2019年4月22日

JISは、製品の種類・寸法や品質・性能、安全性などを定めた国家規格です。JISは、社会的環境の変化に対応して、制定・改正されています。社会的に関心の高い重要な制定や改正を月に1度紹介しています。

1.今回のJIS規格制定・改正内容

今回は、5件の制定及び12件の改正を行いました(資料1)。中でも、以下のJISの制定・改正は特に重要です。

(1)きらを用いた舗装用セラミックブロックに関するJIS制定

きら*)は、これまで、利用用途が少なく、そのほとんどが廃棄されていましたが、舗装用セラミックブロックの原材料として用いることによって、吸水性・保水性が良くなるため、ヒートアイランド現象などの都市の熱環境対策としての活用が期待できます。

一方で吸水性や保水性の性能や試験方法が定まっていないことから、粗悪品の流通のおそれがありました。今般、「新市場創造型標準化制度」を活用して、JISA5216として制定しました。 

この規格が普及することで、きらを用いた舗装用セラミックブロックの一層の普及及びきらの有効活用が期待されます。


きらを用いた舗装用セラミックブロックの例
*セメントやれんがなどの窯業原材料を精製する時に発生し、窯業原材料としては用いることができない粒径1~200μmで、粘土が少量含まれたメジアン径(粒度分布の中央値)10~40μmのけい(珪)砂、長石などの微細な粒状物。

(2)「業務用ガスこんろ」など8件のJIS制定及び改正

ガス機器の新技術の導入や新製品開発などに迅速に対応するため、「液化石油ガス器具等の技術上の基準等に関する省令」などの法令は、構造、材質などの詳細な基準を省令に定めた「仕様規定」から、達成すべき安全性能を規定した「性能規定」としたところです。

この性能規定化を適切に運用するためには、これら法令の運用及び解釈に示した例示基準として、JISを制定・改正することが重要です。今般、「業務用ガスこんろ」など8件のJISの制定・改正を行いました。 


ガスレンジ(例)                

(3)標準物質の適正な使い方に関するJIS改正

標準物質は、計測や分析における精度及び信頼性の向上に不可欠な重要な物質です。JISQ0033は、市場で使われるあらゆる標準物質を、測定・分析に使用する者が適正に使用し、得られた測定・分析結果を評価するための手引を提供する規格です。今般、標準物質の種類や活用の広がりを受け、あらゆる標準物質の使い方を示す規格に対応するため、JISQ0032(化学分析における校正及び認証標準物質の使い方)及びJISQ0033(認証標準物質の使い方)を、JISQ0033に統合改正しました。

これにより、標準物質全般の適正な使い方に関する共通の理解が高まり、計測・分析における精度及び信頼性が一層高まることが期待されます。


標準物質の例(出典:産業技術総合研究所)

2.JIS(日本工業規格)とは

JIS(Japanese Industrial Standards)とは、鉱工業品の品質の改善、性能・安全性の向上、生産効率の増進等のため、工業標準化法に基づき制定される我が国の国家規格です。

JISは、製品の種類・寸法や品質・性能、安全性、それらを確認する試験方法や、要求される規格値などを定めており、生産者、使用者・消費者が安心して品質が良い製品を入手できるようにするために用いられています。

経済産業省では、技術の進歩や、安全性の向上等、必要に応じて、JISを制定・改正しています。

JISについて、詳しくお知りになりたい場合は、下記のサイトをご覧ください。
JISC 日本工業標準調査会外部リンク
標準化・認証

新市場創造型標準化制度について、詳しくお知りになりたい場合は、下記のサイトをご覧ください。
新市場創造型標準化制度について

JISの閲覧は、下記のサイトより検索ください。
JIS検索外部リンク

3.過去のニュースリリース(主要なJISの制定・改正の紹介)

過去のニュースリリース(主要なJISの制定・改正の紹介)

4.工業標準化法の一部改正

平成30年第196会通常国会において、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(法律第33号)が可決成立し、工業標準化法が一部改正され、標準化の対象にデータ、サービスを追加し、法律名を“産業標準化法”に改め、“日本工業規格(JIS)”が“日本産業規格(JIS)”に変わります。

詳しくお知りになりたい場合は、下記のサイトをご覧ください。
JIS法改正(産業標準化法)

5.各規格のお問合せ先について

公示された各規格の詳細について、お問合せになる場合は、資料1に記載された担当課(1.(1)、(2)、(3)の担当課は国際標準課)に直接お問合せください。

関連資料

担当

  • 本発表資料のお問い合わせ先

    産業技術環境局 基準認証広報室長 齋藤
    担当者:菅、関野、髙野
    電話:03-3501-1511(内線3421~2)
    03-3501-9245(直通)
    03-3501-7851(FAX)
    E-MAIL:MLLWA@meti.go.jpメールリンク

  • 各規格のお問合せ先

    産業技術環境局 国際標準課
    電話:03-3501-9283(直通)

    産業技術環境局 国際電気標準課
    電話:03-3501-9287(直通)