平成31年4月2日(火)

 本日の閣議では法務省案件はありませんでした。
 昨日,平成に替わる新元号が令和に決まりましたが,法務行政においても,新たな時代を見据えた施策を進めていこうと決意を新たにしたところです。全国約54,000の職員が一丸となって,これまでにも増して国民の皆様の胸に落ちる法務行政を実現するため,精一杯努めてまいりたいと思います。
 そして,時代の節目とも言えるこの日に,出入国在留管理庁が発足しました。
 昨年,訪日外国人旅行者数及び在留外国人数がいずれも過去最高となった状況において,出入国在留管理庁は,入国審査,在留審査,退去強制,難民認定等のこれまで担ってきた業務に加え,共生社会の実現に向け,政府全体で取り組んでいる外国人材の受入れ環境の整備を推進するための総合調整を担うこととなりました。
 出入国管理行政はまさに,新たな時代において,我が国の形にも関わる重要な責務を負っており,新たな組織体制の下,各方面の方々の意見に耳を傾け,実情をしっかりと踏まえた政策の立案,実施を行ってまいります。
 そして,出入国在留管理庁の設置により,出入国在留管理行政を遂行する体制が刷新されたことに伴って,従来の「出入国管理基本計画」を改め,特定技能制度の導入等を反映した新しい「出入国在留管理基本計画」を策定することとしました。
 昨日,その案についてパブリックコメントを開始したところであり,法務省としては,速やかに新しい基本計画を策定し,適正な出入国管理行政の遂行に万全を期してまいりたいと思います。

恩赦に関する質疑について

【記者】
 新元号の決定で,譲位や即位の準備が進むと思われます。法務省としても恩赦が想定されますが,準備はどのように進められるのでしょうか。

【大臣】
 御指摘の恩赦を実施するか否かについては,現在のところ何も決まっていません。

外国人材の受入れに関する質疑について

【記者】
 昨日は特定技能制度について,受付申請がスタートしました。特定技能への移行申請や登録支援機関の登録申請がどれだけ来たのか,件数を教えてください。

【大臣】
 申請件数については,現在,取りまとめ中ですので,また改めて御説明をさせていただきたいと思っています。

【記者】
 外国人材の関連でお伺いします。昨日制度が始まって,地方から都市部偏在を懸念する声というのも未だに聞かれるのですが,その指摘に対する御所見と,今後制度が始まった中での取組,テーマや課題のようなものがあればお伺いできればと思います。

【大臣】
 まず,地方と都市の偏在については,地方の外国人受入れのための環境整備をしっかりとするということで,一元的な相談的な窓口を設けました。また,昨日発足した出入国在留管理庁の各地方出入国在留管理局において,受入環境調整担当を設け,地方自治体の各種の相談を承るものとしています。
 また,地方自治体の生活上の様々な相談をどう対応したら良いかということもあると思います。そういうものに対して,日本語と英語で「生活ハンドブック」を今ホームページにアップしており,今後多言語化していく予定です。「生活ハンドブック」にはゴミの出し方といった問題も取り上げています。
 また,新たな特定技能に関しては協議会を設けていますので,その協議会における自主的な取組も期待していますし,好事例を情報収集しながらしっかりと進めてまいりたいと考えています。

新元号に関する質疑について

【記者】
 改めて元号に関してなのですが,国書を典拠とする「令和」が選ばれたことに対する感想と,新元号施行に向けてどんな姿勢で担務に取り組んでいくか,お聞かせください。

【大臣】
 まず国書とは具体的には万葉集でして,我が国の最古の歌集で,天皇や皇族,貴族だけではなくて,防人や農民といった一般の方々のその歌を国としてまとめたものであり,その文言から引用したものです。大伴旅人が催した会で梅の花を詠うというものがあるのですが,まさにこれから,梅もそうですし,昨日申し上げた蘭についても,洋蘭も和蘭もある中で,外国人材と手を携えて共生社会を実現していく,そして国民皆が言祝ぐような時代にしていけるように,行政の方もしっかりと進めていきたいと考えています。

(以上)