平成30年9月25日
水産庁

我が国と国際捕鯨委員会(IWC)が共同で北太平洋海域において実施していた鯨類目視調査が9月25日(火曜日)に終了しました。

1.調査の目的

本調査は、国際捕鯨委員会(IWC(注1))の太平洋鯨類生態系調査プログラム(POWER(注2))に基づき、北太平洋海域の鯨類資源状況等を把握することを目的に、我が国とIWCが共同で実施しているものです。
平成22年(2010年)から実施しており、今回が9回目の調査となります。
(注1)IWC:International Whaling Commission
(注2)POWER:Pacific Ocean Whale and Ecosystem Research

2.調査委託機関

一般財団法人 日本鯨類研究所
             調査団長 松岡 耕二(一般財団法人 日本鯨類研究所)
             その他、日本人1名、アメリカ人2名の鯨類研究者が乗船

3.調査期間

平成30年7月3日(火曜日)から9月25日(火曜日)まで

4.調査海域

ベーリング海(下図の線で囲まれた海域のうち、公海及び米国の排他的経済水域)

5.調査船

第二勇新丸(747トン)

6.調査内容

(1)イワシクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラ、コククジラ等の目視調査による資源量・分布域の推定
(2)イワシクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラ、コククジラ、マッコウクジラ等の系群構造の解明に資する情報の収集(バイオプシー(皮膚標本)の採取(注3)・自然標識撮影(注4)など)
(3)セミクジラ等希少種の生態に関する情報の収集(バイオプシー(皮膚標本)の採取・自然標識撮影など)
(注3)DNA等を解析するため、鯨の表皮の一部を採取するもの
(注4)外見上の特徴(色、ひれの形状、傷跡等)により、鯨の個体識別ができるようにするため、発見された鯨を撮影するもの

7.結果概要

(1)ナガスクジラについては132群194頭を発見し、22頭からバイオプシーを採取、66頭分の自然標識を撮影しました。
(2)ザトウクジラについては86群122頭を発見し、29頭からバイオプシーを採取、39頭分の自然標識を撮影しました。
(3)コククジラについては27群88頭を発見し、7頭からバイオプシーを採取、41頭分の自然標識を撮影しました。
(4)セミクジラについては3群3頭を発見し、3頭からバイオプシーを採取、3頭分の自然標識を撮影しました。
(5)シロナガスクジラについては4群7頭を発見し、3頭からバイオプシーを採取、3頭分の自然標識を撮影しました。
(6)マッコウクジラについては26群27頭を発見し、1頭分の自然標識を撮影しました。
(7)今回の調査で得られたデータはIWC事務局と共有され、今後、詳細な分析を行った上でIWC科学委員会における資源量の推定などに役立てられます。

8.参考

平成30年7月3日付けプレスリリース「2018年IWC/日本共同北太平洋鯨類目視調査」の実施について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/180703.html

お問合せ先

水産庁国際課捕鯨室

担当者:髙屋、槇
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