平成30年9月28日
農林水産省


東日本大震災復旧工事に係る公正取引委員会からの申入れを踏まえた全国の職員に対する聞き取り調査の結果について、取りまとめましたのでお知らせします。

概要

平成30年6月14日、公正取引委員会は、株式会社フジタ(以下「フジタ」という。)が、東北農政局を退職後にフジタに再就職した従業員を通じ、東北農政局の職員に働き掛け、技術提案書の添削や未公表情報の教示等を受けたとして、フジタに対し、独占禁止法第19条(不公正な取引方法第14項〔競争者に対する取引妨害〕)に規定する行為に関する排除措置命令を行うとともに、農林水産省に対し、独占禁止法違反行為を誘発又は助長するおそれのある行為の再発防止策を講ずることを申し入れました。

これを受けて、平成30年6月22日に発表した農林水産省の再発防止策の一環として、農業農村整備事業の入札契約に携わる全国の職員に対する聞き取り調査を実施し、その結果を以下のとおり取りまとめましたので、お知らせします。

1.調査結果の概要

職員1名が、入札契約手続終了前、建設会社の従業員からの質問に対し、技術提案書に記述する課題の事項を示唆等した。また、職員2名が、入札契約手続終了後、異なる建設コンサルタント会社に再就職した複数の元職員からのそれぞれの問合せに対し、当該建設コンサルタント会社の技術提案書に関して未公表情報である評価項目ごとの点数内訳を情報開示手続にのっとらずに開示したほか、その場に同席していた職員1名がこの行為を看過した。

2.職員への措置

(1)当事案関係者
矯正措置4名(厳重注意2名、口頭注意2名)
(2)管理監督者
矯正措置2名(口頭注意2名)

調査内容

1.調査の対象

平成25年度以降、農業農村整備事業の入札契約に携わった全ての農林水産省本省、各地方農政局及び北海道農政事務所の職員3,964人に対する調査を行った。

2.再発防止策

平成30年6月22日に発表した以下の再発防止策を徹底します。
(1)コンプライアンスの徹底
(ア)発注担当職員等に対する年1回以上のコンプライアンス研修受講の義務付け
(入札談合等関与行為防止法及び発注者綱紀保持規程等の遵守)
(イ)退職予定職員に対する退職前研修の実施
(国家公務員法に基づく現役職員に対する働き掛け規制、独占禁止法等の遵守を周知徹底)
(ウ)退職予定者が退職後に不当な働き掛け等を行わない旨の確認書提出の義務付け

(2)情報管理の徹底
(ア)技術提案書の審査時における匿名管理の徹底
(技術提案書の施錠管理と審査担当者に対する事業者名の秘匿)
(イ)技術提案書の評価担当者と予定価格・積算書の審査担当者の分離
(ウ)技術提案書と入札書の同時提出
(事業者による技術提案書の評価結果を踏まえた入札価格の調整を防止)
(エ)(ア)から(ウ)までについて、農林水産本省による地方農政局及び事業所等に対する抜き打ちでの特別監査の実施

3.職員への措置

 調査の結果、認定された事実に基づき、以下のとおり関係職員に措置を行いました。
(1)当事案関係者4名
矯正措置4名(厳重注意2名、口頭注意2名)
(2)管理監督者2名
当事案関係者の当時の上司
矯正措置2名(口頭注意)

お問合せ先

農村振興局総務課

担当者:松本、入江
代表:03-3502-8111(内線5403)
ダイヤルイン:03-3591-6098
FAX番号:03-3508-2275