冒頭発言

(1)河野大臣の米国訪問

【河野外務大臣】4月18日から21日まで,米国を訪問する予定でございます。4月19日に岩屋防衛大臣と共に「2+2」に出席をし,「防衛大綱」を含む日米の安保・防衛分野での基本政策が策定されたことを踏まえ,今後の日米同盟の在り方,抑止力・対処力強化に向けた協力等について協議をしたいと思います。
 また,この機会に日米外相会談も行う予定にしております。

(2)フランス・パリのノートルダム大聖堂の火災を受けたお見舞いメッセージの発出

【河野外務大臣】昨晩,パリのノートルダム大聖堂で発生した火災を受けて,ル・ドリアン外務大臣宛てに,お見舞いのメッセージを発出しました。ノートルダム大聖堂はおそらくパリに行った多くの日本人の方に,馴染みの深い歴史的な遺産であり,ユネスコの世界遺産でもあると思います。今回の火災は,フランスのみならず世界にとって非常に大きな損失と言ってよろしいかと思います。修復等の面で,日本にできることがあれば協力してまいりたいと思います。

日米「2+2」,中国

【共同通信 丹羽記者】大臣は,先の中国訪問で,日中関係について正常な軌道に戻ったという認識を中国側と確認し,今日の参議院外交防衛委員会のほうでも日中新時代の構築に意欲を示されたかと思います。19日に開かれる日米「2+2」では,米国と安全保障の観点から,中国についてどういった認識を共有したいと考えていらっしゃいますでしょうか。

【河野外務大臣】日中関係は,ここしばらく様々な対話・交流が凍結されているという時期が続きましたが,李克強(り・こくきょう)国民院総理の訪日,安倍総理の訪中,そして今年はG20に習近平(しゅう・きんぺい)主席の訪日を期待しているところでございますが,こうしたハイレベルの往来を通じて,日中様々な対話レベルの交流が復活してきております。そういう意味で関係が正常化しつつあると申し上げてよろしいのではないかと思います。
 他方,東シナ海ではいまだこの問題が解決をしたということは言えない状況にあります。これは外相会談の中でも申し上げましたが,東シナ海,あるいは資源の共同開発の問題などを含め,解決しなければならないことがあるのも現実でございます。こうした話を日米関係でもしっかりしていきたいと思います。

日米外相会談

【朝日新聞 清宮記者】日米「2+2」と日米外相会談で,北朝鮮問題についてポンペオ長官と会うのは久しぶりだと思いますが,制裁の維持など,どういった点を確認したいとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】ポンペオ長官とは電話会談などを通じて,北朝鮮問題は常に認識を共有しておりますので,何か改めてということではありませんが,これまでのことをお互い確認するということなんだろうと思います。

駒野元在イラン大使に係る事案

【朝日新聞 清宮記者】今年3月に,元イラン大使からセクハラ行為を受けたとして,外務省の職員が刑事告訴されて受理されていますけれども,この件についての外務省としての事実関係の確認と,これまでの対応について教えていただけますか。

【河野外務大臣】刑事告訴されたということは,外務省として認識をしております。被害者から外務省に様々ございましたので,外務省としては,これまで被害者に寄り添った対応をしてきたということでございます。

【朝日新聞 清宮記者】外務省から元大使に注意はされているのでしょうか,セクハラ行為として。

【河野外務大臣】当然そういうことだと思います。

【フジテレビ 佐藤記者】前ケニア大使のセクハラ疑惑の報道もありまして,こういった事象が続いていることについて,日本を代表して外交に携わる職員がこういったことを起こしているということについて,外務省としてどう受け止めているのでしょうか。

【河野外務大臣】セクハラ行為というのは許される行為ではないということを,外務省の職員,これは大使を含めてでございますが,そこは明確に申し上げているところでございますので,セクハラ行為があったと認定された場合には外務省として厳しい処分で臨むことになると思います。

【テレビ朝日 安西記者】被害者の方は我々に対して,外務省から,外務省とのやりとりで「エロジジイのことは忘れなさい」とかですね,身上書にもこういうことを書いたけれども,削除しなさいということを求められたと言っています。外務省の対応として,これは正しい行為だと大臣はお考えでしょうか。

【河野外務大臣】そうしたことについて私(大臣)は存じ上げません。外務省としてこれまで被害者に寄り添った対応をしてきたと認識しております。

【テレビ朝日 安西記者】大臣,日頃からセクハラ・パワハラに対しては厳しく対応するというふうにおっしゃっています。事実関係が認められればこういった外務省の対応についても,同じように対応されるということでよろしいでしょうか。

【河野外務大臣】外務省の対応について事細かに私(大臣)が認識しているわけではございませんが,今,おっしゃられたようなことは認識しておりません。

マレーシアが中国との鉄道事業継続

【読売新聞 梁田記者】マレーシアの中国による鉄道の敷設に関してなんですけれども,マハティール首相が一度,見直し・凍結したマレーシア国内東西を結ぶ鉄道事業について,中国の協力を得て実施するという最終的な判断をされました。債務の健全性等々の懸念があったわけですけれども,それは解消されたということで実行するという判断をされたということですけれども,この判断について日本としてはどのように,特にインフラに関して,いろいろな原則を,質高インフラを進めている日本としては,どのように考えているでしょうか。
 また,この前の日中経済対話の中で,第三国協力というのも一つ重要な焦点だったかと思うんですけれども,そういった協力を進めていくに当たって,今回のマレーシアの判断をいうのがどういった影響を与えるというふうに思われるでしょうか。

【河野外務大臣】これまでも,様々,インフラ案件については開放性,透明性,経済性,あるいは対象国の債務の健全性といった,国際的な共通の考え方に合致した形でプロジェクトが進められるというのは,地域経済,あるいはひいては世界経済に資することで喜ばしいということを申し上げてまいりましたし,マレーシア政府の判断について,何か,申し上げることは特にございませんが,そういう形でインフラが発展していくというのは,いいことなんだろうと思います。
 日本としても,そういう形で行われるインフラに民間企業同士が,しっかりと協力をしていくことは,それぞれの地域の発展に資するということになろうかと思います。

河野大臣の米国訪問

【NHK 奥住記者】「2+2」に合わせて行われるバイ会談の方なんですけれども,ポンペオ長官との会談では先ほど,北の話も少し触れられてましたけれども,北とか中国とか,イランの制裁とか中東とか諸課題は色々あると思うんですけれども,大臣としては,特にどのような点を話し合っていきたいとお考えでしょうか。もう一点,ポンペオ長官以外に,例えばボルトン補佐官ですとか,いろんな方,アメリカにいらっしゃいますけれども,そういった方々と会談の調整具合と,実現した場合,どういった話をしたいかお願いします。

【河野外務大臣】まだ外相会談まで,若干日がありますので,その間に優先順位をしっかり決めてまいりたいと思います。イースターのグッド・フライデーに当たりますので,時間的にもそう長くできるわけではないと思いますので,きちんと優先度の高いものをしっかりやっていきたいと思います。会談については,公表するもの・しないもの,今,合わせて調整を進めているところでございます。

中東情勢

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)

 中東について伺います。日本はエジプトに監視団として自衛官2名の派遣を決定しましたが,これはこの分野における日本による初めての貢献だと考えます。日本は,今後の計画として人員を他の地域,特にシリアに派遣する考えはあるのでしょうか。また,中東情勢,特にイスラエルによる入植地の拡大を受け,中東和平プロセスをどのように見ていますか。

【河野外務大臣】
(以下は英語にて発言)

 中東の平和と安定は,日本,グローバル経済,さらには世界情勢にとって大変重要です。特に日本はガスや石油といったエネルギー面で中東地域に依存しており,中東情勢は日本経済にとって極めて重要です。また,多くの戦闘員のアジアへの帰還を受け,我々は過激主義の拡散を防ぐべく協力する必要があります。日本のMFO(多国籍部隊・監視団)への参加は,中東地域の平和と繁栄の土台の一部になると考えます。その他の組織への人員派遣については,現時点で検討していません。

「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」白石座長から大臣への「京都アピール」の提出

【朝日新聞 清宮記者】今日,賢人会議のメンバーから先日の京都での会議での考えたアピールについて提出を受けると思うんですけれども,今度のNPT再検討会議の準備委員会にどのようにインプットしていきたいとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】京都アピールというようなものになると伺っておりますが,そもそも,今回の会合にインプットするという目的で練られたものというふうに承知をしておりますので,日本として,しっかりと会合にインプットしていきたいと考えております。

日英外相会談

【Mlex 坂巻記者】日英の外相会談の中身と,ブレグジットに関してどのような発言をされて,先方からどのような対応があったのか教えてください。

【河野外務大臣】日英「2+2」に関して,なるべく早い時期に開催をしようということにいたしました。ブレグジットについて,ハント外務大臣の方から現状について,また今後の方向性についてのご説明がございました。その他,日英両国に関わる様々なことについて,かなり率直に意見交換をさせていただいたということでございます。