【記者】本日米朝の首脳会談が行われました。受け止めをお願いします。

【河野外務大臣】2回目の米朝首脳会談でしたが,残念ながら非核化に関する合意に至らなかったというのは残念ではありますが,トランプ大統領が北朝鮮の完全な非核化,さらにあらゆる射程のミサイルの廃棄といったことを引き続き要求し,北朝鮮が残念ながらそれに今回答えることができなかったということでありますが,引き続き国際社会として一致団結してこの問題の解決に向けた努力を続けていきたいと思っておりますし,今回のトランプ大統領あるいはアメリカ側の判断というものをしっかりと支持して参りたいと思います。

【記者】拉致問題については,どのような話が行われたんでしょうか。

【河野外務大臣】その件については,トランプ大統領から安倍総理に電話があると思いますので,おそらくその中でトランプ大統領から安倍総理に詳しい説明があるものと思っております。

【記者】日米外相の電話会談は,ご予定はいかがでしょうか。

【河野外務大臣】ポンペオ国務長官がフィリピンの訪問をこのあといたしますので,その中で行いたいと思っております。

【記者】早ければ明日,今日の夜にはもうなさそうということ?

【河野外務大臣】そこがだいぶ今回の米朝会談の時間立てが変わってきましたので,ちょっとどういう時間立てになるか,まず大統領と総理の電話会談が行われ,そのあと何らかのタイミングでいきたいと思います。

【記者】大臣は米国の判断,トランプさんの判断を支持するべきとおっしゃいましたけれども,どういった理由で支持されるか,お願いします。

【河野外務大臣】国際社会としては,核を含むあらゆる大量破壊兵器のCVID,並びにあらゆる射程のミサイルのCVIDというのを求めているわけで,それを追求しようとしているトランプ大統領の判断を日本としてしっかりと支持していきたいというふうに思います。

【記者】金正恩(キム・ジョンウン)委員長は今後核実験やミサイルの実験を行わないというふうに約束をしたとトランプ大統領が記者会見で明らかにしてるんですけれども,その辺についてどのように評価されますか。

【河野外務大臣】だからいいというわけではなくて,やはり非核化というもの,あるいは大量破壊兵器を完全に廃棄をする,あるいはあらゆる射程のミサイルを廃棄するというところをしっかりとトランプ大統領は追求をしていくということでありますので,我々としても国際社会,一致団結してこれからも努力を続けていきたいというふうに思います。

【記者】当初は非常に両首脳が和やなムードで始まって融和ムードがただよっていたかと思うのですが,アメリカ側もジョイントアグリーメントのセレモニーの用意をしていたようなのですが,こういった形で突然キャンセルになったということについてはどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

【河野外務大臣】会談ですから,個人的には和やかにスタートする,今回がおそらく最後ではなくて,また,何らかの機会に首脳会談が行われるということもあると思いますから,そういうことなんだろうというふうに思います。ただ,米朝の非核化,あるいはミサイルに関する考え方の隔たりが大きかったということなんだろうと思います。

【記者】関連して,次の首脳会談にも今言及されましたけど,今回実務者での積み上げが不足していたとの指摘がありますけど,そのあたりのことで,3度目があるとすればどういう状況が必要だと思われますか。

【河野外務大臣】3度目については,これはなんとも言えないだろうというふうに思います。なかなか実務者協議を積み上げてという状況ではなかったということなんだろうと思います。それは北朝鮮側のスタイルが,これまではそういうスタイルだったのかなとふうにも思いますが,これで非核化のプロセスが終わるわけではないと思いますので,ポンペオ国務長官,あるいはビーガン代表が引き続き北朝鮮と交渉を続けるということのようですので,しっかり我々としてはそれをサポートしていきたいというふうに思います。

【記者】今回北朝鮮側は制裁の完全な解除を求めたということですけれども,これは日本として認められる余地がある要求なのかどうかということをお聞かせください。

【河野外務大臣】国際社会は,大量破壊兵器あるいはミサイルのCVID,これに向けて動きがない限り経済制裁は,安保理決議に基づいたそうしたものは維持されると考えておりましたので,今後そういう方向へ向けて北朝鮮が決断をすれば,ベトナムの発展ぶりを金正恩委員長もご覧になっていると思いますので,そういう判断を早期にされることを望みたいと思います。

【記者】会談の中で,北朝鮮側は非核化に向けてどういうふうなことを示したと報告がありましたか。

【河野外務大臣】会談の中身を私から申し上げるわけにはいきませんので,それはアメリカ側なり北朝鮮側の発表を待っていただきたいというふうに思いますが,トランプ大統領は,国際社会の要請する大量破壊兵器あるいはミサイルのCVIDを引き続き追求するということだと思います。

【記者】会談の途中で記者団から問われた金正恩委員長は,非核化の意志があると,であるからこそここにいる,という言い方だったのですが,その本気度については,今回の会談の結果を受けて,どのように思われますか。

【河野外務大臣】第3回の会談が行われるとするならば,北朝鮮が何らかのそれに向けた現実的な動きするということになると思いますので,我々としては今の状況を放置することはできない,容認することはできない,と思っておりますので,国際社会としっかり連携をして,北朝鮮には明るい未来をしっかりと認識をし,それを踏まえた判断をしていただきたいと思います。

【記者】拉致問題を含む日朝交渉については,米朝協議と平行して進めていくお考えですか。

【河野外務大臣】様々なルートで北朝鮮とはやり取りをしています。それを否定するものではありません。

【記者】先ほどポンペオ長官は,一定の前進があったと,合意に近づいていると述べましたが,どの辺に前進があったとお考えですか。

【河野外務大臣】会談の中身は私から申し上げるわけにはいきませんので,それはおそらくアメリカ側から何らかの中身について今後発表があろうかと思います。日本側としては会談の中身について様々事前にもすり合わせをしてまいりましたし,ポンペオ長官とは先頃,先日に電話会談を行いましたので,アメリカの方針というのは承っておりますが,アメリカ側からそこについてはいずれ発表があると思います。