冒頭発言

国連総会本会議での我が国核兵器廃絶決議案の賛成多数での採択

【河野外務大臣】12月6日(NY時間5日),国連総会の本会議におきまして,日本が提出した「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動」と題する決議案が,162か国の支持を得て採択されました。
 この決議案は,国際的に厳しい現下の安全保障環境においても,核兵器のない世界に向け,国際社会が一致して取り組むことができる共通の基盤を形成していくことを目指すものであり,本決議案が核兵器国である英国や核兵器禁止条約を支持する国を含め,様々な立場の多くの国々の支持を得て採択されたことは大変心強く思っております。

ファーウェイとZTEの製品に関する報道

【NHK 奥住記者】政府が,各府省庁が使用する情報通信機器からファーウェイとかZTEの製品を,事実上排除する方針を固めたという報道がありました。安全保障上の観点からということですけれども,外務省としてはどのような対応を取られるのか教えてください。またあと,別件ですけれど,ファーウェイのCFOの逮捕によって,米中の関係悪化というのが懸念されていますけれども,この現状,どのように見ていらっしゃるのか受け止めをお願いします。

【河野外務大臣】政府のこうしたセキュリティに関して,万全な取組をすることが必要でございますので,政府内で様々検討が行われておりますけれども,事柄の性質上,この内容を他言するのは,申し訳ございませんが差し控えるべきものだと思います。
 ファーウェイの役員の方についての報道は承知しておりますが,第三国同士のことでございますので,コメントは差し控えたいと思います。

日韓関係(韓国大法院判決)

【産経新聞 力武記者】10月30日の韓国の大法院の判決からもう一か月以上たっていますけれども,大臣もことあるごとに直ちに国際法違反の状態を是正して,適切な措置を取ってほしいということをおっしゃってこられましたけれども,この一か月あまりたってまだ何も措置というものは具体的に取られていなくて,その間にも下級審判決も含めて同種の判決が立て続いているわけですけれども,こうした状況についてどのように見られていらっしゃるかお願いいたします。

【河野外務大臣】韓国側で様々検討が行われているというのは承知をしておりますので,韓国側にしっかりと対応していただきたいと思っております。ただおっしゃられたように同種の判決が続いているということもありますから,そういつまでも待っているということもなかなか難しいと思いますので,韓国側にはなるべく速やかな対応をしていただきたいと思っております。
 そんな中で,様々な民間交流や自治体交流に若干の影響が出ていることを懸念しておりまして,そうした交流がこの事態で影響を受けないように,それぞれご努力をいただきたいと思っております。

サーロー節子氏からの表敬依頼について

【中国新聞 田中記者】カナダから来日中のサーロー節子さん,被爆者の方が一昨日ですか,大臣あてにお手紙を届けられたと思います。中身は被爆者の思いですとか,核兵器禁止条約への批准を求める内容でしたけれども,どう受け止められたでしょうか。またご本人は,大臣と直接お目にかかりたいというふうに要請されていたそうですが,実現しなかった理由がありましたら教えてください。

【河野外務大臣】残念ながら日程が合いませんでした。被爆された方々がこうした核廃絶のために,様々な場面で体験談や思いをお話しをしてくださっているというのは,不拡散・核軍縮を進める上で,やはり非常に有効だと思っております。是非,そうした活動を今後ともしっかり続けていただきたいと思っておりますし,日本としても来日される多くの方々に広島あるいは長崎を訪問していただいて,その時に何が起きたのかということを一人でも多くの方に知っていただきたいと思っております。

台湾による日本産食品輸入規制に対する措置

【中国時報 黄記者】台湾の先日の住民投票について伺いますが,これからも台湾の外交部長は最近のインタビューの中で,これから2年間,多分,この規制緩和はしないだろうという話があるんですが,その点について,大臣のご意見を伺いたいと思います。そして日本政府は,今WTOに提訴する準備とか検討はしていますか。

【河野外務大臣】食品の規制というのは,科学的な根拠に基づいて行われなければならないというのは国際的に確立されたルールだと思っております。日本はこれまでも台湾に対して,様々そうした観点からの情報提供を行ってきたところでございます。このような事態になったのは誠に残念と言わざるを得ません。こうしたことがWTOルールに反しているならば,日本としてWTOへの提訴も排除しません。また,TPPが年内に発効いたしますが,台湾からTPPへの参加への意思の表明をいただいていた中で,こういう事態になって参加ができないということになるのは非常に残念に思っております。

ファーウェイとZTEの製品に関する報道

【時事通信 越後記者】最初の質問に戻って恐縮なんですが,通信事業者の排除ということが,今良好な関係にある日中関係に影響するかどうか,お考えをお聞かせください。

【河野外務大臣】セキュリティの問題というのは,政府として万全を期さなければいけないわけでございまして,そうした観点から政府として,今,様々な検討が行なわれております。それと他国との友好関係,これは全く別物と認識しております。

【朝日新聞 清宮記者】関連で,ウォールストリートジャーナルの報道などでは,アメリカが同盟国に対してファーウェイの技術を使わないように求めたということもありますが,日本としては米国やオーストラリアなどがそうした排除をしている中で,米国などと足並みを揃える必要についてはどうお考えがありますか。

【河野外務大臣】政府のセキュリティの問題でございますから,これは日本の政府内でしっかり検討して対応を日本として決めたいと思います。

米露関係(INF条約)

【東京新聞 大杉記者】INFの全廃条約に関してなんですけれども,ポンペオ国務長官が60日以内に対応をするようにこの間ロシアに求めて,ロシアも反論しているような状況で,米露間の話し合いもなかなか進んでるように見えないんですけれども,この現状をどう見ているかということと,対話を促進するために,何か日本でできることがあるのかという,その辺をお伺いできますか。

【河野外務大臣】INF条約は,こうした核軍縮に役割を果たしてきたと我々は思っておりますので,今,このような状況になっているのは非常に残念だと思います。
 当初,言われていたことと違って,60日間の猶予期間ということをアメリカが言ったということは,この60日間で恐らく様々なことが起きる可能性がありますので,日本としても,その期間をそれぞれ,みんなが有効に使っていただきたいと思っているところでございます。