冒頭発言

【河野外務大臣】先ほど,韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官から電話会談の要請がございましたので,2人で30分,電話で話をいたしました。
 新年の挨拶をお互いにした上で,旧朝鮮半島出身労働者に関する大法院判決を受けて,韓国側で動きがありましたので,その件について長官からご説明がございました。この件は日本として非常に深刻に捉えておりますので,韓国側でぜひしっかりと対応をしていただきたいということを申し上げ,日本側として,関係省庁しっかり連携をして,必要な対応がとれるような体制はとりますが,それ以前に韓国側がしっかりと対応してくださるものと思っておりますので,当分状況を静観したいというふうに思っておりますが,必要な時には国際法に基づいた毅然とした措置を取らざるを得なくなると思いますので,その対応に向けた準備だけはしっかりしておきたいというふうに思っております。

質疑応答

【記者】康京和長官からは,いつ頃までに政府の対応をするとか,細かい説明はございましたでしょうか。

【河野外務大臣】先方の発言をこちらで勝手に紹介をするのは避けた方がよろしいかと思いますが,李洛淵(イ・ナギョン)国務総理の下で韓国側は対応策を検討しているということ,これはもう前々からそういうことでございますので,私(大臣)の方から,これまでの判決だけでなく,これから先のことについても,日本企業に不当な不利益を及ぼすことがないように,しっかりとした対応をなるべく早く,お願いをいたしました。

【記者】韓国のですね,レーダー照射の件で新たな映像を公開したんですけれども,これについてはいかがでしょうか。

【河野外務大臣】この問題について,これはもう防衛当局間でですね,しっかりと事実関係を踏まえ協議をし,なるべく早期にこの問題を解決するのが大事だということで,これはもう康長官も私も認識は一緒でございます。

【記者】冒頭で,裁判について動きがあったと仰ったのは,原告側が差押えを申請したということを意味されているのでしょうか。

【河野外務大臣】そのとおりです。

【記者】今後,その司法手続きが進んで差し押さえが実行されるということになるのは,それは日本政府がこれまで仰っている,日本企業に不利益を与えた,不当な不利益を与えたということになるんでしょうか,というのが一点と,最後のレーダーについて,康京和外相と認識が一致しているというのは今日の会談の中でお話が出たのですか。その確認をお願いします。

【河野外務大臣】今日,その話もありましたが,これはもう防衛当局間でしっかり事実関係を確認し,協議をしていただいて,なるべくこの問題は早く解決をするのが両国にとって一番ベストだという認識は一緒でございます。日本政府として日本企業に不当な不利益が生じれば,当然様々な措置を取らなければならなくなりますので,そういうことのないように,しっかりと早期に対応して頂きたいということは,これはもう今までも申し上げておりましたが,今日も繰り返し申し上げました。

【記者】差し押さえも不当な不利益になるのでしょうか。

【河野外務大臣】日本企業に不当な不利益が生じれば,日本政府として対応策を取らざるを得なくなるということはお伝えをしましたので,先方もご理解をいただいていると思います。

【記者】韓国側で動きがあったのは,あくまで,日本側企業の資産の保全について保全措置を申請したと。この保全措置が実行された場合,これは差し押さえとは若干異なると思うのですけれど,これもまた不利益になるというふうにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】現金化というところまでいっていないという説明はございました。これは,本来なら一緒にやってもいいことだけれども,実際そこまでは行っていないという話でございました。

【記者】行っていないというのは,そこには日本側としても意味合いが違う,要するに差し押さえが実際のものに進まなければ,直ちに不利益が生じたということにはならない,そういうお考えなのでしょうか。

【河野外務大臣】どの場面でどうということを,詳しく申し上げるのは差し控えたいと思います。

【記者】徴用工の関係で国際法に基づき毅然とした対応というのは,具体的にはどういった対応のことを想定されているのでしょうか。

【河野外務大臣】国際法に基づき毅然とした対応を取ります。それ以上のことは申し上げません。

【記者】レーダー照射に関して,韓国側からは謝罪要求というような視点については言及があったのでしょうか。

【河野外務大臣】ありません。

【記者】中国のことなのですけれども,中国の海洋調査船がですね,沖ノ鳥島周辺で調査活動をした件で,すでに外務省の方で抗議したようなのですけれども,改めて大臣の御所見をお願いします。

【河野外務大臣】きちんとした対応をですね,中国には望みたいというふうに思います。中国も経済力がついてきて,大国としての振る舞いを身につけてくださいというのは以前に王毅(オウ・キ)外務大臣に申し上げたことがございますが,しっかりと国際法に基づいた対応を様々な場面でしていただきたいと思います。

【記者】今日,大臣のロシア訪問の日程が正式に発表になりましたけれども,改めてどのような会談にしたいというお考えでしょうか。

【河野外務大臣】これはもう安倍総理とプーチン大統領の間で平和条約の締結に向けて様々加速化しようという話が首脳同士で行われておりますので,それに基づいてしっかりと交渉してまいりたいと思います。