1. 1 本29日,シンガポールにおいて,サイバーセキュリティに関するARF会期間会合(ARF-ISM on ICTs Security)のための第3回専門家会合(open ended Study Group on Confidence Building Measures (SG))が開催され,日本からも山口宇宙・サイバー政策室長をヘッドとする代表団が参加し,日本,マレーシア及びシンガポールが共同議長を務めました。

    2 この専門家会合は,信頼醸成措置及びサイバーセキュリティに関する幅広い問題に対処するための提言を作成し,本年3月に開催が予定されている上記のARF会期間会合に提出するために開催されたものです。

    3 今次会合では,地域的・国際的なサイバーセキュリティ環境に対する見方や各国・地域の取組について意見交換を行った上で,今後取り組むべき信頼醸成措置について議論しました。

    4 また,本年立ち上がる予定の国連サイバー政府専門家グループ(GGE)が,ARFを含む地域的枠組みと会合の前に協議を行うことになっていることを踏まえ,ARFの役割についても意見を交わしました。

    [参考1]ARF-ISM on ICTs Security の概要

    (1)ARF(ASEAN地域フォーラム)は,政治・安全保障問題に関する対話と協力を通じ,アジア・太平洋地域の安全保障環境を向上させることを目的としたフォーラムで,1994年から開催。

    (2)ARFには,分野別にISM(Inter-Sessional Meeting,会期間会合)があり,(ア)海上安全保障,(イ)災害救援,(ウ)テロ対策・国境を越える犯罪対策,(4)不拡散・軍縮について分野毎に具体的な協力を推進してきた。

    (3)世界中でサイバー攻撃が多発し,サイバー攻撃対処への重要性が一層高まる中,日本はマレーシア,シンガポールとともに「サイバーセキュリティに関する会期間会合(正式名称は「ASEAN Regional Forum Inter-Sessional Meeting on Security of and in the Use of Information and Communications Technologies」)」の立上げを提案し,2017年8月のARF閣僚会合において,全会一致で承認された

    (4)このISMは,ARFにおけるサイバーセキュリティに関する諸問題を総括して議論する場として,ARFワークプランの包括的な実施を通じてARFメンバーの協力を強化し,平和で安全で公正かつ協力的なサイバー環境を発展させ,能力構築を通じた相互の信頼醸成の促進により紛争や危機の防止に寄与する。

    (5)今後,第26回ARF閣僚会合に向け,第4回専門家会合を実施した上で第2回会期間会合を実施し,ARF閣僚会合に提出されるサイバーセキュリティに関する提言案が検討される予定。

    [参考2]ARFメンバー国等

    ASEAN ブルネイ,インドネシア,マレーシア,タイ,フィリピン,シンガポール,ベトナム,ラオス,ミャンマー,カンボジア)
    非ASEAN 日本,米国,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,パプアニューギニア,韓国,北朝鮮,モンゴル,中国,ロシア,インド,パキスタン,東ティモール,バングラデシュ,スリランカ
    EU