(H31.4.5(金)10:17 ~ 10:34 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私から冒頭お話をいたします。農福連携等推進会議の設置についてであります。農福連携は、障害者の皆さんがやりがいと生きがいをもって、地域で活躍していただく取組みであり、地域共生社会の実現に向けて、とても意義のあるものです。要は、農福連携というのは農業と福祉という話です。また、障害者の皆さんからは、広がる青空の下、大地とふれ合う農作業を通じ、「からだの調子がよくなった」、「気持ちが落ち着いた」などの声もお聞きするほか、地域住民との交流が深まるなど、障害者の「生活の質の向上」にもつながる重要な取組みであると考えます。このたび、農林水産省との連携のもとに、農福連携の全国的な機運の醸成を図るとともに、その推進に向けた方策を検討するため、省庁横断的な「農福連携等推進会議」を設置することとなりました。概要は、お手元の配布資料をご確認ください。2040年を見据えた社会保障改革を進めるにあたっては、従来の厚生労働行政の枠組みにとらわられずに、社会保障改革の新たな展開として、私は、様々な関連分野の展開の視点を取り込むことが重要だと考えています。農福連携の推進方策についても、このような視点からしっかりと検討していきます。私からは、以上です。

質疑

記者:
昨日、介護保険料の徴収業務にミスがあったと発表がありました。運営に支障をきたすおそれがありますけれども、受け止めと今後の対応をお願いします。
大臣:
医療保険者からの納付金を徴収し、各市町村へ交付する重要な業務を担っている支払基金において事務誤りが生じたことは遺憾であります。厚生労働省としては、再発防止に向けて厳しく指導していきたいと考えています。支払いは今年度のため、不足が現実に生じているわけではありませんが、影響が懸念される健康保険組合に対し、予備費の充当などによる対応を求めるとともに、納付に支障をきたす場合には、翌年度に納付する納付猶予の制度があることを周知したところであります。引き続き、個別の医療保険者において納付が困難となる事案が生じることのないよう、急ぎ関係団体、健保連等と連携し状況把握に努めたいと思います。
記者:
今年の風しん患者が累計で1,000人を超えて増加していますけれども、注意喚起があればよろしくお願いします。
大臣:
今年の風しんの累計患者数は4月2日現在で1,033人となっています。昨年は、7月以降患者が増加し、ピーク時は1週間の患者発生数が200人程度で推移していたところでありますが、現在は1週間の患者発生数が70人から80人程度で推移している状況であります。それから、14,000人を超える患者が発生した2013年に比べると患者数の増加は緩やかではありますが、いずれにしても、例年に比べると多いことから、引き続き緊張感を持って対策を進めてまいります。現在の患者数は、40代から50代の男性が全体の約4割を占めています。これは、これまで公的に予防接種を受ける機会がなかった現在40歳から57歳の男性の抗体保有率が約80%と他の世代に比べ低いことが一因とされております。このため、昨年12月に取りまとめた「風しんの追加的対策」に基づき、必要な予算措置も行い、現在40歳から57歳の男性を対象に、3年間、全国で抗体検査と予防接種法に基づく定期接種を原則無料で実施することとしています。現在、各市区町村で、まず40歳から47歳の男性に対して、抗体検査等のためのクーポン券を発送するなどの対応を順次進めていただいております。既にクーポン券が対象者の方に届いている市区町村もありますが、対象者の方には、クーポン券を活用し、まずは原則無料で抗体検査を受けていただきたいと思います。その結果が陰性であった場合には、ワクチンも原則無料で接種できるため、積極的な接種をお願いしたいと思っています。
記者:
毎月勤労統計の件で、今日、1月の確報値と2月の速報値が出ました。1月の確報値の段差は、ローテーション・サンプリングの影響で、現金給与総額ですとマイナス0.9%程度、きまって支給する給与ですと0.6%くらいマイナスになっています。これは2月以降は変わらないのでその前年比の給与の推移などを見るということが、かなり難しくなっています。こういうことについてどのように考えているのかを教えてください。
大臣:
今回の入れ替えられた1/2の調査対象事業所は、ローテーション・サンプリングの導入に向けた調査計画の見直しや準備期間の確保等のため、4年間継続して調査を行っていた事業所であり、通常の3年よりも長くなっていることから、賃金水準が高めとなる偏りが生じていた可能性があります。また、毎月勤労統計調査におけるローテーション・サンプリングについては、平成32年以降、毎年1/3ずつ調査対象事業所を入れ替えることとしておりますが、平成30年から2年間は、経過措置期間として1/2を入れ替えていることから、ギャップもその分、大きくあらわれる傾向にあると思います。現在は、ローテーション・サンプリングの導入に向けた経過措置期間中であることについてもご理解、ご留意いただきながら、厚生労働省としても、引き続き、丁寧な説明に努めていきたいと思います。
記者:
今後、経過措置ということで来年から1/3ずつになるということで、このギャップが小さくなることを見込むのかもしれませんが、その0近傍ぐらいに賃金上昇率が暦年の値で、こうやってギャップがあると結局賃金の推移をみていくことはほとんど不可能になってしまいます。この方法は、もちろん色々な専門家の議論を経て、統計委員会も経てやったものではあるのですが、方法を見直したりする必要はないのでしょうか。その辺をどういうふうにご認識していますか。
大臣:
それは純粋に統計的な判断だと私は思います。ローテンション・サンプリングは調査対象事業所を一度に全部ではなく部分的に入れ替えることでサンプル入れ替え時のギャップを縮小させて統計制度の向上をはかるものであって、統計委員会などの意見などを踏まえ導入したものであります。今のお尋ねの件については統計的な専門的な見地の話だと思いますので、この導入にあたっては専門的見地から制度を向上するという観点から導入されたものだと理解をしております。
記者:
介護納付金の徴収事務のミスの件なのですけれども、あくまでミスがあったのは基金側だということだとは思うのですけれども、厚労省側にも責任はあるとお考えなのでしょうか。
大臣:
今回の件に対して支払基金における対応及び省内における対応を含め事実関係を十分に確認したいと思います。その上で、より適切な対応がとれていたのかどうか、検証して必要な対応を行いたいと思います。
記者:
ガバナンスの向上というのが統計不正以来の課題となっておりますけれども、大臣が今回の徴収の事務のミスの問題で報告を受けたのはいつ頃でしょうか。
大臣:
3月中旬に介護納付金に関する計算ミスが生じており支障がないよう対応していくという報告を口頭で受けた記憶があります。私からは、健保組合、市町村などに負担が生じないよう、しっかり対応するようにという指示をしました。
記者:
関連する質問なのですが昨日の介護保険計画課のブリーフィングでは支払基金から計画課に連絡が当初あったのが1月であると、誤りのある可能性があると連絡を受けたのは1月であるということを連絡を受けながら、その後3月まで何ら対応がありませんでした。この件について厚労省として対応の在り方についていかがだと考えておりますでしょうか。
大臣:
ブリーフィングを事務方から既に受けたのであれば、同じことになりますが、今回の件に対して支払基金における対応及び省内における対応を含め事実関係を十分確認したいと思います。その上で必要な対応を行いたいと思います。
記者:
塚田国土交通副大臣が忖度発言を受けて辞意を固めたようですけれども、その受け止めと今後の参院選や衆院補選もありますけれども影響をどのようにお考えですか。
大臣:
私は具体的にその件については承知しておりません。
記者:
先ほどの介護保険の件なのですけれども、支払猶予の制度は健保組合が活用する際には厚労大臣の承認が必要になると思うのですけれども、そのことについての対応方針をお願いします。
大臣:
要は納付に支障をきたす場合には翌年度に納付する納付猶予の制度がある。これは周知しているところであります。
記者:
今回の件に関して健保組合からそのような申請や申出があった場合は大臣としてはどのように対応しますでしょうか。
大臣:
よく相談していきたいと思います。
記者:
先ほどの塚田国交副大臣の件なのですけれども、発言に対して与野党から批判の声があがっていますけれども、副大臣ご自身の発言についてのご見解をお伺いできないでしょうか。
大臣:
政治家というのは十分に説明責任を果たす、それが私は政治家の責務だと思います。
記者:
毎月勤労統計に戻るのですけれども、1月の確報値で18か月ぶりにマイナス、2月の速報値でもマイナスになっておりまして、久しぶりに賃金が下がっています。それについての受け止め、景気に変動があるのかという見解をお願いします。
大臣:
速報値について、要は、毎月勤労統計というのは一般的な傾向で申し上げると、今、就業者数が増えていて、パートタイム比率も全体的に、全体の就業者が増えていますから、これは結果的にパートタイムの比率があがってきているということで。これは一般論ですが、パートタイムの方の賃金は常用、要は正規の皆さんとちょっと差があるので、全体の労働者の平均賃金水準を見る時にはそういう要因も考えなければいけないのではないかと思います。だからそこはこの統計をどう判断するかという分析はしなければいけないと思います。それから毎月勤労統計というのは、私は常々申し上げておりますが、全労働者の賃金水準を表すのが毎月勤労統計で、そして、参考値というのは景気の月々の変動を見るという意味で共通事業所系列というものをあわせて出しているということですから、それぞれの目的に従って統計を見て判断するということだと思います。

(了)