2019年3月29日

経済産業省は、2018年10月に、「我が国企業による国際的な気候変動イニシアティブへの対応に関する研究会」を立ち上げ、我が国の現行制度の下で、日本企業が国際的な気候変動イニシアティブに適合した温室効果ガス排出量の算定や、再生可能エネルギーとしての価値(再エネ価値)の取得・主張をするための方法について議論を行ってまいりました。
本研究会における議論を踏まえ、この度、「国際的な気候変動イニシアティブへの対応に関するガイダンス」~日本において再エネを活用する企業のためのスコープ2ガイダンスへの対応~を策定しました。

1.背景・経緯

昨今、グローバル企業の気候変動対策に関する情報開示・評価の国際的なイニシアティブ(CDP、RE100、SBT等)の影響力が高まってきており、日本企業もこうした動きに対応することが求められています。これらのイニシアティブでは、温室効果ガス(GHG)排出量の算定・報告において民間の基準である「GHGプロトコル」の利用を推奨しており、これがグローバルスタンダードとなりつつあります。

しかしながら、GHGプロトコルを正しく理解した上で温室効果ガス排出量を算定している日本企業は少ないと考えられます。加えて、需要家が再エネを調達し国際的に主張する方法が分からないという声があるように、日本企業が再エネを調達し、国際的な評価を得るのに十分な情報が整理・提供されていない状況です。

このような状況を踏まえ、経済産業省は2018年10月に「我が国企業による国際的な気候変動イニシアティブへの対応に関する研究会」を設置し、我が国の現行制度の下で国際的なイニシアティブに適合した温室効果ガス排出量の算定や再エネ価値の取得・主張をするための方法について議論してまいりました。

本研究会での議論を踏まえ、この度「国際的な気候変動イニシアティブへの対応に関するガイダンス」~日本において再エネを活用する企業のためのスコープ2ガイダンスへの対応~を策定しました。

2.ガイダンスの概要

本ガイダンスは、温暖化対策や再エネ活用に熱心に取り組んでいる日本企業がグローバルな投資家等から適切な評価を受けるとともに、日本における温暖化対策の推進と再エネ投資の拡大に繋げることを目的として、下記6章の構成で策定しました。

第1章(はじめに)
本ガイダンスの策定に至った背景、目的及び想定する利用者等について説明。

第2章(GHGプロトコル「スコープ2ガイダンス」)
国際的イニシアティブにて、温室効果ガス排出量の算定方法として推奨されているGHGプロトコルスコープ2ガイダンスの概要について解説。

第3章(「スコープ2ガイダンス」に対応した電気の温室効果ガス排出量の算定)
日本の現行制度下での需要家によるGHGプロトコルスコープ2ガイダンスに則った電気の温室効果ガス排出量の算定方法について解説。

第4章(再生可能エネルギー(電気)の調達と価値の主張)
気候変動対策に関する情報開示・評価の国際的イニシアティブと国内の証書等の対応関係、日本の現行制度下における需要家の再エネ調達方法について解説。

第5章(再エネ証書創出・移転における注意点)
需要家が証書等を創出・移転した場合における注意点について解説。

第6章(おわりに)
再エネに関する動向の変化や各ルール、制度等の改正に応じて、今後適宜見直しを行っていく予定であることを記載。

関連資料

担当

産業技術環境局環境経済室室長 亀井
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電話:03-3501-1512(内線3453~3455)
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