平成31年3月15日(金曜日)
8時25分~8時36分
於:記者会見室

冒頭発言

今日は私からは特にございません。

質疑応答

英国のEU離脱

Q:ブレグジットの関連なのですが、昨日イギリスの議会がEU離脱の延期を可決しました。今後の日本企業の影響など、大臣の御所見をお願いいたします。

A:英国のEU離脱につきましては、英国時間の昨夜、議会において離脱期限の延期に関する採決が行われて、離脱期限の延期をEUに求める動議が可決をされたわけでございます。
ただ、離脱期限の延長幅や、延期についてのEU側の承諾が得られるかどうかなど、先行きは引き続き不透明だというふうに思っています。仮に離脱期限が延長されずに、ノーディールでの離脱となった場合には、日本企業の活動に対する影響は極めて甚大だというふうに思っています。
この英国のEU離脱をめぐる状況を、よく注視をして、そして日本企業への迅速な情報提供に努めていきたいと思いますし、また英国やEUに対しては、しっかりと日本の立場を伝え、日本企業に影響が出ないように、しっかりと働きかけを行ってまいりたいというふうに思っています。

米中貿易摩擦

Q:米中の首脳会談が当初の3月から4月以降に遅れるのではないかという見通しが強まっています。米中の貿易摩擦が長期化した場合について懸念が出ていますが、そうなった場合の日本の産業への影響をどのように御覧になっているでしょうか。

A:いずれにしろ、まだこれは交渉中の案件でありますし、どういった日程感で動くかというのも、なかなか見えてこないわけであります。米中という世界でGDP第1位、第2位の国の経済関係、貿易関係がどうなっていくかということは、これは我が国経済にとっても大きな影響のあることでありますので、引き続き注視をしていきたい、情報収集にも努めてまいりたいと思います。

トヨタ自動車の米国投資

Q:トヨタがアメリカでの新規投資、投資の増額を発表しました。日米の貿易協議にも影響を与える案件だと思いますが、その受け止めをお願いします。

A:個社の投資判断等について、一つ一つコメントをすることは控えたいと思います。
その上で、一般論として申し上げると、日系の自動車、そして自動車部品メーカー、またディーラーは、長年にわたってアメリカにおける企業活動を着実に進めてきているわけでありまして、今回のトヨタの発表もその一環だというふうに思っております。

キャッシュレス決済に伴うポイント還元

Q:キャッシュレスのポイント還元の事業者の仮登録が始まりましたけれども、改めてポイント還元策導入の意図と、逆に利用率を上げるためには9カ月ではちょっと足りないのではないかという声もありますけれども、その辺りいかがですか。

A:まず、今回は消費税引き上げに伴う駆け込み需要、反動減の平準化を図るという目的、また今回、10月1日を契機としたセールですとか、ポイント還元といったことを、今回は規制をしていないわけであります。そういった中で、資金力に劣る中小企業も、このポイント還元ということで、大手のセール等にしっかり対抗できるチャンスを作るということ、そしてもう一つは、世界に比べて、まだキャッシュレスの利用率が20%という低いレベルにある、この日本のキャッシュレスの状況を引き上げるということが重要だというふうに思って、それが今回のキャッシュレスに関して、中小企業のポイント還元を応援するという政策の目的であります。
応援をする支援策については、これは必ず、どこかで期限を設けざるを得ません。これは永遠に行っていては、消費税を上げること自体の意義が問われることになるわけであります。
今回は9カ月、終わった直後にはオリンピック、パラリンピックが行われて、特にインバウンドの需要とか、そういったことが望まれる。そういったタイミングに、今回の還元策を一つの区切りを付けるということで、その時点での激変を緩和できるのではないかというふうに思っております。
9カ月間とはいえ、今回、端末の支援等も手厚く行わせていただいております。キャッシュレス端末などが中小、小規模の小売店等に普及するということは、それだけ受け皿ができて、それはずっとその後も残っていくわけであります。今回の政策の効果が9カ月で途切れるというものではなくて、この9カ月を契機に日本のキャッシュレスが広がっていくことを期待したいと思っています。

コンビニ営業関連

Q:ちょうど昨日、参議院の経済産業委員会で出ていたので、コンビニの関係について聞かせてください。
一つ目はコンビニのオーナーの労働者性についてなのですけれども、地労委のレベルでは、労働者性を認めるような判断が出ているのですが、近く中労委の方でも何らかの判断が出るのではないかと言われていて、一体全体コンビニオーナーは労働者か、経営者かという問題について、どういうふうにお考えでしょうか、これが一つです。
二つ目はコンビニ会計についてなのですけれども、オーナーを呪縛して、要は長時間労働をするとか、あるいは廃棄の問題の根源というのは、コンビニ会計にあるのではないかという指摘があるのですが、要は人件費とか、あるいは廃棄に回ったコストというのを経費に回さないで粗利を出して、本部が着実に回収するというシステムだと思うのですけれども、これは問題はあるとお考えなのかどうか。
それから、コンビニ調査2018、昨日、私も初めて知ったのですけれども、これの目的と公表の時期、あるいは今後、政策にどう生かしていくのか、この3点をお願いします。

A:まず、コンビニの経営者の位置付けについては、地労委で一定の判断が示され、そして今、中労委で議論が行われているというふうに認識をしておりますけれども、いずれにしても、これは経済産業省の所管外でありますので、その判断等について申し述べることは、控えさせていただきたいというふうに思います。
いわゆるコンビニ会計というものでありますけれども、これについては今、例えば廃棄の費用をフランチャイズ本部が負担をする、最大では55%程度、負担をしているというような例も出てきています。あるいは見切り販売という、期限の迫ったものを値下げをして売るということも、フランチャイズ本部によって、これは一時期は禁止をされていたわけであります。それが公取によって、その禁止がおかしいという判断が示されて、見切り値下げについては、それぞれコンビニの店舗のオーナーの判断によって、できるようにもなってきているというわけであります。
そういう意味で、状況はかなり変わってきているのではないかと思いますし、またコンビニというのは、非常にブランドのイメージが重要であります。今、フードロスというのは、ある意味、大きな社会的問題にもなってきているわけであります。SDGsの大きなテーマ、世界の視点で見れば大きなテーマであります。そういったところにフランチャイズの本部が熱心に取り組むということも、これは企業の社会的責任として極めて重要ではないかというふうに思っています。
また、今、行っているコンビニの調査、これは3月24日が期限ということになりますけれども、いろいろコンビニにまつわる、いろいろな議論が起こっている中で、ただでさえ、お忙しいコンビニの経営者になるべく負担をかけることなく、しかし一方で、フランチャイズ本部に対してどういう思いを持っていらっしゃるのかとか、なるべく簡単に取とれるアンケートということで、今回やらせていただきました。
この結果は、できるだけ早いタイミングで、取りまとめれば公表もしたいというふうに思っていますし、その結果を踏まえて、もし必要であれば、さらに深い調査はやってみたいというふうに思っています。経済産業省としても、社会のインフラとなっている、そしてまた、災害等のときには大変お世話になっているコンビニの実態把握ということについては、引き続き努めてまいりたいというふうに思います。
また、コンビニ本部と小売店オーナーは決して敵対関係ではないわけであります。コンビニ本部があるからこそ、オーナーも経営ができているという面もありますし、コンビニ本部からすれば、オーナーの皆さんが頑張っていただけるから経営が成り立っているわけでありまして、コンビニ本部とそれぞれ店舗のオーナーさんが、共存共栄ができるような形になっていくことが望ましいというふうに思っています。

経団連中西会長の発言

Q:エネルギーに関する議論の場の件なのですけれども、経団連の中西会長が、今週、エモーショナルな人とは議論しないという発言がありまして、率直な受け止めと、経団連としては4月にエネルギーの活用の考え方をまとめる予定ですけれども、それを受けて政府として議論する、意見交換をする可能性があるか。

A:中西会長は、私もよく存じ上げている大変立派な経営者であります。日立に関しても、コーポレートガバナンス改革など徹底して行われている、私は、大変オープンでフェアな方だというふうに思っています。
また、エネルギーに関しても、この2050年に向けての戦略作りのときに、有識者として参画をされました。この模様は、全部、議事録も公開をされておりますので、よく見ていただきたいと思いますが、例えば原発に距離を置いている方の意見にも、しっかり耳を傾けて、本当にフェアでオープンな議論に、大変な御貢献を頂いただいたというふうに思っております。
その中西会長が、何か特定のグループの方々の意見を封じるとか、そういうことは考えておられるわけもないというふうに思っております。

以上

最終更新日:2019年3月15日