1. 1 1月31日(現地時間同日),イタリア共和国のローマにおいて,我が方片上慶一駐イタリア大使と先方ジョゼ・グラツィアーノ・ダ・シルバ国連食糧農業機関(FAO)事務局長(Dr. José Graziano da Silva, Director-General, Food and Agriculture Organization of the United Nations)との間で,8億9,100万円を供与限度額とする無償資金協力「イエメンにおける深刻な食糧不安を抱える世帯への農業生計支援計画」に関する交換公文の署名式が行われました。

    2 イエメンでは,政治危機により人道状況が悪化しており,国連の報告によれば,人口の6割にあたる約1,780万人が支援を必要としており,うち約880万人は深刻な食料不足,約290万人は深刻な栄養不足状態にあります。

    3 この協力は,イエメンの5県(ライマ県,ダマール県,タイズ県,アビヤン県及びダーリア県)において,政治危機により生計に影響を受けた農家へ種子や家畜の供与,灌漑設備の整備及び農業用水路の改修を実施するものです。この協力を通じて,農家の約9,700世帯の農業生産が強化され,また,家畜及び家畜用飼料の供与により農家約3,500世帯の生計が向上することなどが見込まれます。この協力により,農業開発及び食料増産を図り,もって人道状況の改善に寄与することが期待されます。

    [参考]イエメン共和国基礎データ
     イエメン共和国の面積は55.5万平方キロメートル(日本の約1.5倍弱),人口は約2,825万人(2017年,世界銀行),1人当たりの国民総所得(GNI)は1,030米ドル(2016年,世界銀行)。