農林水産省
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(平成30年9月後半)について、主産地等から聞き取りを行いましたので、その結果を公表します。
1.概要
ここ数年、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から聞き取りを行い、その結果を「野菜の生育状況及び価格見通しについて」(以下「価格見通し」という。)として、農林水産省ホームページに掲載しています。
今回、本年8月下旬から9月上旬にかけて、台風の発生が相次ぎ、また、9月6日に北海道胆振東部地震が発生したため、これらによる野菜の生育への影響等を把握する必要がありました。
このため、従来、価格見通しは、毎月月末を目途に翌月の見通しとして公表しておりますが、今回は、平成30年9月後半の見通しとして公表します。
なお、聞き取りを行った14品目の野菜の生育状況は、東京都中央卸売市場外において流通するものについても、同様の傾向です。
また、これまでの公表資料は、次のURL ページで公開しております。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/
2.現在の生育状況
(総論)
品目 | 現在の生育状況 |
根菜類 (だいこん及びにんじん) |
だいこんの生育は平年並み。 にんじんは、6月中旬から7月上旬にかけての長雨に加えて、7月中下旬の高温、干ばつに伴う生育の低下により、小ぶりとなっている。 |
葉茎菜類 (はくさい、キャベツ等) |
はくさいの生育は平年並み。 キャベツ及びレタスは、7月末以降の適雨により、生育が良好となり、大玉傾向。 ほうれんそうは、8月下旬以降の日照不足に伴う生育の低下により、細身となっている。 ねぎは、台風第21号の影響により、倒伏や折損が生じた。 |
果菜類 (きゅうり、なす等) |
きゅうりは、8月下旬以降の日照不足に伴い、落花が発生。 なす及びピーマンの生育は平年並み。 トマトは、8月中旬以降の高温に伴い、落花が発生。 |
土物類 (ばれいしょ、さといも 及びたまねぎ) |
生育は平年並み。 |
3.今後の生育、出荷及び価格見通し
(各論)
品目 | 主産地 ( )書きは29年 9月の入荷 シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 9月後半 価格見通し (平年(直近 5か年平均)比) |
|
だいこん |
北海道(64%) 青森(33%) |
・ 北海道及び青森県において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
にんじん | 北海道(98%) |
・ 北海道において、6月中旬から7月上旬にかけての長雨に加えて、7月中下旬の高温、干ばつに伴う生育の低下により、小ぶりとなっているため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
はくさい | 長野(82%) |
・ 長野県において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
キャベツ |
群馬(73%) 岩手(11%) |
・ 岩手県において、生育が平年並みであるものの、群馬県において、7月末以降の適雨により、生育が良好となり、大玉傾向となったため、9月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。 ・ 群馬県において、9 月後半も出荷数量が多い状況が続く見込み。 |
安値水準で推移 | |
ほうれんそう | 群馬(33%) 栃木(21%) 茨城(20%) |
・ 群馬県、栃木県及び茨城県において、8月下旬以降の日照不足に伴う生育の低下により、細身となっているため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
ねぎ | 青森(24%) 秋田(16%) 北海道(16%) |
・ 青森県及び秋田県において、生育が平年並みであるものの、9月上旬の降雨により、収穫作業が遅延。 また、北海道において、台風第21号の影響により、倒伏や折損が生じた。 これらのことから、9月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 北海道において、9月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
レタス | 長野(81%) |
・ 長野県において、7月末以降の適雨により、生育が良好となり、大玉傾向となったため、9月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。 ・ 長野県において、9月後半も出荷数量が多い状況が続く見込み。 |
安値水準で推移 | |
きゅうり | 福島(27%) 群馬(14%) 岩手(12%) |
・ 群馬県及び岩手県において、生育が平年並みであるものの、福島県において、8月下旬以降の日照不足に伴う落花が発生し、着果不良となることが見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
なす | 群馬(32%) 栃木(28%) 茨城(24%) |
・ 群馬県、栃木県及び茨城県において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
トマト | 北海道(17%) 青森(16%) 千葉(16%) |
・ 北海道において、生育が平年並みであるものの、青森県において、7月下旬以降の高温に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、9月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 後続の産地である千葉県において、8月中旬以降の高温に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、9月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
ピーマン | 茨城(38%) 岩手(31%) 福島(10%) |
・ 福島県において、8月下旬以降の日照不足により生育が低下したものの、岩手県において生育が平年並みであり、また、茨城県において、生育が良好であるため、出荷数量は総じて平年並み、価格も平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
ばれいしょ | 北海道(92%) |
・ 北海道において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
さといも | 千葉(71%) 埼玉(14%) |
・ 千葉県及び埼玉県において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
たまねぎ | 北海道(93%) |
・ 北海道において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
注:「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
<添付資料>
東京都中央卸売市場における指定野菜の価格の平年比(PDF : 49KB)
お問合せ先
生産局園芸作物課
担当者:朝倉、坂田
代表:03-3502-8111(内線4822)
ダイヤルイン:03-3502-5961
FAX番号:03-3502-0889