(H31.2.19(金)9:44 ~ 10:02 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私から冒頭お話をいたします。毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会の開催についてであります。実質賃金は、毎月勤労統計の労働者全体の水準を表す本系列において毎月公表しています。一方、平成301月より、「前年同月分」と「当月分」ともに集計対象となった調査対象事業所、要はローテーションサンプリングをしてなお、調査対象の事業所、いわゆる「共通事業所」について、名目賃金などの前年同月比を公表しています。この「共通事業所」の賃金の集計値については、統計ユーザーの多様なニーズに対応するため実質賃金も示すことを求める意見がみられます。一方で、実質賃金を示すためには「共通事業所」の集計値の特性に起因する課題など様々な論点もあります。このため、毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる様々な論点について、統計的な観点からの専門家により、課題を整理する場として「毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会」を開催することとしました。構成員はお配りしている資料のとおりですが、詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。私からは、以上です。

質疑

記者:
この検討会についてお伺いします。この検討会の今後の検討スケジュールと検討会に期待すること、これが二点目。三点目として、この構成員はこれまで厚労省として実質賃金に関してご意見を伺ってきた先生を含むのでしょうかということをお伺いできますでしょうか。
大臣:
まず、スケジュールについてはできるだけ早期に結論を出していただきたいと考えておりますが、一方で委員の方々には専門的な観点から課題を整理していただくようにお願いしたいと考えております。そして、委員については統計の専門家、毎月勤労統計のユーザー側の立場からバランス良く人選をいたしました。また、内諾を得ているものの、ご所属先の事情により、現時点では公表できない構成員も第1回までには公表できるようにしたいと思います。
記者:
統計問題の関連ですが、野党はローテーションサンプリングの導入の背景に官邸の影響や圧力があったのではないかと問題視していますが、当時の状況を調査や検証するお考えはあるのでしょうか。
大臣:
官邸の影響というのは全くありません。元々この毎月勤労統計については、2年から3年にいっぺん総入れ替えをするので段差が生じる、これについての問題点は今までも色々な課題が提起されていました。そして、あの時点での検討は、平成26年に統計に関してはそれぞれの統計を改めて検証しましょうというのはすでに決められてあって、そして、毎月勤労統計については27年に今まで諮問されていない統計についての検証をしましょうということで、27年にレビューしようとなっていたので、我々も従前から問題意識を持っていたので毎月勤労統計の改善に関する検討会を立ち上げたと、こういう経緯ですから、極めて専門的・客観的な立場でこの議論はしていただいたということが経緯であります。
記者:
すみません、その改善の検討会が中間取りまとめでその後開催されていないということもあったので、その辺りがなぜなのかとか、そのまま統計委員会で最終的にローテーションサンプリングが決まったであるとか、その辺の経緯はなぜなのかなという疑問が残るのですが。
大臣:
検討委員会では、第5回会合の中で統計の専門家から部分入れ替え方式、要はローテーションサンプリング、これも有益である旨の委員の発言もあったので、第6回の中間整理案でサンプルの入れ替え方法は引き続き検討という整理をされていました。そして、その後、統計委員会での議論になっておりますので、要は中間整理案が示されて、その後、統計委員会に本格的に検討の場が移って、そして、その統計委員会で検討されたと、これが、経緯になっています。    
記者:
冒頭に発表がありました共通事業所の検討会についてなのですが、第1回目の開催予定についてと、統計委員会という組織も統計についての専門家組織だと思うのですが、それとは別にこうした有識者による検討会を立ち上げる意味について教えてください。
大臣:
まず、第1回目については週内を目処に可及的速やかに開催したいと思っております。そして、統計委員会の関係で言えばこれは毎月勤労統計は厚生労働省が所管している統計でありますので、まずは厚生労働省のもとで専門家を参集してしっかりとご検討いただきたいと考えています。そして、統計に関わることであるので総務省とも十分連携を図っていきたいと思います。
記者:
賃金の実質化の公表についてですが、野党からこの公表の先送りですとか、そのまま公表しない可能性もあるのではないかという指摘もありますが、実際に公表自体はされるということでよろしいでしょうか。
大臣:
これについては、私はかねてから申し上げておりましたが、共通事業所を実質化するというのは、要は時系列でものを見る、指数化をするということとほぼ同じ意味だと思いますが、時系列でものを見るということについては色々な課題もありますし、すでに共通事業所の持つ特質とは何かとか、あるいはまだ12ヵ月しか蓄積されていないとか色々な課題があるので、これは統計の専門家にしっかりと整理をしてもらった方がいいということで、今回統計の専門家に検討をしていただくことにしたということであります。そして、公表するか、つまりどういう結論になるかはこれからですから、それは今のご質問については少し趣旨がややわからないところがあったのですが、それはこれからの検討会でどういう検討がなされるかと、しかも、これはオープンでやりますからその検討会に基本的に私は委ねたいと、そこも結論も含めて検討会で整理をしてもらいたいと思っております。
記者:
児童虐待の関係なのですけれども、子どもに対する体罰を児童虐待防止法や児童福祉法で禁止すべきだという議論がありまして議員の間で要望があるみたいなのですけれどもそれに対する大臣のご見解をお願いいたします。
大臣:
体罰に関しては、もともと、児童虐待防止法14条1項において、親権者はその親権の適切な行使に配慮しなければならない。そして第2項において、親権者であることを理由として児童虐待に係る暴行罪、傷害罪等の責めを免れることはない、これは従来そういう規定をしていました。そういう規定をしていましたが、それにもかかわらず、しつけを名目とした児童虐待が後を絶たない実態を踏まえて、これを抑止する観点から、平成28年に法律を改正しました。児童虐待防止法の改正の中で、従来の14条1項を改正して、親権者は、児童のしつけに際して、監護・教育に必要な範囲を超えて、児童を懲戒してはならないという旨を法律に明記しました。これは平成28年の法改正であります。そしてさらに、体罰によらない育児を推進することは重要ですから、啓発資料として「愛の鞭ゼロ作戦」を策定して、乳幼児健診や保育所等で配布するなどしています。これによって、子育てに体罰や暴言を使わないことや、育児の負担を一人で抱え込まず、自治体等に相談を行うこと等について周知を行っています。そして今のご質問ですが、今般、与党において児童への体罰禁止を法律上規定すべきという議論もありますので、今国会に提出を予定している法改正案については、そのご議論も踏まえながら、これは民法の懲戒権との整理が必要なので民法の懲戒権との関係整理等も含めて、法務省ともよく協議しながら検討していきたいと思います。    
記者:
共通事業所の検討会の件で確認をさせてください。これは設置はいつということになるのかということと、あと座長の先生などはもう決まっているのか、またいつ頃までに結論を出してほしいというような最終的なところで大臣としてはどのようにお考えかというのをお願いいたします。
大臣:
検討会の設置は21日付で設置をします。そして検討会の座長、これは第一回の会議で検討委員会の互選により決定されます。スケジュールについてはできるだけ早急に結論を出していただきたいと考えていますが、一方で委員の方々には専門的な観点から課題を整理していただくようお願いしたいと考えています。
記者:
毎月勤労統計の関係で2015年8月の素案では総入れ替え方式でという意見集約が明確にされていますが、その後9月の中間整理案で部分入れ替え方式検討ということが打ち出されています。この間の経緯については大臣はお調べになっていますでしょうか。
大臣:
第5回と第6回の議事録を読んでいただければと思います。第5回の議事録の中である委員から、まあ議事録に書いてありますが、サンプルつまり部分入れ替え方式も有益である旨の委員の発言があって、それが第6回の中間整理にその委員の発言が、そういう文言が盛り込まれている、そしてサンプルの入れ替え方法は引き続き検討、こういうことで記載して提示していたものと承知をしています。
記者:
委員からは有益である発言があったことを受けて阿部座長は5回の検討会で他に意見はないですかと聞いた上で総入れ替え方式という意見集約を図っていたと思うのですが、その上でなぜ6回で変わるのかという疑問には明確なお答えがないと思うのですが。
大臣:
これは私がやはり第5回と、これが阿部検討会の議論ですから、第5回、第6回の議事録にそれが私はその旨書いてあると理解して承知しております。   
記者:
阿部座長は朝日新聞の取材に対して委員以外からの意見を聞いて部分入れ替えについても検討することになったというふうにお話されていますが、それではその委員以外というのはどなたからの意見があったのでしょうか。
大臣:
阿部座長の発言の真意についてはご本人から確認できておりません。座長の見解あるいはこの委員以外の誰かなどに対するコメントを私は差し控えたいと思います。
記者:
ではその間の経緯について改めて確認する必要性は大臣は感じられませんか。
大臣:
私、繰り返しになりますが、阿部座長の発言の真意についてはご本人から確認できておりません。座長の見解、他の委員誰かのこの委員以外の誰かなどに対するコメントは差し控えたいと思います。
記者:
国会でもそこをめぐって検討会をめぐってかなりやりとりがありますので、その間の経緯について改めて調査する考えはありませんでしょうか。
大臣:
今、私は、阿部座長の発言についてコメントを差し控えたいと申し上げましたので、繰り返しは避けます。私がコメントした、答弁したとおりであります。
 

(了)