1. 1 本18日(現地時間17日),ニューヨークで開催中の第73回国連総会本会議において,我が国及びEUが共同提出した北朝鮮人権状況決議が,同総会第3委員会でのコンセンサス採択(11月16日)に続き,コンセンサス採択されました(採択は14年連続14回目)。

    2 本年の決議は,昨年の国連総会決議を基に,北朝鮮の深刻な人権侵害を非難し,その終結を強く要求しています。

    3  さらに,同決議は,拉致問題及び全ての拉致被害者の即時帰国の重要性及び緊急性並びに拉致被害者及び家族が長きにわたり被り続けている多大な苦しみに留意し,日本人に関する全ての問題の解決,特に全ての拉致被害者の帰国が可能な限り早期に実現することを期待する内容となっています。加えて,昨年3月の人権理事会決議で決定された国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の能力強化のプロセスの加速化を求めるとともに,OHCHRに対し啓発活動等の強化を求めています。

    4 本年の決議が,コンセンサス採択されたことは,拉致問題を始めとする,北朝鮮の人権侵害についての国際社会の強い懸念の表れです。我が国は,北朝鮮に対し,この決議に示された国際社会の声を真摯に受け止め,拉致問題の早期解決や国際社会との協力に向けた具体的な行動をとるよう引き続き強く求めていく考えです。

    [参考]

    (1)採択結果

     無投票で,コンセンサス採択された。投票要求は行われなかったが,北朝鮮の他5か国(イラン,ロシア,中国,ベネズエラ,キューバ)がコンセンサス採択からの離脱を表明した。共同提案国は,我が国,EU諸国,米国,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,韓国など61か国。国連総会メンバーは国連全加盟国(193か国)。

    (2)国連総会における北朝鮮人権状況決議(於:ニューヨーク)

    ア 我が国とEUは,国連総会(第3委員会)に,北朝鮮の人権状況の改善等を求める決議を共同で提出してきている。国連総会において14年連続14回目の採択。

    イ 本件決議は,本年11月16日(現地時間15日),国連総会第3委員会においてコンセンサス採択された決議と同内容。

    (3)国連人権理事会における北朝鮮人権状況決議(於:ジュネーブ)

    ア 我が国とEUは,毎年(2008年以来本年で11年連続)3月の国連人権理事会に北朝鮮人権状況特別報告者のマンデートを延長する決議を共同で提出してきている。

    イ 本年3月の人権理事会においては,前年3月の人権理事会決議で決定された国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の能力強化のプロセスの加速化を求めるとともに,OHCHRに対し啓発活動等の強化を求める内容を含む決議案を提出し,無投票で採択された。