利息制限法改正の要点

■ 「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」(平成18年法 律第115号)により,利息制限法の一部が改正されました。

 改正後の条文は,平成22年6月18日から施行されました。
 


 多重債務者対策の一環として,債権者が業として行う金銭消費貸借(営業的金銭消費貸借)に限定して適用される特則が,第2章(第5条から第9条まで)として新設されました。

(1) 元本額区分の適用の特則(第5条関係)
  第1条第1項が定める上限金利規制について,営業的金銭消費貸借が同一の当事者間で複数ある場合には,元本区分額は,既存の貸付残高と新たな貸付元本額との合計額に応じて決せられるとするもの

(2) みなし利息の範囲の特則,賠償額の予定の特則(第6条,第7条関係)
  営業的金銭消費貸借に関し,出資法の上限利率が年20%に引き下げられることに伴い,民事上は適法であるのに刑事上は処罰の対象となるという事態が生じないようにするため,みなし利息の範囲及び賠償額の予定について特則を定めるもの

(3) 保証料の制限等(第8条,第9条関係)
  営業的金銭消費貸借において,貸金業者と提携した保証業者に保証料を取得させる方法により上限金利規制を潜脱することを防止するため,保証業者による保証が行われる場合には,利息と保証料とを合算して上限金利規制の対象とするもの
 


 従前の規定を収めた第1章についても,判例により空文化されていた第 1条第2項及び第4条第2項が削除されています。

 第2章において,一定の事項を政令に委任する規定が新設されたことか ら,この委任事項を定めるものとして,「利息制限法施行令」(平成19年政令第330号)が制定され,改正後の利息制限法と同時に施行されます。

[リンク]
   貸金業法が大きく変わります(金融庁)

 [e-Gov(電子政府の総合窓口)の法令データ提供システム]
   利息制限法(条文)
   利息制限法施行令(条文)