1. 1 3月28から29日まで,シンガポールにおいて,サイバーセキュリティに関する第2回ARF会期間会合(2nd ASEAN Regional Forum Inter-Sessional Meeting on Security of and in the Use of Information and Communication Technologies (ARF ISM on ICTs Security))が開催され,我が国から新居雄介在シンガポール大使館次席公使が参加し,マレーシア及びシンガポールと共に共同議長を務めました。

    2 今次会期間会合においては,本年1月にシンガポールで行われた第3回専門家会合及び第4回専門家会合(注)における議論を踏まえ,今後取り組むべき具体的な信頼醸成措置(CBMs)案について議論し,その成果を会期間支援グループ会合(ISG)で報告することを確認しました。また,その他のサイバーセキュリティに関する地域的な取組について情報共有・意見交換を行うとともに,合意された提案に基づく取組として初めて,我が国の提案に基づき,各国から自国のサイバーセキュリティに関わる政策等に関する情報共有が行われました。

    3 さらに,本年立ち上がる予定の国連サイバー政府専門家グループ(GGE)が,会合の前にARFを含む地域枠組みと協議を行うことになっていることを踏まえ,ARFの役割等についても意見を交わしました。

    (注)同会合に先立つ26日,同じくシンガポールにおいて日本,マレーシア及びシンガポールの共同議長の下,第4回専門家会合(open ended Study Group on Confidence Building Measures (SG))が開催された。

    [参考1]ARF-ISM on ICTs Security の概要

    • (1)ARF(ASEAN地域フォーラム)は,政治・安全保障問題に関する対話と協力を通じ,アジア・太平洋地域の安全保障環境を向上させることを目的としたフォーラムで,1994年から開催。
    • (2)ARFには,毎夏実施される閣僚会合とは別途,分野別にISM(Inter-Sessional Meeting,会期間会合)があり,(ア)海上安全保障,(イ)災害救援,(ウ)テロ対策・国境を越える犯罪対策,(エ)不拡散・軍縮について分野毎に具体的な協力を推進してきている。
    • (3)この会期間会合は,サイバーセキュリティに関する安全保障環境の変化を受け,日本,マレーシア,シンガポールの共同で「サイバーセキュリティに関する会期間会合(正式名称は「ASEAN Regional Forum Inter-Sessional Meeting on Security of and in the Use of Information and Communications Technologies」)」の立上げを提案し,2017年8月のARF閣僚会合において,全会一致で承認された。
    • (4)このISMは,ARFメンバー国等間でサイバーセキュリティに関する議論を行うとともに,具体的な信頼醸成措置に取り組むことで,紛争予防や平和的な解決に寄与することが期待される。
    • (5)今後,会期間支援グループ会合(ISG),高級事務レベル会合(SOM)を通じ,第26回ARF閣僚会合に提出されるサイバーセキュリティに関する提言案についてさらなる検討がなされる予定。

    [参考2]ARFメンバー(全25か国,1地域,1機関)

      ASEAN ブルネイ,インドネシア,マレーシア,タイ,フィリピン,シンガポール,ベトナム,ラオス,ミャンマー,カンボジア
      非ASEAN 日本,米国,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,パプアニューギニア,韓国,北朝鮮,モンゴル,中国,ロシア,インド,パキスタン,東ティモール,バングラデシュ,スリランカ,EU