ベネズエラ情勢

【読売新聞 梁田記者】ベネズエラの情勢の関係であらためて日本の姿勢を伺います。先般アメリカのボルトン大統領補佐官が,「すべての選択肢はテーブルの上にある」と軍事的な介入を示唆するような発言をしています。一方で,ロシアなどの国は,これはアメリカの不当な内政干渉であるというような反発もしていて,国際的な問題になるような様相を呈してきているんですが,現下の状況に対する懸念は,先日の記者会見で大臣も示されていますが,大統領と暫定大統領の間で,どちらの大統領を支持する姿勢をとるのかということと,日本としてはどういった形で現下の状況を改善する行動をとるべきとお考えか,その2点を伺えればと思います。

【河野外務大臣】ベネズエラの現下の状況は極めて不正常であると思っておりまして,憲法に則った民主主義を回復することがベネズエラにとって急務だろうと思っております。日本といたしましては,そうした状況の中,200万人を超えるベネズエラ国民が周辺国にいわば避難,あるいは難民と言ってもいいのかもしれませんが,そういう状況で流出している。そして周辺国がその支援をしてくださっていることを非常に重視しておりまして,周辺国をしっかり支えるということと同時に,ベネズエラに対して200万人もの国民が至急国内に戻れるような状況を,きちんとつくり出すということが何よりも大切だと考えております。政治的状況については,極めてこの問題を重視していきたい,注視していきたいと思っております。

【NHK 奥住記者】今のベネズエラの関連で改めて確認ですが,今,各国が支持や承認を相次いで表明していますが,日本として,どちらかの支持あるいは承認を表明するお考えはないということでしょうか。

【河野外務大臣】日本として,ベネズエラが憲法に則った民主主義を回復することが大切だと思っております。

韓国政府による「和解・癒やし財団」設立許可の取消決定

【産経新聞 力武記者】韓国政府が「和解・癒やし財団」の設立許可取消しを通知しました。日本側はこれまで日韓合意の着実な履行を求めてこられたと思いますが,この通知を受けて,日本政府がどのように対応するおつもりなのかということ,すでに対応されたものもあれば,それも含めてお願いします。

【河野外務大臣】韓国政府がこの日韓合意を今後も尊重していくと理解をしております。この財団の活動は,この日韓合意の中で極めて重要な部分でございますので,韓国政府には,引き続き日韓合意をしっかりと履行していただきたいと考えております。

旧朝鮮半島出身労働者問題

【日経新聞 林記者】韓国に関連して,元徴用工訴訟では,日本が政府間協議を求めてからすでに3週間ほどたっていますが,まだ韓国政府は応じていない状況で,今後の対応というか,いつまで待つお考えなのか教えてください。

【河野外務大臣】韓国政府がこの請求権協定に基づいて,粛々と協議に応じるものと考えております。

米朝首脳会談

【共同通信 福田記者】2月末に予定されている米朝首脳会談についてお伺いします。完全な非核化を実現するには,検証可能な申告リストが必要だとアメリカ政府が主張してきましたが,大臣の現時点でのご認識はどうかお聞かせください。

【河野外務大臣】特に何事も変わっておりません。

安倍総理大臣の施政方針演説

【共同通信 斎藤記者】安倍総理の施政方針演説についてお伺いします。安倍総理は安全保障のくだりで,「我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。いまこの瞬間もこれまでとは桁違いのスピードで,厳しさと不確実性を増している現実があります」と指摘されています。一方で肝心の日米同盟については「かつてなく強固なものになった」と,日中関係については「完全に正常な軌道へと戻った」と,日露関係については「両首脳の信頼関係に基づき,平和条約交渉を加速する」,日朝関係については「私自身が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と直接向き合う」と話しているわけで,印象としては,外交・安全保障環境は改善しているとも受け止めるわけです。
 そこで,お伺いしたいのは,安倍総理が言っている「桁違いのスピードで厳しさと不確実性を増している」というこの情勢認識,これを大臣も共有されているのかどうか。もし共有しているとすれば,その「桁違いのスピードで迫る厳しさと不確実性」とはいったい何を指しているのか,この点についてご見解をお伺いしたいと思います。

【河野外務大臣】北朝鮮の核・ミサイルの脅威は,これは依然として存在するわけでございますし,米露のINF条約については,いま様々な事態が進行しております。そうした早いスピードで世の中の状況が変わっているという中で,日本としてもしっかりと国を守るために必要なことはやっていかなければいけない,そういう決意を述べられているものというふうに思っております。

中東外交

【毎日新聞 秋山記者】大臣,以前から中東外交に関しては4原則ということをおっしゃっていて,そのうち政治的な取組の強化ということも掲げてられておりますが,いまちょうどカタールのタミーム首長が来日中で,カタールは依然としてサウジ,UAE等周辺国との軋轢を抱えたままと。そのことについて,今後日本としてどういう取組をしていくおつもりか。
 もう一つ,ポンペオ国務長官が先般,ワルシャワでイランに関する国際会議を開くと。これについて日本として現在参加する意向があるのかどうか。もう一点,アメリカがあたかもイランに対する強硬策を許可するものであるようなことも,ポンペオ長官の発言から伺えるのですが,周辺国,ヨーロッパ諸国等,やや懸念を示している状況で,大臣はこの会議自体の開催意義について,どういったものであるべきとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】ポンペオ長官からこの会議についての話はございましたが,まだ内容について詳細を承っておりませんので,内容をいただいてから,そこは検討をしたいと思いますが,国会の予算委員会の部分もありますので,日本からどういう形で出席をするかということを含め,検討をしたいと思っております。
 カタールとは先ほど外相間の戦略対話に関する覚書に署名をいたしまして,カタールとの間で戦略対話をスタートすることになりました。なるべく早い段階に1回目を行いたいと思っております。この断交問題につきましては,日本はこれまでもクウェート政府の努力を多として,それを支持するということを常々申し上げてまいりましたので,クウェート政府と協力しながら,この断交に関して日本としてできるところはしっかりやってまいりたいと思っております。

【毎日新聞 秋山記者】今のところ,ポンペオ長官から特にどういった趣旨か聞かれていないのですか。

【河野外務大臣】中東に関する会合をやるという話は承っておりますが,ミュンヘンでもしポンペオ長官が来るなら,ダボスでできなかった会合をやろうという話もあります。ただ,日本として予算委員会が始まっておりますので,どういう形でワルシャワの方に対応できるのかは,これから検討していきたいと思っております。