平成30年9月15日
水産庁


平成30年9月10日(月曜日)から9月14日(金曜日)まで、フロリアノポリスにおいて「国際捕鯨委員会(IWC)第67回総会」が開催され、鯨類資源の保存管理や持続的な利用について議論が行われました。

1.国際捕鯨委員会(IWC)とは

「国際捕鯨委員会(IWC)」は、鯨類資源の保存及び持続的な利用を目的とする国際機関です。
(注)IWC:International Whaling Comission

2.開催日及び場所

日程:平成30年9月10日(月曜日)~9月14日(金曜日)
場所:フロリアノポリス(ブラジル)

3.出席国

IWC加盟国89か国のうち85か国

4.我が国出席者

日本代表団:谷合 正明(たにあい まさあき)農林水産副大臣、
            岡本 三成(おかもと みつなり)外務大臣政務官、関係団体等 ほか
IWC日本政府代表代理:香川 謙二(かがわ けんじ)農林水産省顧問
                     諸貫 秀樹(もろぬき ひでき)水産庁資源管理部国際課漁業交渉官
                     田中 一成(たなか かずなり)外務省経済局漁業室長
森下 丈二(もりした じょうじ)IWC日本政府代表(東京海洋大学教授)は議長として出席。

5.結果概要

(1)IWC改革案(日本提案)
鯨類の保護・持続的利用の両立と立場の異なる加盟国の共存を訴えた本提案について、持続的利用支持国が「これがIWC機能回復のための適切な対応である」などと支持を表明したのに対し、反捕鯨国は「商業捕鯨につながるいかなる提案も認めない」、「IWCは保護のみを目的に「進化」しており、モラトリアムの解除は一切認められない」などとして、強硬に反対を表明しました。
投票に付された結果、賛成27、反対41、棄権2で否決されました。

(2)21世紀の鯨類の保全と管理におけるIWCの役割に関するフロリアノポリス宣言に関する決議(ブラジルなど提案)
反捕鯨国からは、「同提案はIWCのビジョンを示している」などとして、支持が表明されたのに対し、持続的利用支持国からは「本決議は捕鯨取締条約の目的のひとつである鯨類の持続的な利用を無視している」として、反対を表明しました。
投票に付された結果、賛成40、反対27、棄権4で可決されました。(我が国は反対。)

(3)南大西洋鯨類サンクチュアリ設置に関する附表修正(ブラジルなど提案)
投票に付された結果、賛成39、反対25、棄権3で否決されました。(我が国は反対。)

(4)先住民生存捕鯨に関する附表修正(米国、ロシア、セントビンセント、デンマーク提案)
南米諸国の多くは、捕獲枠の増大や捕獲枠の自動延長等は受け入れられない旨を主張し、反対を表明しました。
持続的利用支持国、EU、NZは、賛成を表明しました。
投票に付された結果、賛成58、反対7、棄権5で可決しました。(我が国は賛成。)

(5)議長・副議長の選出
総会最終日に、ビビッチIWCスロベニア政府代表が次期議長に、ディアロIWCギニア共和国政府代表が次期副議長に選出されました。

6.次回総会

次回IWC総会は、2年後9月から10月にかけてポルトロージュ(スロベニア)で開催予定です。
なお、IWC科学委員会は来年5月にナイロビ(ケニア)で開催予定です。

7.その他

平成30年9月7日付けプレスリリース「国際捕鯨委員会(IWC)第67回総会」の開催について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/180907_34.html

お問合せ先

資源管理部国際課捕鯨室

担当者:高屋、槇
代表:03-3502-8111(内線6762)
ダイヤルイン:03-3502-2443
FAX番号:03-3504-2649