2019年2月19日

2019年4月1日より、日本国特許庁とベトナム国家知的財産庁(IP Viet Nam)との間で実施されている特許審査ハイウェイ(PPH)の対象件数が倍増します。

1.背景

ベトナムでは、近年ビジネス環境の整備が進み、自動車・電子・電気関連をはじめとする企業が多く進出しております。このような企業が円滑にビジネスを行うには、特許権を活用することが必要ですが、ベトナムの特許審査には長い時間がかかっており、ベトナム国家知的財産庁(IP Viet Nam)が出願を受け付けてから最初に審査結果を出すまで平均3年以上を要しています。

このような状況を踏まえ、日本国特許庁は、2016年4月1日からIP Viet Nam(※当時の組織名称はNOIP)との間で特許審査ハイウェイ(PPH)※1の試行を開始しました。これにより、日本で特許審査を受けた者がベトナムで早期に特許権を取得することが可能になりました。IP Viet Namに対してPPHの申請がなされた出願については、平均約10か月で審査結果が出されています。

しかしながら、これまでIP Viet Namが受け付けるPPH申請の件数は、年間100件に限られておりました。このため、過去3年間、日本からベトナムへのPPH申請はいずれも早期(2018年度はPPH申請の受付開始から2日)にこの上限に達しており、上限の引き上げがユーザーから強く求められていました。

※1 第一庁(出願人が最先に特許出願をした庁)で特許可能と判断された出願について、出願人の申請により、当該庁とこの取組を実施している第二庁において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組み。

2.日ベトナム間のPPH(2019年4月1日以降)

日本国特許庁とIP Viet Namは、2019年4月1日から、IP Viet Namが受け付ける申請の上限を年間100件から200件に倍増させて、PPHの試行をさらに3年間実施することに合意しました。

なお、申請の上限については、年間200件との上限に加えて、さらなる制約(例:半年間で〇〇件等)が課される可能性があります。詳細な条件については、確定され次第、特許庁ホームページにてお知らせします。

日本国特許庁が受け付けるPPH申請の件数には、従来どおり制限はありません。

3.ベトナムとのPPHによるメリット

IP Viet NamにPPH申請を行った出願は、IP Viet Namにおいて早期審査を受けられます。特許審査に長い時間がかかるベトナムでも、PPH を利用することで早期に特許権を取得することが可能となります。

担当

特許庁 審査第一部 調整課 審査企画室長 嶋田
担当者:安居
電話:03-3581-1101(内線 3103)
03-3580-5898(直通)