渡辺復興大臣閣議後記者会見録(平成30年12月18日(火)10:57~11:10 於)復興庁会見室)

1.発言要旨
 本日は、2点お話をさせていただきます。
 1点目、このたび、復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理を取りまとめました。これまで被災地を訪問する中で、多くの被災自治体の首長から復興・創生期間後の復興のあり方について御要望を頂いておりました。これを踏まえ、復興庁として、復興・創生期間後に対応が必要な課題を整理したところでございます。
 地震、津波被災地域における課題については、被災者の見守りや心のケア、コミュニティの形成、被災した児童・生徒等への支援などについて、復興・創生期間後も一定期間対応が必要であると整理しました。
 また、原子力災害被災地域における課題については、帰還促進のための環境整備、「福島イノベーション・コースト構想」を軸とした産業集積、事業者・農林漁業者の再建、風評払拭・リスクコミュニケーションなどについて、復興・創生期間後も対応が必要であると整理いたしました。なお、廃炉・汚染水対策や中間貯蔵についても、国が前面に立って取り組んでいく旨を明記しております。
 今後、今年度内に予定している「『復興・創生期間』における東日本大震災からの復興の基本方針」の見直しの中で、復興・創生期間後の復興行政全体について、一定の方向性を示してまいりたいと存じます。
 2点目であります。現地視察についてです。本日18日と明日19日は東京電力福島第二原発や水素関連施設をはじめ、福島県を訪問いたします。そして、明後日20日木曜日は、千葉県の浦安市及び旭市を訪問する予定であります

2.質疑応答
(問)復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理についてお伺いいたします。
 今回、被災自治体から今後も対応が必要と見込まれる様々な要望が寄せられました。今回の課題の整理を受けて、大臣としての率直な受け止めと、今年度末にかけて一定の方向性を取りまとめるに当たって、どんなところを留意していきたいかをお伺いしたいと思います。
(答)まず、これまで被災地を多くの被災地を訪問してまいりました。その中で復興・創生期間後の復興のあり方について様々な要望を頂いたところでございます。また、与党第7次提言においても、復興・創生期間後に残る課題への対応について検討を始めるべき時期を迎えている旨の提言を頂いているところであります。これらを受けて、今般、復興庁として復興・創生期間後も対応が必要な課題を整理し、公表したものであります。いわば、今後、復興・創生期間後の復興のあり方を議論していく上でのスタート地点に立ったものと考えております。さらに、今年度内に復興・創生期間後の復興の進め方について、復興庁の今後のあり方も含め、一定の方向性を示してまいりたいと思います。
(問)今回の課題、俯瞰しまして全て被災地にとっては重要な課題でして、どれも落とせない課題だと思うのですけれども、大臣として、どのようにこの課題に向き合っていくのか、整理していくのか、被災地の声に応えていくのか決意をお聞かせください。
(答)これまで私は、各被災自治体を回ってまいりました。当然のことながら、それぞれ進捗状況も違っております。この復興・創生期間においては、できるものは全てやり通す、そういった状況の中で、さらに事業の進捗によっては後に延びる可能性のあるものも中にはあるわけであります。こういったものもしっかりと取り組んでいかなければならない、そのように思っております。
(問)基本方針の見直しの中で、後継組織についても触れられると思います。特に福島県知事などから後継組織についても要望が出されているかと思うのですが、大臣としては、課題の整理の中で、ポスト復興庁についてはどのように今後進めていくお考えですか。
(答)現在は、課題の整理をしている段階でありまして、これを来年3月までに、その基本的な見直しの中の一つの指針として、検討している段階でありますので、具体的なことを現在申し上げることはできません。これらの課題について、今年度内に必ず一定の方向性を示したいというふうに思っておりますので、もうしばらくお待ちをしていただきたいというふうに思います。
(問)今の復興・創生期間後の対応について、まだ福島県外にも4万人以上の方がまだ避難されていますし、それから、福島県外からも、大臣、松戸市が地元ですからお分かりだと思うんですが、関東からも西日本の方にたくさんの方が避難されています。その方の対応ですとか、それから帰還された方でも、やっぱりお子さんの健康とかやっぱりすごく気にされている方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、帰還、なかなか若い家族もやっぱり帰還が進まないという現状もあると思うんですが、そういった放射能のリスク対策、その健康対策とかについては含まれているんでしょうか。あと住居の問題とか生活支援ということについてお伺いします。
(答)まず、全国にそれぞれで避難された方、大勢いらっしゃいます。現在、全国26か所の生活再建支援拠点における各支援や要望をお伺いしているところでありまして、私どもとしては、要望として受け止めております。
(問)それから、帰還された方とか、なかなか戻れない若い世帯とか御家族だとかについての対応については何か討議されたのでしょうか。
(答)それも、今述べたことに含まれております。
(問)先程の後継組織の関係とも絡むのですが、大臣は、常々、年度内に一定の方向性という言葉をお使いになって、これまでもおっしゃっていましたけれども、この一定の方向性というのがやや漠然としていると思われるんですが、3月の基本方針とか、具体的な内容はこれから決められるということですけど、どのような範囲といいますか、どの程度まで踏み込んで公表したいとお考えになっているかという認識をお伺いしたいんですけれども。
(答)現在私は、課題の整理をして、これをどのような形で進めていくかということで、今日は課題の整理を皆さん方に提示をしたわけでありますので、この整理した課題を今後検討していく上で方向性を考えていきたいと。もうしばらくお待ちくださいということです。
(問)確認ですが、つまり一定の方向性の一定というものも、まだちょっと現状では明言できない部分があるという見方でよろしいでしょうか。
(答)そういうことです。
(問)分かりました。ありがとうございます。
(問)今回の課題の整理についてですけれども、復興・創生期間後も一定期間の対応が必要でもあり、原子力災害被災地の方は一定程度の対応が必要と。そもそも論なんですけれども、復興庁は10年で、2020年度末で終了するとしても、復興期間というのは10年に定まっているんですけれども、復興庁は終わっても、復興については10年を過ぎてもまだ対応が必要だという理解の仕方でよいですか。
(答)2点ございますけれども、まず1点、地震、津波の被災地域、この部分についても今までになかった問題として、例えば心のケア、こういった問題が出てまいりました。この問題についても考えていかなければならないだろうというふうに思います。もう1点、原子力災害被災地域においては、さらにこれは国が前面に立って、どんなに長期間かかろうと被災地に戻れるように環境整備をしていく、こういう役目をしていくということでございますので、当然のことながら、国の対応は、その部分延びていく可能性はあります。
(問)そうすると、ハード事業については、例えば災害公営住宅ができた、防潮堤ができたで、終わりがかなりはっきりして見えるわけですね。心のケアとコミュニティの再生とかになってくると、何をもって終わりにするんだ。これはずっと復興・創生期間の議論が始まって5年ぐらい前にも同じ議論があったんですけれども、何をもって復興というふうに政府の方は考えているんだと、根本的なところがないと、ずっとエンドレスに復興が続くのかなという、ちょっと意地悪な見方をすると、そういうふうにも見えるんですけども、大臣としては復興の終わりというのは、どういうことをもって復興を遂げたんだというふうに認識していらっしゃるんでしょうか。
(答)先程申し上げましたとおり、今回の課題の整理というのは、正にスタートに立ったということでありまして、これを今後、今言ったような内容についても検討してまいりたいということであります。
(問)今のお話と若干関連するかもしれないんですけれども、特に地震・津波被災地域の今回課題として整理された部分で、復興と地方創生の部分という観点もかなり絡んでくると思うんですけれども、産業再生の部分であるとか交流・振興の関係であるとか、そういう一般施策に落とし込んでいく作業というのを、この2年間、あるいは基本方針の見直しの中で必要になってくるかなと思うんですけれども、その辺りの対応というのは現状でどのようにお考えでしょうか。
(答)これから検討していくという段階でございます。

(以    上)