2019年2月8日
経済産業省は、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」及び「ドラッグストアスマート化宣言」に基づき、平成31年2月12日より、電子タグを用いた情報共有システムの運用の実験を行います。メーカー・卸売・小売・家庭などのサプライチェーンの様々なプレーヤーが実験対象商品に貼付された電子タグを読み取り、取得したデータを連携することで、在庫の可視化や食品ロスの削減などの社会課題の解決を目指します。
1.背景
国内の消費・流通に関わるメーカー、卸売、小売事業者は、人手不足と労務コストの上昇に直面しています。また、大量生産、多頻度配送を支える精緻なロジスティクスが実現されている一方、サプライチェーン全体としては食品ロスや返品といった様々な課題が生じています。
こうした課題に対応するため、経済産業省は、平成29年4月にコンビニ各社と「コンビニ電子タグ1000億枚宣言(※1)」を、平成30年3月に日本チェーンドラッグストア協会と「ドラッグストアスマート化宣言(※2)」を策定し、RFID等を活用した次世代のサプライチェーンに関する指針を示しました。
本事業は、これらの宣言が目指す「サプライチェーンでの情報共有」を実現するため、サプライチェーン情報共有システムを構築し、運用の実験を行うことで、情報共有を行う際のデータフォーマットやルール等の検討を行うものです。
※1:コンビニ電子タグ1000億枚宣言
※2:ドラッグストアスマート化宣言
2.事業の内容
本事業では、電子タグ等のIoT関連技術を用いて、以下の3点の実験を行います。
(1)サプライチェーンのプレーヤー間の連携
昨年度の実験(※3)と同じく、メーカーまたは物流センターにおいて実験対象商品に電子タグを貼付し、流通過程で入出荷される際に電子タグの読取を行い、当該データを実験用に構築した情報共有システムに蓄積することで、在庫情報の可視化を行います。さらに、今年度の実験では、実験に御協力いただくモニター家庭においても電子タグの読取を実施いただき、電子タグの家庭内での活用方法や新サービスについても検討を行います。
※3:IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業/電子タグを用いたサプライチェーンの情報共有システムの構築に関する研究開発
(2)店舗と生活者との連携
本実験に御協力いただくコンビニエンスストア及びドラッグストアにおいて、電子タグを用いた以下2つの取組の検証を行います。
ダイナミックプライシング |
商品棚に設置されたリーダーが自動的に電子タグを読み取ることで消費・賞味期限が迫っている商品を特定し、当該商品を購入すると現金値引きまたはポイント還元を行う旨を実験参加者へ通知を行うことで、食品ロスの削減を促す取組 |
広告最適化 |
来店者が手に取った商品の電子タグを読み取り、商品棚に設置されたサイネージから当該商品の情報等を流す取組 |
(3)電子タグを用いた家庭内サービスの体験
本事業において、2018年12月にアイデアソン・ハッカソンを実施し、商品に電子タグが貼付されると家庭内でどのようなサービスが生まれるかについて検討を行いました。その検討結果を踏まえて、「ひと・もの・いえがつながる未来」をテーマに、IoTによって新たに生まれる家庭内サービスのアイデアを「東京ガス横浜ショールーム」において展示させていただきます。
また、上記展示とは別に、経済産業省本館1階ロビーにおいても、電子タグを読み取ることができる冷蔵庫の展示を実施いたします。
上記の実験・展示内容の詳細は別添「実験概要」を、各取組の参加・体験方法は別添「実験の参加方法・展示の体験方法」を御確認ください。
3.実験の詳細
(1)事業名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業(国内消費財サプライチェーンの効率化)」
(2)実験期間
平成31年2月12日~28日
(ただし、ウエルシア千代田御茶ノ水店の実験のみ、貼付可能な全ての商品に電子タグを実装するため、平成31年2月15日に実験開始)
(3)実験店舗
ウエルシア 千代田御茶ノ水店
ココカラファイン 清澄白河店
ツルハドラッグ 目黒中根店
ミニストップ神田錦町3丁目店
ローソン ゲートシティ大崎アトリウム店
(4)電子タグを用いた家庭内サービスの展示場所・期間
東京ガス 横浜ショールーム くらしのライブラリー キッチンライブラリーコーナー
展示期間:平成31年2月12日~28日
経済産業省本館1階ロビー
展示期間:平成31年2月下旬~28日
(5)協力事業者等
委託事業者 | 大日本印刷株式会社 |
店舗協力 | ウエルシア薬局株式会社 株式会社ココカラファイン 株式会社ツルハ ミニストップ株式会社 株式会社ローソン |
物流協力 | 国分グループ本社株式会社 株式会社日立物流 三菱食品株式会社 |
卸売協力 | 各担当の卸売事業者 |
商品協力 | アサヒグループ食品株式会社 江崎グリコ株式会社 大塚製薬株式会社 花王株式会社 花王グループカスタマーマーケティング株式会社 株式会社カネボウ化粧品 カルビー株式会社 キリンビバレッジ株式会社 株式会社コーセー サンスター株式会社 サントリーコミュニケーションズ株式会社 日清食品株式会社 日本コカ・コーラ株式会社 株式会社ファンケル プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社 山崎製パン株式会社 ライオン株式会社 |
展示協力 | 東京ガス株式会社 |
システム・機器協力 | アイレット株式会社 アスノシステム株式会社 株式会社アドインテ 株式会社ヴィンクス 株式会社ウエルキャット エイブリィ・デニソン・ジャパン株式会社 大阪シーリング印刷株式会社 オムロン株式会社 慶應義塾大学SFC研究所 株式会社サトー シャープ株式会社 帝人株式会社 東芝テック株式会社 凸版印刷株式会社 株式会社デンソーウェーブ 日本電気株式会社 日本パレットレンタル株式会社 日本マイクロソフト株式会社 パナソニック株式会社 富士通フロンテック株式会 マスプロ電工株式会社 LINE Pay株式会社 株式会社ZMP |
調査・データ分析協力 | 株式会社インテージ |
業界団体・標準化団体 | 一般社団法人日本自動認識システム協会 日本チェーンドラッグストア協会 一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan) .NET流通システム協議会 |
有識者 | 慶應義塾大学環境情報学部 三次仁研究室 東京大学大学院工学系研究科 矢谷浩司研究室 |
コンサルティング協力 | みずほ情報総研株式会社 三菱UFJリサーチ&コンサルティング |
関連資料
関連リンク
担当
商務・サービスグループ 消費・流通政策課長 永井
担当者:田村、加藤
電 話:03-3501-1511(内線 4161~4)
03-3501-1708(直通)