• 写真:挨拶する安倍総理1
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写真:挨拶する安倍総理1
写真:挨拶する安倍総理2

 平成31年1月18日、安倍総理は、都内で開催された第3回女性リーダーのための経営戦略講座レセプションに出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「この講座、今回で3回目を数えました。竹内、バダラッコ、モスの各教授の皆様は、毎回、来日され、世界トップレベルの授業をしてくれています。まずは、3人の先生方に御礼を申し上げたいと思います。
 皆さんに、お伝えしたいことは、先生方から頂いた『受講生がとても優秀だ。本場のハーバード・ビジネススクールに勝るとも劣らない』という評価であります。これ、本当であります。ただ、このことをお伝えすべきは、皆さんよりもむしろ、今日お集まりの上司の皆さんではないのかなと、こう思います。会社に戻ったら、この評価を広めるように是非皆様にも頑張っていただきたいと思います。
 皆さんは、1週間の合宿授業で、自信を深めたに違いありません。是非とも、会社に戻って役員を目指して、役員に昇進していただきたいと思います。もちろんいろんな人生がありますが、まだまだ日本は企業に女性の役員の数は少ないと言われております。ただ、政権発足前の上場会社では倍には増えております。皆さんは、既に今、難題にぶつかることも多いと思います。難題に対してはひるまないことが出発点ですが、皆さんには、先生方から頂いている高い評価を胸に、自信をもって難題に取り組んでいっていただきたいと思います。
 日本にとっての最大の難題、それは、世界で例のないペースで進んでいる少子高齢化であります。私の政権が発足する前、人口が減少する社会は成長できないという諦めの壁が日本を覆っていました。ちょっと話題からそれるんですが諦めないというのが私にとっては座右の銘でありまして、これが第一次政権が1年で終わった後の私の教訓であります。」

「諦めずに我々はこの諦めの壁に挑戦したわけです。3本の矢でこの諦めの壁に挑みました。経済は、その中で10パーセント以上成長し、GDPは54兆円拡大しました。人口は、450万人生産年齢人口が減っていたんですが成長することができた。この成長の果実を、子育て支援を始め、現役世代へと大胆に振り向けてきました。
 5年間で、50万人を超える保育の受け皿を整備したことで、待機児童は、10年ぶりに2万人を下回りました。これ皆さん御存じないかも知れません。グッドニュースというものは、あまりニュースになりにくいということはあります。生産年齢人口が450万人減る中でも、女性の働きやすい環境づくりに努めてきた結果、働く女性は200万人増えました。
 日本での働く女性の比率は、今や25歳以上の全ての世代で、米国を超えています。同時に、働く一人一人が限られた時間の中でより多くの収穫を、つまり生産性を高めることも欠かせません。
 収穫には、量だけではなくて、これまでにない、ユーザーや社会からの多様な要請に応えることが求められます。だから、企業経営を担う役員には、一直線の会社人間からだけではなく、幅広いベースから選ばれることが重要であります。よく言われていることは、リーマンブラザーズがもしリーマンブラザース・アンド・シスターズだったら破綻しないだろうと。ブルックスブラザーズも名前を変えるかもしれませんが。
 日本では女性の役員数が、欧米先進諸国に比べ少ないのが現状であります。多様なニーズに応えようとするためにも、女性役員をもっと増やすことが必要であり、そのためには候補者基盤を厚くしなければなりません。
 昨年までにこの講座を修めた方の約1割の方が役員に昇任されたと伺いましたが、まだまだ不十分だろうと思っています。昨年6月には上場企業に対し、女性を取締役に登用することを求めるコーポレートガバナンスコードを改訂しました。
 月末からの国会では、女性活躍推進法の改正法案を提出し、これまでよりも広い範囲の企業で、女性がより一層活躍できるよう、取り組んでいきたいと思っています。
 今年、日本は大きく変わります。4月30日には天皇陛下が御退位され、5月1日には皇太子殿下が御即位されます。6月には議長国としてG20サミットを開催し、8月にはTICAD7を主催します。
 そして、ラグビーのワールドカップも日本で行われ、世界の関心が日本に集中します。皆さんと力を合わせながら、日本の明日を切り拓(ひら)いていく、そんな年にしたいと思っています。
 これからますます皆さんが活躍していかれますことをお祈りいたしまして、結びとさせていただきたいと思います。御清聴、ありがとうございました。」