• 議事録(PDF形式はこちらから)

日時

2018年7月27日(金)10:00~10:24

場所

消費者委員会会議室

出席者

【専門委員】
古城座長、井手座長代理、小浦委員、白山委員、陶山委員
【消費者委員会担当委員】
長田委員
【消費者庁】
澤井消費者調査課長
【事務局】
黒木事務局長、消費者委員会事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 関西電力株式会社の電気料金引下げに関する専門調査会意見(案)について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • 議事次第(PDF形式:9KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料1】 関西電力による大飯原子力発電所3・4号機の再稼働に伴う電気料金値下げ後のフォローアップに関する専門調査会意見(案)(PDF形式:21KB)PDFを別ウィンドウで開きます

≪1.開会≫

○消費者委員会事務局担当者 それでは、定刻になりましたので、会議を始めさせていただきます。

本日は、皆様お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第51回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用により松村委員、山内委員、古賀委員、消費者委員会担当委員の蟹瀬委員が御欠席との御連絡をいただいております。

まず、議事に入る前に配付資料の確認をお願いいたします。お手元の議事次第下部に配付資料一覧を記載してございます。配付資料は資料1のみとなっております。お手元の資料にもし不足等がございましたら、事務局までお知らせください。

なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても、後日公開することといたします。

それでは、古城座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.関西電力株式会社の電気料金引下げに関する専門調査会意見(案)について≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。

本日の議題は「関西電力株式会社の電気料金引下げに関する専門調査会意見(案)について」です。

当専門調査会では、大飯原子力発電所3・4号機の再稼働に伴う関西電力による電気料金の値下げについて、適正な値下げが実施されているか確認・検証する観点から、フォローアップとして7月23日に関西電力及び電力・ガス取引監視等委員会事務局からヒアリングを行いました。

本日は、ヒアリングの結果を踏まえ、専門調査会として取りまとめる意見案について議論を行いたいと思います。まずは、事務局から意見案について説明をお願いいたします。

○消費者委員会事務局担当者 それでは、事務局より説明いたします。

資料1「関西電力による大飯原子力発電所3・4号機の再稼働に伴う電気料金値下げ後のフォローアップに関する専門調査会意見(案)」というタイトルになっております。資料に沿って順に説明いたします。

まず「1.経緯」です。読み上げさせていただきます。

関西電力は、大飯原子力発電所3・4号機の再稼働を受け、本年7月1日より平均5.36%の電気料金の値下げを行った。

関西電力の電気料金については、これまで原発再稼働の遅れを理由に2度にわたり値上げをされており、経済産業省による査定方針において、最初のポツですが、原価算定期間終了後に再稼働する場合は、原則として、1基再稼働するごとに値下げを行うべきである。この場合、原価算定期間内に値下げをする場合と同様に、再稼働の翌々月までを値下げの実施時期とすべきである。

2つ目のポツです。値下げの実施時期や値下げ率等の適正性を確認・検証するとともに、広く情報を公開する観点から、値下げの時期を問わず、電気料金審査専門小委員会によるフォローアップが必要である等の条件が盛り込まれた。

当専門調査会はフォローアップとして、昨年8月、高浜原子力発電所3・4号機の再稼働に伴う電気料金の値下げについて調査審議し、意見を発出した。昨年に引き続き、今回の大飯原子力発電所3・4号機の再稼働に伴う電気料金の値下げについても当専門調査会は本年7月23日に関西電力及び電力・ガス取引監視等委員会事務局からヒアリングを行い、調査審議を行った。

その結果を踏まえた当専門調査会の意見は以下のとおりである。

このように経緯を書いております。

次が「2.値下げについての評価」というところです。

今回の関西電力による電気料金の値下げについては、ヒアリングを踏まえた当専門調査会としての評価は以下のとおりとして、最初のポツとして、原発再稼働が行われた際には、過去の原発再稼働の遅れを理由として認可された燃料費等の追加費用については、値上げの原因となった事象の解消が進むことに伴い確実に削減される必要がある。

裏面、2ページですけれども、今回の値下げにおいては、大飯原子力発電所3・4号機の稼働期間に応じて算出された原子力利用率と、従前の料金の前提として算出されていた原子力利用率の差分に基づく火力燃料費の削減分が原価に反映され、値下げがなされたことが確認された。

次のポツです。なお、大飯原子力発電所3号機については、再稼働の翌々月以降の値下げ申請となっている。結果的には、近接した時期での2回にわたる値下げは実施されなかった。しかしながら、その間の費用の削減分は値下げに適正に反映されており、消費者にとっての分かりやすさや手続の効率性の観点からは問題ないことが確認された。

最後のポツですけれども、また、販売電力量の減少による単位当たりの固定費の増加などについては経営効率化による経費削減で吸収しており、値下げ幅を減少させていないことが確認されたとしております。

最後は「3.今後の課題」というところです。

消費者の観点から見て原発再稼働に伴う料金の値下げについての当専門調査会の基本的な考え方としては、原発が再稼働した場合、電気料金は停止前の水準まで戻すべきと考える。

このため、関西電力及び各電力会社においては、原発停止や再稼働の遅れを理由として認可された電気料金の値上げについて、今後、原発再稼働などの進展がみられるのであれば、停止前の水準まで電気料金を戻すよう努力することを期待する。仮に、停止前の水準まで電気料金を戻すことができないのであれば、その理由について十分に説明することが望まれる。

次の段落ですけれども、原発再稼働の進展により値上げの理由が失われた際に電気料金の引下げが適切に行われるかについて、電力・ガス取引監視等委員会による適切な監視が行われることが重要である。今回のフォローアップを踏まえ、電力・ガス取引監視等委員会及び消費者庁は、今後、関西電力のみならず各電力会社において原発再稼働に伴う電気料金値下げの届出を行った場合には、原発再稼働により停止前の料金水準に戻っているかについて配慮しつつ、料金の適正性について引き続き丁寧な検証を行うことを期待する。

なお、消費者委員会においては消費者庁とともに引き続き、基本的な考え方に従って状況を注視していく。

以上の案となっております。

事務局からの説明は以上です。

○古城座長 それでは、意見案について御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。

井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 今回の意見案について、全体としては異論というか、内容については賛成でございます。あと、細かいことを言えば、言葉の使い方というのは多分いろいろ各委員の方から御指摘があるかと思うのですけれども、1つ気になったのは、2ページ目の「3.今後の課題」のところの第2パラグラフで、「このため」というところの最後の「その理由について十分に説明することが望まれる」と書いていますが、「望まれる」のではなくて、「説明をすべきである」とかという、やはりこれは前回のヒアリングでもありましたけれども、元の水準に戻すというのが前提で、それができないのであれば、なぜできないかというのをきちんと説明すべきであって、「望まれる」というよりももう少し、一歩踏み込んだ形で書いていただければと思います。

私のほうからは以上です。

○古城座長 「望まれる」を「必要である」に直せば大丈夫ですか。

○井手座長代理 そうですね。

○古城座長 あといかがでしょうか。

小浦委員、どうぞ。

○小浦委員 私も今のところ、2ページ目の「3.今後の課題」の言葉が1つ気になったところがありまして、下から4行目の「原発再稼働により停止前の料金水準に戻っているかについて配慮しつつ」という、配慮という言葉がどうしても引っかかりました。では、どういう言葉に直したらいいか、いただいたところで出なかったのですが、これは上のほうにもありますけれども、停止前の水準まで戻すべきというふうに一応なっていますので、配慮というよりも、きちんとチェックというか確認をして更なる丁寧な検証を行うとか。ちょっといい言葉が見つからないので、もしどなたかそこがありましたらと思っておりますが。

○古城座長 案としては、「について配慮しつつ」を除いて、「原発再稼働により停止前の料金水準に戻っているか、料金の適正性について引き続き丁寧な検証を行うことを期待する」と。

○小浦委員 そうですね。そこを外しても、そのほうがいい。

○古城座長 あといかがでしょうか。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 内容に関してではなく形式的なことになりますが、1ページの文章の間に箇条書きというか、挟み込まれているので、2ポツある下の「等の条件が盛り込まれた」を、その上の「経産省による査定方針において、以下の条件が盛り込まれた」としたほうがすっきりするのではないかなと思います。

それから、当然ながら、今回のフォローアップはタイトルにもあるように大飯原発の再稼働に伴う料金値下げのフォローアップになりますので、内容についてはまとめていただいた内容で私もいいかなと思いますが、今後、全般的な料金の適正性についての検証、消費者の立場からの検証というものがどのように進めていけるのかということを、この取りまとめの文章とは別の課題として、少し示唆していただければ、非常にすっきりするかなと思います。

以上です。

○古城座長 あといかがでしょうか。

白山委員はいかがですか。

○白山委員 すみません。今回は欠席が多くて余り議論に参加していないのですが、基本的にこの意見案には特段違和感がございませんので、賛成でございます。

どこか修正というのも余りないのですが、形式的なところでいくと、言葉の中に、「停止前の水準」というのと、「停止前の料金水準」というのが交ざっているのですけれども、その辺は、「停止前の水準」というときには、その前のところに電気料金はとか何かが入っているときにはそういう言葉遣いをして、「停止前の料金水準」というのといろいろ混在しているので、おかしくなければ別にいいです。形式的な話なので、大した話ではありません。

○古城座長 注意深く整理します。

長田委員、いかがでしょうか。

○長田委員 特にございませんが、今、御提案がありました修正については、それぞれ確かにそうだなと思いましたので、修正していただければいいのかなと思いました。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 確認なのですけれども、2ページの下から6行目「今後、関西電力のみならず各電力会社」と書いていますけれども、各電力会社、値上げしたところは全部値下げしなければいけなかったのですか。再稼働したときに、2回値上げしたところはあれですけれども、1回しか値上げしていないところも再稼働したら値下げしなければいけないという規定があったのですか。そこの確認だけです。

○消費者委員会事務局担当者 明示的に、再稼働した場合に下げなければならないとなっているのは、2回値上げが行われた関西電力と北海道電力ということになっております。

○井手座長代理 ということは、それ以外の東北とか中部とかが値下げ申請したときに、こういった消費者委員会とか消費者庁が関われるような仕組みにはなっていない。

○消費者庁澤井消費者調査課長 現状では、消費者委員会事務局担当者の方がおっしゃったとおりに、今回の関西電力のように2回目の値上げしたときの査定方針に、原発が再稼働したときには値下げして、それを検証するというシステムを入れるべきとなっております。ほかの査定方針には入っておりませんが、私の理解では、消費者委員会の議論の中で、その他の値上げのときの状況を考えてみれば、こういうことが期待されるということを委員会での意見案として、事務局が案に入れたということだと思います。こういう意見をまとめていただいたのであれば、そうしたものとして受けとめていきたいし、委員会の意見としてこれを所管省庁である経産省、特に電力・ガス取引監視等委員会にお伝えするということではないかと思っています。

○古城座長 これはいろいろ意見があると思うのですが、私は法律上できると思っています。一番問題に上がったのは、緊急事故があって原発停止となり、緊急避難的に値上げしなければいけないという理由で値上げしているわけですね。値上げして、1回目、2回目に分かれて、2回目のときに経済産業省は、簡易な手続で値上げしたのだから、この値上げは原発が動いたら戻してくださいよという考え方で、原発が動いたときは値下げを申請しなさいよと義務付けているのだけれども、私の意見は、もともと1回目の値上げのときも緊急避難的な値上げなのだから同じ条件を付けるべきだったと思っています。だから、まず1つは緊急避難的な、普通の5年に1回とかいう定時の料金改定の値上げではないのだから、はっきりした事象があって、なくなったら当然元に戻さなければいけないというのが普通なので、戻さないのはおかしいと思う。

もう一つは、もともと料金というのは料金改定制をとっていて、一定の期間がたったら原価を洗い替えして正しい原価に戻すというのをやめて、値上げ認可制に変えたのですね。そのときの理由はこういう説明だったのですよね。手続が煩雑になるから、値下げ要因があるのだけれども値下げしていないのをチェックするというのを緩める替わりに、事業者はちゃんと説明しなければいけないと。値下げというのが入っているわけだから、やはり値下げできる要因があるのにきちんとそれを説明できないというのはまずいわけですね。説明義務があるのだし、それを両方併せると、原発が再稼働したとき、どうして元の料金に戻らないのかというのは説明義務が法律上あって、その延長上でフォローアップができると考えています。

陶山さん、どうぞ。

○陶山委員 今、触れられた点において、今回の取りまとめは非常に踏み込んだ内容であって、その点を非常に支持しています。これまでも九州電力の値上げ等でも、下げるということがきちんと条件として付されていたのは関西電力と北海道電力のみであるということで、その意見は押し戻されてきました。そのことについて非常に、消費者としては分かりにくさと納得できない思いを抱えてきましたので、今回の取りまとめの中では、値下げのときに検証するということだけでなく、値下げをできない理由についても説明する必要があるというところまでまとめていただいていますので、その点については非常に支持できるものだと思います。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

どうぞ。

○白山委員 1点だけ確認です。2ページ目の「3.今後の課題」の第1段落のところで「当専門調査会の基本的な考え方としては」と書いてあって、一番の下のところでも「消費者庁とともに引き続き、基本的な考え方にしたがって」と、この基本的な考え方というのは、前に決めた査定の基本的な考え方、それとも一般的な意味の基本的な考え方ということですか。

○消費者委員会事務局担当者 今回の意見書での基本的な考え方というのは、3の第1段落にあるように、原発再稼働に伴う料金の値下げについては、再稼働した場合は原発が停止する前の水準まで料金の水準を戻していただきたいという、そういうところを基本的な考え方ということで書いております。

○白山委員 そういう理解でいいのかな。今回のということですか。それとも、何かこういう議論を以前にこの専門調査会でやったときに、基本的な考え方みたいなところで示したものにのっとって、今これをやっているという理解ではなくてですか。

○古城座長 そうではないです。

○白山委員 違いますか。

○古城座長 こういう考え方は前からあったのですけれども、しっかり固まってきたのは今回。

○白山委員 分かりました。すみません。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 先ほどちょっとこの枠外での適正な料金の検証ということで発言をさせていただきましたが、原発再稼働について料金を見るときのこの調査会の基本的な考え方はこれとして、状況が11年以降のことですので、もうかなりの時間経過があり、料金に関するほかの要素もどんどんこれに加わってきていますので、これはこれで追求をしながら、全般的な様々な構成要素を検証する中で、適正であるかどうかは当然、電力・ガス取引監視等委員会に託されるものではありますけれども、消費者の立場からも検証できるという枠組みを是非座長のほうに御検討いただきたいなと思っております。

○古城座長 それは御要望として伺ってよろしいですね。

○陶山委員 はい。

○古城座長 よろしいでしょうか。

ちょっと時間が短いのですけれども、大体議論は出尽くしたと思いますので、基本的には報告書の内容でまとめさせていただきます。

あと、皆さんの御意見は最後に反映いたしますし、ちょっと分かりにくい文章がありますので、これは少し直して、基本的にはこの内容でまとめたいと思っております。よろしいでしょうか。


≪3.閉会≫

○古城座長 その他、事務局から連絡事項はございますか。

○消費者委員会事務局担当者 本日は熱心な御議論をどうもありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第御連絡させていただきます。

なお、この後、委員室にて打合せを行いますので、委員の皆様におかれましては、場所の移動をよろしくお願いいたします。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)