能性があるようなケースなのですね。削除してしまうと表示の在り方についての注意喚起という点では問題があるかなと思うのですけれども、実店舗に比べてという表現を取らせていただいたら大丈夫ですかね。

○片岡委員 実店舗に比べというところは削除していただいて、要するに、後から表示が変えられたりとか、表示が変わったことに気付いていなかったりということに対してということを明記していただければ、それは構いません。

○中田座長 分かりました。了解いたしました。どうもありがとうございます。

そのほかの点について、いかがでしょうか。

前田委員、お願いします。

○前田委員 幾つかあるのですけれども、56ページの1のプラットフォーム事業者の役割の1段落目、これは文章の表現の問題かもしれないのですが、第5のとおり、プラットフォームを介した取引においては、マッチングが行われていると書かれています。こうしたプラットフォーム事業者の行為は意思形成過程に影響を与えるという指摘もあるということなのですけれども、一歩間違えると「こうした」という前までの話は全プラットフォームにおいてマッチングが行われているというのは事実としてあるかのようにも読まれかねないと思います。

あくまで、この段落はそういう事業者もいて、それが意思形成に影響を与えているという指摘もあるというところで、こういう全文をひっくるめた指摘になるかと思うので、表現の仕方を変えていただかないと、プラットフォーム事業者においておよそ全てこういうマッチングが行われていて、それについての評価がこの最後の一文になっているかのように読まれてしまうのではないかという懸念がまず一点です。

○中田座長 今の御指摘について、確認をしたいのですが、趣旨としてはマッチングが行われているということが問題なのですか。どこが問題なのか、私は理解が十分できなかったので、もう少し教えていただきたいのですが、いかがでしょう。

○前田委員 ここの3行ですね。「こうした」から始まるところが寄与の事実のように書かれてしまっているのが誤解を招かないかと思います。自身が定めた「利用規約」よりも「設計」されたという、両方にかぎ括弧が入っているのも理由がよく分からないですし、それが市場を提供し、利用者はこれの範囲内において取引行為を行うことによってマッチングが行われているというのが、全ての事業者においてこれが適用されるとまで言い得ることなのかどうかがよく分からないなと。

○中田座長 片岡委員、お願いします。

○片岡委員 おそらく1つ前の第5のところで観点を示した部分です。「ただし、プラットフォームによっては違う」という話を受けたのだけれども、なぜかここで全体のプラットフォームに対して当てはめをしてしまっていて、マッチングしていますと決めてしまっている書き方に見えるところが問題なのだと思います。なので、ここも書きぶりの問題だと思います。第5で挙げられた観点に基づいて当てはめをしたときに、プラットフォームによってはそういう評価ができる場合もあるという書き方であれば問題ないと思います。

○中田座長 意図は分かりましたので、そのようにします。

お願いします。

○前田委員 57ページの注67なのですけれども、まさに先ほど話があったところで、せっかく判例を挙げたところの評価として、なるべくニュートラルにするという話で落ちついたかと思いますので、29ページの文章の修正に合わせて、具体的に言うと注67の最後の部分です。最悪、これは事実としてあるのは事実なのでということはあったとしても「プラットフォーム事業者は本文記載の役割を担う立場にあるといえるのではないか」という言い切りの形になってしまっているので、正直この最後の一文は削除したほうがいいのではないかと思うのですが、この言い切りの部分を修正していただかないと29ページの文章ともまた矛盾をしてしまうのではないかと思います。

○中田座長 了解いたしました。「いえるのではないか」というところは削除してほしいということですね。

池本委員、お願いします。

○消費者委員会池本委員長代理 57ページから58ページで、財・サービス提供者に係る審査の実施ということに関連して申し上げます。

事業者の具体的取組ということで丸を5つ並べてあることに関連させたほうがいいかと思うのですが、出店・出品審査、提供者、購入・利用者に係る正確な情報の把握となっていますが、「情報の把握」で終わるのではなくて「トラブル発生時に必要に応じ提供者情報の提供などの紛争解決の対応」という言葉を加えるべきではないかと思います。それはもともとトラブルの分析のところでも出品者情報についてきちんと対応してくれない、あるいは所在、連絡先が分からないということについて、プラットフォーマーでせめて連絡先を確認してほしいとか、そういう苦情もありますし、韓国の法制度で言うと、出品者情報ですとか仲介依頼者の情報提供義務でしたか。出品者情報を提供することでプラットフォーマーが自ら責任を負うというよりは、きちんと対等な交渉ができる前提条件を整備すべきだという意味で、今の最初の丸を「正確な情報の把握とトラブル発生時の提供者情報の提供を含む紛争解決の対応」という言葉を入れていただければと思います。

実はこの部分だけではなくて、61ページの(9)で、CtoCの場合の事業者の役割というところでも実は本質は同じ問題で、次の62ページの5行目、6行目あたりで、プラットフォーム事業者において一定の属性を表示すること、これは事業者なのか消費者なのか、どういうものかを表示するだけで終わっては困るので、トラブルの未然防止とか紛争解決を図ることという、そこへつなげるためには「トラブル発生時には必要に応じ、提供者情報を確認し、提供することなど」という言葉を入れていただく必要があるのではないかと。

○中田座長 気になっているところは、提供者情報の範囲なのですが、取引の内在的な要請から提供者の個人情報を出さないことが前提になっているようなケースです。そのときにそれをどう要求するのかというのは個人情報保護とのバランスがあるので、そこの書きぶりをどうしようかというのは悩んでいるのですが、何かお考えはありますか。

○消費者委員会池本委員長代理 それはまさに匿名性をお互いのメリットとして取引の場を提供するという問題と、しかし、取引の当事者、契約の当事者として責任を負うというもう一つの大原則のルールもあるわけで、だとすると、利用規約などできちんと対応しなさいと。対応がきちんとできない場合には属性の情報、連絡先などについて提供することができるということを利用規約の中で明確にしていただく必要があるのかなと。

おそらく諸外国の法制で提供情報の、あるいは提供義務まで言っていますし、あるいは連帯責任とか法的な義務でかなり厳しく言っていますが、入り口の対応としては、利用規約の中で必要に応じ提供者情報を他方で情報提供することができるように規約で定めることになっていくのだろうと思います。

○中田座長 今の点、いかがですか。

片岡委員、どうぞ。

○片岡委員 今後そういうことは考えられなくはないのですが、なかなか難しい問題なので、取組例として書くのは難しいのではないかと思います。例えば、今後の課題のところに書いていただくのはいいと思うのですけれども、取組例としては難しいかなというところですね。

○中田座長 個人情報の問題ですね。了解しました。

池本委員長代理、今のような意見もあるのですが、どうでしょうか。

○消費者委員会池本委員長代理 ここでも取組例というのは、現にやっているものだけを列挙しているということではないと理解しています。むしろ個人情報に対する配慮も念頭に置きつつとか、言葉を条件付けたりすることは必要なのかもしれませんが、現実に発生している苦情の中で一番ネックになっているところは、匿名性がある面で便利だけれども、その匿名性を悪用した利用者に対しての対応の仕方、そこの情報が出せませんということでプラットフォーマーが直接やり玉に上げられることになるけれども、そこをむしろルール化していくことこそ重要ではないかと考えます。

○中田座長 鹿野委員、お願いします。

○消費者委員会鹿野委員 全く同じ趣旨なのですけれども、全体として第6のところは提言というところですし、今後に向けてこういうことが考えられるのではないか、あるいは考えなければいけないのではないかというところですので、そこではぜひ池本委員長代理がおっしゃったような点を入れていただきたいと思います。

付け加えますと、特にCtoC取引の場合は、出品者は事業者としての義務を、現在のところ、基本的には負わないわけですね。そうなってくると、購入者としては、プラットフォームに対する信頼に頼りがちです。もちろん評価システムとか、いろいろな評価の方法はあり得るでしょうけれども、プラットフォーム事業者を信頼する側面が大きいのではないかというふうに思います。

だけれども、他方で、出品者が個人であると、その個人情報をどう守ろうかというところも考えなければいけないというのは確かです。そのような中で、マーケットを安全にするために最低限必要なところについて、プラットフォーム事業者と出品者との間の利用規約で一定のルールを設けていただいて、それに応じた対応をしていただくことは今後に向けて必要なのではないかと思います。

○中田座長 ありがとうございます。

畠委員、お願いします。

○畠委員 トラブルが発生した際のトラブルを解決するためのコミュニケーションを行うためのツールを提供すべきだというのはそのとおりだとは思いますが、住所等の情報を開示するのはあり得ないかなと思っています。

関連して、トラブルを解決するための方法として、61ページでODRが掲げられていますけれども、細かいですが、73ページの注79でODRが何なのか説明されていますが、先に61ページで出てきているのでこちらに入れる必要があるのかなと思います。

○中田座長 分かりました。

○畠委員 今の記載が事業者の取組だけになっていて、やや丸投げになってしまっているように見えるのですけれども、現状で直ちにできるかというとやや心もとないというか、行政による支援も必要だと思っていまして、行政の役割のところにもこのODRの実現に向けた制度の検討等を入れていただきたいと思っています。

○中田座長 重要な御指摘だと思います。入れさせていただく形にしたいと思います。

鹿野委員、お願いします。

○消費者委員会鹿野委員 先ほどの62ページのところ、今、畠委員から御意見があったところについてです。住所まで提供するのは難しいという話で、確かにどこまでの情報を提供するべきかにつき、住所までというと慎重さが必要だとは思うのですが、少なくとも連絡先、何も連絡がつかないという場合に対する対処は必要なのではないかと思います。

もう一つは、ここの61ページから62ページにかけては、CtoCだからということもあって、先ほどのBtoCの取引と比べてかなり、プラットフォーム事業者の出品者に対する対応につき控え目な書き方がされているのですが、ここでもやはり出品者がかなり悪質な個人であること、消費者の衣を着て悪質な行動をとることも考えられ、そのような悪質な個人を排除するような対応は、利用規約上あってもよいのではないかと思うところです。

○中田座長 そういった対応は具体的に何かありますか。

○畠委員 もちろんそもそも法令を遵守するように求めておりまして、特商法を守っていただくことになっておりますし、事業者であれば特商法に基づいた表示をすべきだということにもなっていますし、よく消費者庁の方からもこの売主が表示されていないから何とか是正してほしいという要請も日々いただいております。

○中田座長 個人の衣をかぶったようなケースで対応策はあるのでしょうか。

○畠委員 これが適切な対応かどうかは分からないですけれども、よくやられているのは、バーチャルオフィスを借りてその住所を記載するなどされている方もいますが、それが望ましい方法かというと分からないです。なので、事業者の人たちが今の特商法の規律に従って、自分の氏名・住所を表示すべきかどうかという点は、まさに政策論として議論すべきだと思います。

○中田座長 ちょっと議論がずれたかもしれませんね。

池本委員長代理、お願いします。

○消費者委員会池本委員長代理 BtoCの取引、CtoCの取引、両方に関わる根本問題なのだろうと思います。匿名性が利用できるといっても、BtoCの場合はちゃんと事業所としての拠点を表示しなければいけないのは法の義務です。だからといって、出品時点で全件実態調査せよといっても無理でしょうし、それでは迅速性に欠ける。基本は特商法を遵守するようにしてくださいということで、一定の住所の表示があればそれで受け入れることになるのだろうと思います。

ただ、そこと連絡がとれないとなったときに、しかし、まだその表示をし続けているとなれば、その事業者に問合せをして、現時点で連絡可能なところはどこなのかを調べて、事業者の画面ももちろん変えてもらわなければいけないし、連絡がとれない消費者に対しては情報提供する、あるいは出品者自身からその情報を連絡して対応しなさいという指導もあるでしょうし、あるいは直接連絡をするということも、これは利用規約の中で定めておけば十分にできることだと思います。

CtoCの場合には、現行法上、特商法のような直接の義務付けがない。したがって、全件調査する必要も、無理だと思いますが、現にトラブルが発生し、契約者としての基本の義務すら履行しようとしないとなれば、連絡をして対応するように促す。対応が十分でなければ対等な形でその後紛争解決ができるようにする最低限の出品者情報を提供するということも利用規約の中で定めることができる。現に韓国ではそれが法的義務になっているわけですから、我が国でも当然できることではないか、今後の方向性、提言としては必要ではないかと思います。

○中田座長 ありがとうございました。

畠委員。

○畠委員 実態としては、プラットフォーマーからも表示をするように何回か促すことがあるのですけれども、なかなか対応いただけないことももちろんありまして、その場合には出品ができないように停止をすると、やっとそこで売主が気付くことがありまして、そこで是正が図られるということがあります。

○中田座長 ありがとうございます。

それでは、時間が大分迫ってきましたので、もし何かございましたら。

では、発言回数から言うとまずは原田委員ですか。

○原田委員 単なる整合性の話なのですが、66ページの国民生活センター、消費生活センター、消費者団体の役割のところの(1)の3段落目ですか。「プラットフォームを介した取引については」というところなのですが、消費生活相談員は、消費者から相談があった場合に、取引の相手方がBかCなのかを確認すると。その際に、プラットフォーム上にその情報が明示されていない場合には、プラットフォーム事業者を通じて確認することになると書いてあるのですけれども、36ページの一番上なのですが、消費生活相談員に関する規定というところなのですが、現在の実務において消費生活相談員は消費者からの相談について、まずはプラットフォーム事業者に連絡し、CtoCかBtoCかの事実確認をすると書いてあるので、多分、提言側に書いてあるほうが実務的には正しいのかなと思いましたので、こちらに合わせたほうがいいのかと思いました。

○中田座長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

生貝委員、どうぞ。

○生貝委員 ありがとうございます。

お時間もないところだと思いますので、全体に関わるところになるのですけれども、2点だけ手短に失礼いたします。

まず、先ほど畠委員から御指摘のあった「第5 プラットフォームを介在する取引の重要性や特徴」がここにあるのは、私もちょっといどころの悪さを感じていまして、これは本当は最初にくるべきものではないかと。わけても、2を森先生の御指摘、先ほどの議論であったようにプラットフォームがこうやって頑張ることでもっといいことができますよねといったようなニュアンスを全体として持たせるのであればなおのこと、1の後にこれは来てもよいだろうと思われるし、多くの報告書もそうなっていることも見受けられるかなと。ただ、そこそこの手術が必要になりますので、今からやるべきかどうかはお任せいたしますというのが一つです。

もう一つは、まさに第6の最初の56ページのところ、これももし可能であれば一文入れていただきたいことがありまして、今回の提言に基づいて、これから様々な制度や政策が作られていくのであろうといいましたときに、その一文と申しますのは、こういったプラットフォームの消費者保護を強化することは、我が国のデジタル経済の成長を促すものであるし、そのように作られなければならないという一文を入れていただきたいと考えているのです。

といいますのも、例えば、私も日本の消費者法の精神をそんなに深く知っているわけではないところなのですけれども、例えば、ヨーロッパの消費者法、消費者ニューディール、ヨーロッパは何をするにしても非常に手の込んだインパクトアセスメントをやるのです。あれだけでも確か300枚か400枚ぐらいのアセスメントがあるといった中で、例えば、あの中で実験をするのです。それで、パラメータの根拠がちゃんと明示されていることで消費者が物を買う可能性が何%上がったですとか、あるいはトラブルがあったときにちゃんとプラットフォームが責任をとることを明示することで何%購入意欲が上がったですとか、あるいはレビューが適正につけられていることでどれだけ物を買うようになったかとか、そういった経済的にプラスの効果があるのだということをエビデンスベースでしっかりやった上で法改正に入っている。当然そのように考えられているとは思うのですが、そのことを強調しておくというのは非常に価値があると考えているのです。

といいますのも、少し付言いたしますと、シェアリングエコノミーにおいて、今日は石原委員はお休みでいらっしゃいますけれども、内閣官房、事業者団体で協力して、なぜああいったような消費者保護のわざわざ共同規制のようなモデルを作っているかといいますと、シェアリングエコノミーが日本で伸びない最大の理由が、消費者の不安だということが明確に示されたからであります。あれはまさに業界を伸ばすためにやっている消費者保護の取組であります。

もう一つ付言いたしますと、このようなことを申し上げるのはあれですけれども、私は非常にヘビーなGAFAユーザーでございます。それは彼らのサービスが非常に便利だということなど、ロックインされている理由もいろいろあると思うのですけれども、実際のところ、その理由には、少なからず彼らのサービスはヨーロッパやアメリカの非常に厳しい消費者保護そのほかのルールのもとに運営されているのであって、まあ任せておいて大丈夫だろうと思える部分がある。なのですが、大変恐縮な申し上げ方なのですけれども、日本の場合、私自身は少し違うのかなと思うことが、私の国内プラットフォームの利用を妨げている部分がないとも言えないと言わざるを得ないといいましたときに、ぜひこれに基づいて制度を作られるに当たっては、日本のプラットフォームの成長を強く念頭に置いた制度設計が行われることが期待されるということをお示しいただけると、大変意義のあることかと存じた次第です。

私見でございます。

○中田座長 生貝委員の後段の部分は、おそらくここに集まっておられる先生方、思いは同じではないかと思います。

鹿野委員。

○消費者委員会鹿野委員 その点は同じ思いなのですが、後ろのほうだけではなくて「はじめに」あたりのところにも少しその点に触れていただいたほうがいいのではないかと思います。もちろん消費者委員会でこの専門調査会をやっていただいているのですから、消費者の利益というところを中心に据えるということはあるのですが、それはひいてはこの市場を健全な形で発展させることにつながるのだという思いはおそらく皆様の間で共有されているのではないかと思いますので、その点も御検討いただければと思います。

○中田座長 そこは1行どこかで入れるということで、皆さん、よろしいですか。

片岡委員、お願いします。

○片岡委員 63ページなのですが、消費者の役割というところで、今、CtoC取引におけると書いてあるのですが、BtoC取引における購入者の役割はなくていいのでしょうか。もし可能であれば、ここに書いて意味があるかどうかは別として、例えば、「多種多様なプラットフォームの中から利用するプラットフォームを選択する際には、各プラットフォーム事業者が取引の安全のためにどのような取組を行っているか、それらの取組について消費者に情報提供しているかに着目し、取組の充実したプラットフォームを選択することで、取組を行うことが他事業者との競争において有意であるとの社会的認識を醸成していくことが期待される」といった、取組をしているところを選んで使いましょうという呼びかけを書けないだろうかというところでございます。

○中田座長 まさにそういった枠組みを作っていくのがこの専門調査会での一つの使命であったと思います。ただ、その枠組みが明確でないところに一つ問題があって、そのように書くことも大事かなとは思うのですが、その選択の基準を今の段階できちんと出せるだろうかと思っていて、文面についても少し考えないといけないですし、ちょっと難しいところがあるかなという気がしています。畠委員、どうですか。

○畠委員 ちょっと観点は違いますが、例えば、非マッチング型のプラットフォームで取引をせずに、ちゃんとマッチング型のプラットフォームで取引をしましょうという呼びかけぐらいはあってもいいかなとは思います。

○中田座長 ただ、そうなると非マッチング型が危険であることを前提にするようなことにならないですか。

○畠委員 半分当たっていると思いますけれども。

○中田座長 それをいうのは、難しいかもしれませんね。

片岡委員、どうぞ。

○片岡委員 基準などを示せとは申し上げておりませんで、今、結局情報提供しましょうとかと事業者の役割には書いてあるのですけれども、受け手側の心持ちについてはどこにも書かれていないので、そういう情報提供をされたらそれを活用して選択していきましょうということは書いたほうがいいのではないかという趣旨です。

○中田座長 委員の皆様、いかがでしょうか。

私は消費者が今の段階でそういう形での選択ができる状態になっているかどうかということについて、まだ確信は持てていないのですが。

企画官、お願いします。

○友行企画官 CtoCはあってBtoCはないという御意見がありましたけれども、CtoCのところの購入・利用者の役割のところに、問合せ窓口が設置されているプラットフォームを利用するですとか、レビューをきちんとした上で確認するですとか、そういったことも書いておりますので、BtoCを一本立てるというよりは、少しここのところで、それはBtoCの利用をする際にでも同じですとか、そういったところで加えることはできるかと思います。

○中田座長 では、そういった形での対応にしたいと思います。

大分時間が来たので、今日を最後にするかどうかが一つ大きな課題になるのですが、今まで議論してきた中で全面的にこの文章を削除せよとか、あるいはここは全く譲れないという御意見はなかったように私は理解しておりまして、それが正しいのであれば、確かに幾つかの文言の修正意見はございましたので、大枠のところは維持しながら、その文言の修正をしていきたいと考えております。

その内容について、今から事務局と少し相談をするということでよろしいですか。

休憩はどれぐらいにしましょうか。

○友行企画官 10分から15分ぐらいいただいてもよろしいでしょうか。

○中田座長 どういう形での文言修正ができるかどうかということで、事務局と御相談し、そして、その後、それで対応できるかどうかについて皆さんに御意見をお聞きしたいと思います。

前田委員、何かございますか。

○前田委員 資料3に挙がっている意見の中で、幾つか結構重要なもので反映されていないものがあるかと思います。まさに座長がおっしゃっていた削除などについて関わるところでもございますので、今、ここで修正してここで決をとるということなのであれば、非常に不安で、この資料3で挙がった多数の意見がどれがどれだけ反映されるのかが分からないまま、大きな修正はないというわけではないことをここでお伝えさせていただきます。少しお時間をいただけるのであれば、特にAICJとして大事だと思っているところを口頭で御説明さしあげさせていただければと思うのですが、そこの取扱いについて御教示いただけると幸いです。

○友行企画官 例えば、どの部分でございますか。

○前田委員 例えば、68ページの法律、ガイドラインと書かれているところなのですけれども、資料3でも意見が挙がっているところではあるのですが、「法律による制度整備を求めているわけではない」と柱書きで書かれていたり、あるいは例えば、65ページの(3)の柱書きで、こういう意見があったという書き方にせっかくなっているにもかかわらず、5で法律による制度整備を求めているのではないといった後に、方策として以下のことが考えられるというところで、法律、ガイドラインというところでいきなり始まっています。

AICJとしては、ここはもう削除をお願いしますということは意見として求めているところで、理由としては今申し上げたように矛盾しているからということですし、具体的に法律、ガイドラインで何が必要なのかという話をここの場で議論を十分にしているわけではないので、断定的な書き方についてはまず削除を求めますし、そもそも断定的な書き方にすることについて異議があるところは一つの例として挙げられます。

○中田座長 それは全く断定的な書き方ではないと私は思っているのです。今後の在り方の方向性を示す限りで、法律等を作るというのは立法としてあるわけですね。それを具体的な形で示すのはあり得る話だろうと思いますし、また、今回の報告書を受けた次の議論としてもあることだと思います。そういう議論として示しているだけであって、我々が立法を求めているという書きぶりにはなっていないと思うのですが、そこは見方が違うのでしょうか。

○消費者委員会池本委員長代理 今、座長がおっしゃった趣旨でのこの法律、ガイドラインであって、この提言に書いてあることを法律、ガイドラインでやれという趣旨ではないと私も理解しております。

ただ、記載の順序としては、(2)自主的取組、共同規制に「まずは」と書いてあるように、議論のこの間の流れからすると、(2)自主的取組が先に来て、2番目に法律、ガイドライン、つまり、それは自主規制で不十分なものとか、そういう場合にはこういう方法もあるというふうに順序を変えておいたほうが議論のこれまでの推移には合致するだろうと思います。

○中田座長 なるほど。

生貝委員、どうぞ。

○生貝委員 今、池本委員におっしゃっていただいたことに私自身は特にというところではあるのですけれども、法律か、ガイドラインか、自主規制か、共同規制かと申し上げたときに、共同規制というのは、一般的な定義によれば法律の前提を必要とするものでございます。よって、(1)と(2)は必ずしも分断されたものではなく、むしろ極めて連続的な関係の中にあるというふうに御認識をいただく必要がありまして、共同規制をするためには、既存の法を使う方法もあれば、当然新しく立法を使った上で、その主要なあるいは重要な部分について民間の基準に委ねるですとか、様々な作り方がありますところ、立法の可能性を否定してしまうことは共同規制の可能性も否定してしまうことになりますので、私としてはできるだけ原案に近く、なおかつまさにこの連続性と順序のことを御配慮いただけるとよいのではないかと理解しました。

○中田座長 「直ちに」という言葉が入っているのは、この調査会で立法を絶対にしなければならないという立場での提言はしないという趣旨です。ただ、世の中を見渡して見ると具体的な法律を作っている国もありますし、あるいはガイドラインという形での指摘もあるわけです。そういうものは、我々も一応考慮に入れていますという説明だと私は理解しているので、いかがでしょうか。

○前田委員 もしそうであれば、池本先生がおっしゃっているように、この文章の表現からしてもそういう書き方になっているので、まずは自主的な取組。せっかく各事業者からさんざんお話、こういう取組をしていますという話もありましたし、順番としてもそこを書いて、共同規制が法律をベースにしているということであれば、例えば、項目を分けて、その上で法律、ガイドラインと一緒に後ろのほうに書くとかという書き方の順番を変えるということはいかがでしょうか。

○中田座長 あまり大きな差がないようには思うのですが、どうなのですか。明確に私はここでこの報告書の中で立法を前提とした提言をするわけではないと理解しています。ただ、具体的な道筋として、そういった法律が十分ないところもある、カバーし切れてないところは存在しているのではないかということもあります。実際にはそれは自主的な取組でうまく解決されている部分もあるし、場合によってはそういった自主的な取組を支援する形でのガイドラインを作る可能性もあるだろうという流れであって、懸念されているような立法をしましょうという形では全くないというように、この文章自体はそのようになっていると思うのです。

森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。

ただ、ひっかかるのも分かるところはありまして、まず一つは順序の問題で、当然今後のプラットフォームについての規制がテーマなわけですから、順番について、ここで一番大きく我々が取り上げた取組の提言については自主的取組に位置するものなので、そこから順番として自主的取組、認証、法律、ガイドラインであるべきなのかなと思います。

もう一つは、法律、ガイドライン、柱書きに直ちに制度整備を求めているものではないとはっきり書かれているわけですけれども、他方で、法律、ガイドラインのところを見ると「事業者の責任とその範囲を明確に定める規定は存在していない。そこで、EU、中国及び韓国のように新たな法律を策定し」ということなので、立法事実が、単にEUと中国と韓国でやっていますということと、その範囲を明確に定める規定が存在しないということだけになってしまっているわけなのです。

そこがうっかりな感じがあるので、プラットフォームをめぐる状況の変化とそれ以外の立法事実について精査した上で、必要に応じて法律、ガイドラインを策定したほうがいい場合があり得るというような立法事実、一番大きいのは苦情相談がEC化率で割り返した部分でどれぐらい増えるかみたいなことだと思いますけれども、そういうことを書かれれば、それは当然政策的提言ですからよいのでしょう。単に、自主的取組、認証制度、共同規制、法律、ガイドラインという、それぞれのスロットに何か入っていてしかるべきだということになりますと、ちょっとうっかりな感じがするということではないかと思います。

○中田座長 分かりました。

では、共同規制との関係はあると思いますが、少し順番を変えて2番目ぐらいという形で落ちつきのいいような形で、森委員におっしゃっていただいたような形でまとめさせていただきたいと思うのですけれども、よろしいですか。

○生貝委員 もう一言だけ。今、森委員がおっしゃったところの引用の後ろに「また、仮に法規制を行うとしても、民間の自主的な取組を最大限に生かした共同規制のような方法が念頭に置かれるべきであるという意見もあった」というふうに加えていただけると、自主規制から一気に法規制に飛んでいく事態を避けられるのかなと私はずっと思って研究しているところでございます。

○中田座長 3段階になりますね。そういう形の意見があったという形でまとめさせていただいてよろしいでしょうか。趣旨はそのような形ですので、文言が強調され過ぎていたということだろうと思います。

前田委員。

○前田委員 70ページから71ページにかけて、非マッチングサイトにおける課題のパーソナルデータに関する取扱いの部分でございます。本専門調査会においては、基本的にこの非マッチング型についてはとりあえず置いておいて、EC取引を中心に見ましょうということでずっと検討ないし有識者からのインプットをいただいてきていたかと思います。これ自体を全部消せというつもりはないのですけれども、今後の課題として必要だという話は実際に意見としてありましたし、それは事実なので記載するとして、ここまで長く書くべきかの検討が必要だと思います。

今後の課題なのであれば今後検討することも必要ですが、例えば、70ページから71ページにかけての一文で、行動ターゲティングを行うためには興味・関心を引くところが必要なので、広告事業者が閲覧履歴の収集を行っているということなのですけれども、全ての広告事業者においてこれが行われているのかどうかということの調査はもちろんやっていないですし、ここまでここの部分について書く必要性があるのかどうか疑問に思います。

若干事実として記載されているところもあるので、もうちょっとコンパクトな形で、ただ、今後の課題としてこれを検討するという話が出ていたのは事実ですので、この部分はある程度維持しつつ、記載をコンパクトにしたほうがいいかなと思います。

○中田座長 御意見としては承りました。具体的にどのようにするのかは考えさせていただきます。

片岡委員、どうぞ。

○片岡委員 今の点について、資料3の48ページで実は私も意見を出していまして、書き込み過ぎて長いかなと思いましたので、要するに、パーソナルデータの取扱いについては非マッチングサイトでも問題になるということを言いたいのだと思いますので、閲覧履歴と個人情報とのひも付けがある場合には、(1)と同じような問題が生じるという書き方だと省略し過ぎなのでしょうか。そのぐらい省略してもいいのかなと思いました。

○中田座長 生貝委員。

○生貝委員 2番のところに関連して申し上げますと、これは言及しようかどうか迷っていたところなのですけれども、特に行動ターゲティング広告の問題が、非マッチングサイトにおける課題という形に整理されているところでございますが、もちろんそうでない場合も多くあるという場合の前提の上で、一般的に大規模なマッチングサイトが積極的に行動ターゲティング広告、サードパーティークッキーを含めて展開している事実がおそらくは存在するであろうと。この行動ターゲティングに関わるところに関しては、必ずしももしかすると非マッチングサイトに限定された問題だという記述にしないということも現実を反映しているのかなとは認識したところでございます。

○中田座長 全ての事例に当てはまるものではないかという御指摘ですね。これらは、とても注目を浴びている事例ですね。そしてまた、我々が実体験として感じているところをもとにしているので、本当に調査しているのかと言われるとそうでないかもしれませんが、報道そのほかでもそのような事実は指摘されていますし、我々が実際に使ってみたらそのようになっていることは分かるわけで、その限りでも意味があるのではないかと思います。

森委員、お願いします。

○森委員 ありがとうございます。

今、私はこの記載でいいと思っていますので、前田先生と生貝先生のお言葉ではありますけれども、まず広告事業者でやっているところとやっていないところ、これはもちろんやっているところとやっていないところがあるわけで、マス広告みたいなものも世の中にはあるわけですので、それはやっている場合に問題だということです。

非マッチングだけの問題ではないのではないか。それは確かにそうなのですけれども、ただ、それは数字で見た場合であっても、今、GAFAと言われるような、割と我々が普通にイメージするプラットフォーマーについて、ほとんど広告で売上げを立てている場合で、ほとんど広告で売上げを立てていることについては行動ターゲティング広告が大きな割合を占めているわけなので、数字的に非マッチングサイトにおいて非常に大きな規模でといいますか、行われていて、かつ非マッチングサイトが広告の自分たちの広告主に対する義務の履行の媒体にもなっていたりするわけなので、そういう意味で、非マッチングサイトに固有の問題と書いてしまうと間違いかもしれませんが、非マッチングサイトにおいて顕著な問題としてもいいのかなと思いますが、位置付けとしてはそうだろうと思います。

書いていることはどうなのかということですけれども、確かに先ほど片岡委員から(2)を省略して(1)とほぼ同様ということでいいのではないかということがありましたが、ただ、そうこうするうちに個人情報保護委員会の行政指導の問題が起こりましたし、これは消費者保護の問題だと思うのです。なので、それを書かないでというのも何となくプラットフォームと消費者保護について、その全体を外観する場合に、そのことを書かないのもどうなのかという感じもいたします。

そうすると、71ページぐらいまで行くのですけれども、その後、72ページの頭は、これは今政府で3つのプラットフォームの検討が走っているわけでして、そのうちの一つがここに特化して、そのことを専門的に、向こうは専門家なわけです。その専門家がこのようにやっていますということを簡単に紹介しているだけなので、私としては内容も、書いているアイテムとしても、こんなものかなと思います。

○生貝委員 私も同じ意見でございます。

○中田座長 ありがとうございます。

この文脈の性格という点ではいろいろな課題があって、その課題が関連していて重要なものについて、できるだけ取り上げていこうということで、確かに分量としては多いのかもしれませんが、確かに分かるように書くにはこれぐらいの量が必要なのかなということで書いていただいたということですね。

前田委員。

○前田委員 しつこいようで恐縮なのですけれども、ただ、資料3で片岡委員から挙げられているところにも共通するところなのですが、一番検討しているのは、最初の整理でもあったところで、例えば、実際にサブスクリプション型というのも出てきていますし、広告だけではないところもありますと。広告事業者全部がというところもあります。そういう中で、ここでそんなに深く議論していないところでここまで載せることが本当に大丈夫なのか疑問があります。

もちろん、総務省のプラットフォームサービスに関する研究会であったり、あるいは3省合同のものがございますので、例えば、そこの引用をして、そこで詳細は議論されているという事実を書くということであればまだ分かるのですけれども、本検討会でここについて深く議論していない状況で、ここまでの記述があるのが本当に大丈夫なのかどうかを改めて懸念を示させていただければと思います。

○中田座長 分かりました。

では、引き取らせていただいたほうがいいですかね。

○友行企画官 書かれている内容につきましては、専門家の森委員などにも御相談をしながら整理させていただいておりまして、文章が長くなっておりますけれども、この専門調査会では真っ正面から時間をかけて取り上げることはできなかったかもしれないですが、非常に重要な問題だという認識がおそらく皆さんあると思います。それが抜けているのはこの報告書としては完成度としてはそんなによくないということもありまして、若干分量は多いのですけれども、必ず盛り込まなければならない事項として盛り込んだところでございます。

○中田座長 専門委員の先生方にもこれは検討していただいて、今、皆さんの手元にある資料の中で御覧いただいて、問題があるということであれば御指摘をいただくという形で提示させていただいているということなのですが、御意見はありますか。

大森委員、お願いします。

○消費者委員会大森委員 最初の「はじめに」のところ2ページで「SNS等のプラットフォーム事業者は含まれていないが、その『取引』の問題性を否定する趣旨ではない」と書いていまして、これはとても大事なのにこれだけかという感じがあるので、今後の課題のところでは、これぐらいのボリュームが必要だと思います。

○中田座長 いかがでしょうか。

森委員、お願いします。

○森委員 先ほどから長い長いと皆様おっしゃいますけれども、私はもともとこれを中心に検討すべきだという提案をここでさせていただいたわけでして、半分よりもこの問題が少ないのであれば、それは少ないと思います。ですので、この80ページ程度の大部の報告書のうちの本来であれば40ページがこの問題でもよかったというのが私の考え方です。

○中田座長 確かに森委員にはプレゼンテーションをしっかりしていただきましたし、議論をしているというか、内容については我々も承知している部分ではないかと存じますので、その辺は事務局と相談しますが、この形で残しても大丈夫ですか。よろしいですか。

それでは、大分時間が差し迫ってきました。もし最後に一言というのがありましたら、今から事務局との相談に入りますので、御発言ください。

畠委員、お願いします。

○畠委員 今後の課題とその前のところの区別ができていなかったのですけれども、72ページの6の(3)海外事業者への対応については、できれば今後の課題ではなく、シェアリングエコノミー等で発生し得る喫緊の課題だと思っていますので、5で書くか、若しくは3の行政の役割の(3)関連する法令、ガイドラインの見直しの中に入れていただきたいと思っています。

○中田座長 皆さん、いかがでしょうか。積極的な御提案だと思うのですが。

片岡委員、どうぞ。

○片岡委員 確かに結構喫緊の課題なので、行政の役割のところにも入れたほうがいい気はします。

○中田座長 よろしいでしょうか。

今の発言に関連した点ですか。

池本委員長代理、どうぞ。

○消費者委員会池本委員長代理 池本ですが、今の点で申しますと、論点の位置付けからすると今後の課題以前のところの本来のマッチングサイトでの議論と対応の在り方、提言という流れとは違うので、今後の課題だけれども、今後のという中にも今の状況からすれば、これも将来的というよりは喫緊の課題もあるのだというような一言を付けることによって、位置付け自体を変えていくとそれぞれの導入の仕方が違ってきてしまうのかなという危惧があります。

○中田座長 というのは、今後の課題の中に置きながら、今後の課題の中でもすぐに対応しなければいけないものがあるという説明を1行入れておくということですか。

○消費者委員会池本委員長代理 はい。

○中田座長 それだと全体をいじらなくていいのでよろしいですね。

前田委員、どうぞ。

○前田委員 先ほどの70ページから71ページにかけてのところなのですけれども、この分量を維持するということなのであれば、言い切りの形になっている部分については御配慮いただけるとありがたいです。具体的に申し上げますと70ページから71ページにかけての「収集を行っている」というところは、ほかの段落に記載されているような記載に平仄を合わせて「そういう場合も見受けられる」とか、「そういう事業者もいる」という記載にしていただけるとありがたいです。

○中田座長 分かりました。できるだけ文言に反映できるような形にしたいと思います。

それでは、今から事務局と御相談し、今日を最後にできるかどうか検討させていただきたいと思います。

それでは、15分ほど一旦この場を離れます。休憩という形にさせていただきます。

(休憩)

○中田座長 お待たせをいたしました。

本日、いろいろな形で御協力を賜りまして、ありがとうございます。御修正の御提案をいただいた部分については事務局と相談し、概ねそれを反映させる形で考えております。

事務局から、ある程度になりますが、その内容について御報告させていただきたいと思います。お願いします。

○友行企画官 それでは、資料2に沿いまして御説明いたします。

10ページ、第2のプラットフォームを介在する取引におけるトラブルの状況等というところの1番の取引の仕組みのところでございますが、2行目に「ここでは、EC取引のうち」と入れまして、「いわゆるBtoC型と」とつなげたいと思います。

15ページ、(2)消費生活相談の現場等から見る消費者トラブルの状況のところでございますけれども、柱書きのところの1行目でございますが、1行目のところはそのままでございまして「本専門調査会の第2回において実施したヒアリングを参考にしながら、プラットフォーム取引における固有の課題ではないものの、その課題を明らかにし」と入れたいと思います。

続きまして、アのショッピングモールサイト取引関連のところでございますけれども、出品者等管理のところの2行目でございますが、ここは全部消費者トラブル事例でございますので、最初のところに「消費者トラブル事例が生じている」と入れまして、ここに書いてあるものは後のものも全部事例だと重ねてお伝えするということで対応したいと思います。

同じところでございますけれども、真ん中あたりで「他方で」というところが出てきますが「他方で、プラットフォーム事業者が消費者から報告を受けた際に、それに基づいてプラットフォームが適切な対応をしていれば未然に防げた事例も含まれている」という文章に直したいと思います。

16ページのところから、ずっと事例が続きますけれども、言い切り型になっているところがあるところを何か所か御指摘いただきまして、例えば、15ページから続きます情報管理のところで、16ページの下から3行目ぐらいのところでございますが、4行目の最後から「本人確認や決済に必要な情報がパスワードの一致のみとしていることなどにも起因している可能性があることから」といったような形で、これはあり得るとほぼ意味は変わりませんが、そういった形で断定的に書いてあるところ、同じページの(オ)ポイント・割引のところでございますけれども、例えば、下から2行目のところで「ポイントが付与されることが購入のきっかけである場合もあることから」といった形で、断定的なところは表現を和らげたいと思います。

そういった形で、この事例は以下のところも御指摘をいただいたところを中心に直していきたいと思っておりますので、以下のところは同様の趣旨で直していきたいと思っております。

22ページ、プラットフォーム事業者等の消費者保護に関する自主的取組のところでございます。ここのところは事例の数が少ないというところでございましたが、まず、ここの文章に改めて事例を加えるというのではないのですけれども、プラットフォーム事業者の個々の取組につきましては、提言のところにも記載しているがということをこの3のところに加えたいと思います。かつ、本文では、脚注でそれぞれの回の資料なども引っ張ってきておりますので、そこであわせて確認していただけるという形にしたいと思っております。

30ページ、「上記裁判例が」というところでございますが、「上記裁判例が示した判断要素の対象となる状況は、第1で述べたプラットフォームを介在する取引の拡大予測やインターネット関連技術の発展等により刻々と変化している。そのため今後は各判断要素の総合考慮が変わり、プラットフォーム事業者における注意義務の内容が変わり得ることもあり得る」といった形で変えたいと思います。「一定の責任が認められることも考えられる」ではなくて「総合考慮が変わり、プラットフォーム事業者における注意義務の内容が変わり得ることもあり得る」といった形にしたいと思います。

3の特商法に関する法律のところにつきまして、上から柱書きの4行目あたりに「特商法は、プラットフォームで行われているEC取引を介在する取引に関わる重要な法律の一つである」といったところで、「EC取引」をここに入れたいと思います。

36ページの消費生活相談員に関する規定の頭の3行のところでございますけれども、これは後ろのところに出てまいります66ページの国セン、消セン、消費者団体の役割の(1)のところで書いてあります頭のところと書きぶりを合わせるというところでございます。確認するといったところにつきましては、66ページで書いている確認のところの書きぶりと合わせるといったところでございます。

海外の動向のところにまいります。41ページでございます。最初の「なお、米国では」の一文は削除させていただきたいと思います。

EUのところで、EUでここで紹介している取組については、最近行われている一部の取組を示しているといった文章を加えたいと思います。EUで、もう一つソフトローアプローチがあるといったところにつきましては、座長預かりとさせていただきまして、対応させていただければと思います。

ずっとページが続きますが、55ページの5番のプラットフォーム事業者による紛争解決の可能性のところでございます。ここは表題が少し誤解を生むところもございますことから、「プラットフォーム事業者による情報収集可能性とそれによる紛争解決の可能性」といった文章にさせていただければと思います。

そして、1つ目の段落の一番最後の行でございますが、「情報を活用した迅速な対応ができる場合がある」という言い切り型であるのを避けるということと、「したがって」以下のところでございますけれども、こちらにつきましては「プラットフォーム事業者は、何らかの対応が必要である場合は、その対応について、あらかじめ規約で定めることにより、プラットフォーム上で消費者トラブルが生じた際に、個々の紛争について対応する場合と、また、その大量の情報をもとにアカウントを停止するといった措置をとり得る」といったことで、そこにプラットフォームにおいては個々の紛争については判断に苦慮する場合もあるといった趣旨の脚注を入れることで対応させていただければと思います。ですから、ここは若干複雑といいますか、細かいですけれども、「したがって」のところは大量情報をもとに対応がとれる場合と、個々の紛争に入って対応をとる場合があると。その個々の紛争については判断に苦慮する場合もあるといった指摘があったという脚注を入れたいと思います。

次の提言のところでございますけれども、こちらにつきましては、まず2段落目のところでございますが、「指摘し」ではなくて「本専門調査会では、プラットフォームを介在する取引における消費者トラブルの事例をもとに」、それからそこの最後の段落でございますが、「一定の整理を試みた」という形にしたいと思います。

それから、ここのところに「プラットフォームが介在する取引におけるルールづくりについては、デジタル経済の成長を促すものでなければいけない」といった御趣旨の修文案をいただきましたが、こちらにつきましても座長預かりでお願いしたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。

そうしたいと思います。

それから、この提言のところの「また」の段落で「それでもなお」といったところがございましたけれども、そこが少し言葉の言いぶりが乱暴だという御指摘がございまして、片岡委員からコメントの86のところで修文案を提示していただいておりますが、それをもとに、それも参考にしながら修文案を考えさせていただきまして、その内容につきましては、座長にお任せいただければと思っております。

同じページの1のプラットフォーム事業者の役割のところでございますが、「第5のとおり」で始まった一文の4行目のところでございます。「利用者はこれらの範囲内において取引行為を行うことにより、マッチングが行われている場合もある」といった形で全部がそうではないといったことでございます。

57ページ、全体としては「プラットフォーム上の取引」といったところの段落で始まるところでございますが、そこから6行目ぐらいのところに「もっとも、以下に示す取組例については」ということで書かせていただいておりまして、この後に続く取組と書かれているところは全て取組例ということでございますので、それぞれのところには入れなくてもここで入れることで、それから、その段落の一番下のところで「なお、以下の(1)から(9)に示す取組例を実施するに当たっては」ということで、例であることを示しておりますので、以下についても例だということで御理解いただければと思っております。

その同じページの脚注の67でございますけれども、判例を引っ張ってきているところでございますが、ここのところは前のところで先ほどの言いぶりを変えましたので、そのトーンでこの脚注も変えたいと思います。その実際の変え方につきましては「こうした裁判例で示された考え方を前提とした場合であっても、プラットフォーム事業者は本文記載の役割を担う立場にあるといえるのではないか」というのは言い過ぎという御指摘があったかと思いますが、そこは先ほど御指摘した30ページの書きぶりと合わせる形で、文言の書き方については座長にお任せということでもよろしいでしょうか。

58ページに参りますけれども、ここは【プラットフォーム事業者の取組】のところの最初の丸でございまして、提供者、購入・利用者に係る正確な情報の把握だけではだめで、情報を把握して、適切にそれをしっかり利用するというところまで書き込まないといけないのだという御提案がございまして、情報の把握及びそれらの情報を適切にしっかりと利用するといった書きぶりに修正させていただければと思います。

同じページの(3)分かりやすい財・サービスに係る表示のところでございますが、また、インターネットを利用する環境下では「実店舗等での取引に比べ」は削除いたします。そして、もし文言を入れるのであれば「取引の後に表示を変えるなど、価格等様々な取引に関わる事項についての」という形にしたいと思います。「実店舗等での取引に比べ」を削除するというので対応させていただければと思います。

68ページのところのプラットフォーム事業者が果たす役割の実効性の確保のところでございます。こちらにつきましては順番を入れかえまして、まず自主的取組、共同規制が来まして、それから、法律、ガイドラインの固まりが来まして、それから認証制度の固まりが来る形にしたいと思います。自主的取組、共同規制の前の固まりのところでございますけれども、そこは文章の中で「共同規制」といった言葉の前に「法律的な規制が前提となるが、共同規制といったやり方もある」といったことで、共同規制の説明文として「法律的な規制が前提となるが」というのを入れたいと思います。それでよろしいでしょうか。

(1)法律、ガイドラインのところの書きぶりでございますけれども、「プラットフォーム事業者の責任とその範囲を明確に定める規定は存在していない」で、その後に「立法事実などを精査した上で、EU、中国及び韓国のように、我が国においても新たな法律を策定し」といった形で「立法事実などを精査した上で」という言葉は加える形にしたいと思います。

70ページ、今後の課題といったところでございまして、この中で指摘しております海外事業者への対応につきましては、喫緊の課題だという御指摘がございまして、それにつきましては、場所はこのままの形にさせていただきまして、今後の課題の柱書きのところに「海外事業者への対応については特に配慮が必要な論点である」といったような、文言については座長と御相談いたしますけれども、柱書きのところにほかの(1)や(2)の扱いとは違うということを分かる形で書くということで整理させていただければと思っております。

73ページ、脚注の79のオンライン紛争処理につきましては、一番最初に出てきたところに移すというところで対応させていただきます。

共通して文言を変える、例えば、言い切り型になっているところについてはそうではない書き方にするといったところは、全部はただいま御指摘しませんでしたけれども、この専門調査会で御指摘いただいたところにつきまして、そういった書きぶりに直すところはこの後座長と御相談しまして、そういうトーンに合わせて修文をしたいと思っております。

私からの御説明は以上でございます。

○中田座長 お願いします。

○片岡委員 53ページの柱書きの書きぶりを少し変えてほしいといった意見は反映されない感じでしょうか。

○中田座長 それはもちろん入ります。

○片岡委員 今の説明にはなかったので。

○中田座長 ここでお話ししたような形でさせていただこうと思います。各プラットフォームの特質に応じてということで付け加えさせていただきたいと思います。

○片岡委員 念のため申し上げておくと「指摘した後、その特徴としていくつかの観点を示すことにする」の後に「なお、これらの特徴は必ずしも全てのプラットフォーム事業者に該当するのではなく、各プラットフォームによって実態は異なる」といった書き方をしていただけると。

○友行企画官 承知いたしました。

○中田座長 それを参考に書かせていただこうと思います。

よろしいですか。修正方針は皆様から御意見をいただいたところをできるだけ反映させた形で先ほど取りまとめというか、事務局と御相談をさせていただきました。幾つか文言を精査する必要がある部分については私のほうで引き取らせていただくということで御一任いただくことを考えております。いかがでしょうか。

前田委員、お願いします。

○前田委員 先ほど意見として申し上げておりました70ページから71ページの言い切り型のところを御修正いただくというところはいかがでしょうか。

○中田座長 その点は先ほど企画官が申し上げたとおり、言い切り型のところは修正させていただくというところに入っております。

○前田委員 大変失礼いたしました。ありがとうございます。

あともう一点だけ、海外事業者の対策は喫緊であるというところを柱書きに加えるということなのですけれども、最終的な文言は座長一任ということで、もちろんそれで結構なのですが、その際に御留意いただければという点として、最初にこの点を御発言されていた畠委員のお話にもつながるところではあるのですけれども、全ての海外事業者が問題だということではないと。同じように言い切りではないようにする必要がある。そういうところも挙がっているので、そこについては取組が重要であるというような書きぶりにしていただければ、かなり一生懸命取り組んでいる海外事業者がいるのも事実ではあるので、そこの点だけ御配慮いただけますと幸いです。

○中田座長 トラブルが起こっているところに焦点を合わせていますので、もちろんそういったことは全体のトーンの中でも示されていることではないかと思います。

片岡委員、まだ残っていましたか。

○片岡委員 方針については今お話しいただいたとおりでいいのですが、座長一任といっても、このままそのまま最終版になるのではなく、最後に一回確認させてほしいという意見です。なぜかというと、言い切りになっていないかというところを御確認いただいたりはすると思うのですけれども、もう一度確認して、ここはさすがに言い切りになっていませんかという指摘をしたくなる可能性があるので、最終報告として完成版が上がる前に一度見せていただければと。メールなどで構いません。

○中田座長 では、御連絡をさしあげるという形でよろしいですか。

○友行企画官 分かりました。

○中田座長 畠委員。

○畠委員 ODRに関する制度の整理や検討については、行政機関の役割としてどこかに書いていただけたらと。その点は座長一任で構いませんので。

○中田座長 そうですね。御指摘いただいた点だと思います。

生貝委員、どうぞ。

○生貝委員 細かいところなのですが、68ページの実効性の確保の中で、共同規制の定義につきまして、前提として法律による規制が存在するというような書き方、このこと自体は正しいのには正しいのですが、ただ、最近共同規制の在り方が、またここ1年から2年で大変特にプラットフォーム関係で多様化してきておりまして、具体的にはここでの修文は、できれば「一般的に法律等による補強措置の存在が前提になる」。補強措置は英語で言うとバックストップスと呼ばれるものでございますけれども、そのように表現していただければよろしいかと思います。

それに加えまして、脚注の75で出典のない形で共同規制を何となく見覚えのある表現で引用していただいているところでございますけれども、このことについては、今、共同規制という言葉に明確な定義が存在するわけではございません。ただ、2016年に置きかえられた時点でインバリッドになってしまっていて、その定義が消えてしまっている文書なのですけれども、2003年に欧州議会、欧州委員会、欧州連合理事会の「Interinstitutional Agreement on Better Law-Making」という法の作り方についての合意文書がございまして、繰り返しますが、今はインバリッドにはなっているのですけれども、その18条に共同規制の定義が書かれたことがあり、比較的それが広く共有された定義かと思います。

具体的には長い条文ではございませんので、それをそのまま日本語に訳していただいて張り付けていただけるとよいかなと思うのですけれども、簡単に申し上げますと、立法機関によって設定された目的の達成を当該分野で活動する主体に委ねるメカニズムであり、それに当たってはこれこれこういう注意が必要だといったことが書いてあるところでございます。

特にこの言葉は様々なプラットフォーム検討会でも使われる言葉でもございますので、別々の定義が存在しているといろいろな混乱も招くかなといったところで、特にここでは「特にこの表現が、今は有効な文書ではないが、一般的に広く参照されている」と書いていただけるとよろしいかなと思いました。すごく細かいところで申し訳ございません。

○中田座長 では、どうしましょう。今の翻訳等が手に入るかどうかという問題もあるのですかね。

○森委員 送ってくださいます。

○中田座長 そうですか。分かりました。生貝委員の翻訳を得て対応するということで、それは座長に任せていただき、用語説明をきちんとするということにします。

森委員。

○森委員 本当に細かいことなのですけれども、15ページの修文案なのですが、もうちょっとポジな感じでいけるかなと思いますので、これも座長預かりにしていただいて、私が後で御提案したりするということで、特に皆さんの御異論のあるところではないので、先ほどおっしゃった内容でも結構ですが。

1点だけ細かいことといいますか、確認したいのは、目次を御覧いただいて、これは本当にくだらないことで、私の感覚がおかしいのかもしれないですけれども、「はじめに」「第1 プラットフォームを介在する取引の拡大」ということでずっと来るのですが、プラットフォームを介在する取引なのか、プラットフォームが介在する取引なのかがひっかかっています。そんなことでひっかからないでねということかもしれないのですけれども、目次の31ページのところにここで初めて「介在する」ではなくて「特商法とプラットフォームを介する取引」というのが出てきまして、これはプラットフォームを介する取引だと思うのです。取引がプラットフォームを介するので。だけれども、プラットフォームが介在するので「を」ではなくて「が」なのではないかと思いましたので、座長一任で結構ですので、申し訳ありませんでした。

○中田座長 御指摘の点、どれがベストなのかは実は議論をしていまして、「を」も「が」も残していたのですけれども、もし森委員の言い方でよろしければある程度「が」にしたいと思います。

ただ、長いので、これからそういうのを「プラットフォーム取引」という形で省略してもいいのかなと。本来はプラットフォーマーが介在する、介在というとそんな感じかなと思うので、今のところは森委員の御意見を反映させながら、少し全体のところを変える必要性があればそのようにさせていただくということでよろしいでしょうか。

お願いします。

○片岡委員 長くなることはないので大丈夫だと思うのですが、「プラットフォームが介在する」というのと、「プラットフォーム事業者が介在する」というのもまた結構意味が違いまして、システム的な介在も含むのであれば「プラットフォームが介在する」のほうがいいと思います。

○中田座長 分かりました。定義は難しいですね。ありがとうございます。

いろいろ御指摘をいただきまして、ありがとうございます。それでは、後の部分については私に御一任いただいて、文言の修正をさせていただきたいと考えます。

というのも、もう何回かしていくということも私自身は考えたわけですが、事務局と相談したところ、かつプラットフォーマーをめぐる検討会が幾つか開かれておりまして、それぞれの検討会等で我々の検討の内容をもう既に首を長くして待っているということもございます。それで、少し急がせていただいたところがあったとは思いますが、御容赦いただければと思います。

最後に、異議なしということでよろしいでしょうか。

一言ありますか。

○片岡委員 今日配っていただいたこの概要もまた書きかえに合わせて修正いただけると思うのですが、結構本文は直したのに概要が直っていないということにもなりかねないので、作るときには御注意いただければと思います。

○友行企画官 分かりました。概要は本文に合わせてもちろん修正いたします。

○中田座長 最後に、私から専門委員の皆様に御礼を申し上げたいと思います。

私もこういう形で、専門調査会の座長としての任を全うするのは初めてでありまして、事務局からそういった役割を果たすようにと言われたときには非常に不安でして、また、この会議では初めて知り合いになる方々ばかりだったので、学者として研究会を組織しているのとは全く違う状況下に置かれたわけです。けれども、専門委員の皆様の温かい御協力、御支援をいただいて、何とか、たまには荒波だったときもありますが、私自身としては非常に快適に過ごせたと感じています。

そして、そういう中でも、事務局の皆さんには、専門委員の皆様や私との調整を綿密にしていただきましたこと、そして万全のサポートをしていただき、この場で専門調査会を代表して私から事務局に御礼を申し上げたいと思います。

最後に、この報告書を今からまとめるわけですが、これは中間的な意味を持っているものではないかと思います。最終報告という形では出しますが、将来これが活用されることが大事であって、いろいろなところの事業者サイドから、また、消費者相談のサイドから、初めて目にするような事例とか、あるいは仕組みであったりということも知ることができ、それらを反映した報告書にまとめることができたのは大きな成果ではないかと思っております。皆様に、心より御礼申し上げます。

それでは、事務局から連絡事項等がございましたら、お願いしたいと思います。

○友行企画官 それでは、座長と一緒にまた文言を修正いたしまして、委員の先生方に御確認いただくような形でこの後させていただければと思っております。

事務局長、何かございますか。

○二之宮事務局長 事務局長としましても、一言御礼を申し上げたいと思います。

長い時間、熱心に充実した御議論をいただきまして、ありがとうございました。

御承知のとおり、座長からもお話がありましたが、関係省庁でいろいろなところでこの検討を行っております。消費者委員会としましては、消費者目線での報告書というものを取りまとめていただいたことに対しまして、本当に御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。


≪3.閉会≫

○中田座長 本日はこれで閉会とさせていただきますが、本専門調査会はこれで最後ということで、もう一度、私から皆様に御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

(以上)