農林水産省
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(平成30年10月後半)について、主産地等から聞き取りを行いましたので、その結果を公表します。
1.概要
ここ数年、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から聞き取りを行い、その結果を「野菜の生育状況及び価格見通しについて」(以下「価格見通し」という。)として、農林水産省ホームページに掲載しています。
今回、本年9月下旬から10月上旬にかけて相次いだ、台風による野菜の生育への影響等を把握する必要がありました。
このため、従来、価格見通しは、毎月月末を目途に翌月の見通しとして公表しておりますが、今回は、平成30年10月後半の見通しとして公表します。
なお、聞き取りを行った14品目の野菜の生育状況は、東京都中央卸売市場外において流通するものについても、同様の傾向です。
また、これまでの公表資料は、次のURL ページで公開しております。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/
2.現在の生育状況
(総論)
品目 | 現在の生育状況 |
根菜類 (だいこん及びにんじん) |
だいこんは、台風第24号に伴う塩害が発生したため、生育の低下が見込まれる。 にんじんは、6月下旬から7月上旬にかけての長雨に加えて、7月中下旬の高温、干ばつに伴う生育の低下により、小ぶりとなっている。 |
葉茎菜類 (はくさい、キャベツ等) |
はくさいは、9月の長雨により生育が遅延し、また、傷みが発生。 キャベツは、台風第24号に伴う塩害が発生したため、生育の低下が見込まれる。 ほうれんそうは、9月の日照不足に伴う生育の低下により、細身傾向。また、台風第24号により葉が損傷した。 ねぎの生育は平年並みであるものの、6月下旬から7月上旬にかけての長雨により、定植できなかったほ場があり、作付けが減少。 レタスは、9月の長雨により生育が遅延し、また、傷みが発生。加えて、台風第24号により葉が損傷し、生育が低下。 |
果菜類 (きゅうり、なす等) |
果菜類は、9月の日照不足に伴い落花が発生し、着果不良となった。 なす及びトマトは、引き続き着果不良となっているものの、きゅうり及びピーマンは、天候の回復に伴い、生育は回復傾向。 |
土物類 (ばれいしょ、さといも 及びたまねぎ) |
ばれいしょ及びたまねぎの収穫は終了しつつある。 さといもは、7月の高温、干ばつや台風第24号に伴う風害により、生育が低下。 |
3.今後の生育、出荷及び価格見通し
(各論)
品目 | 主産地 ( )書きは29年 10月の入荷 シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 10月後半 価格見通し (平年(直近 5か年平均)比) |
|
だいこん |
北海道(32%) 青森(30%) 千葉(23%) |
・ 北海道及び青森県において、生育が平年並みであるものの、後続の産地である千葉県において、台風第24号に伴う塩害の発生により、生育の低下が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
にんじん | 北海道(93%) |
・ 北海道において、6月下旬から7月上旬にかけての長雨に加えて、7月中下旬の高温、干ばつに伴う生育の低下により、小ぶりとなったため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 10月後半も、出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
はくさい | 長野(76%) 茨城(13%) |
・ 9月の長雨により、長野県において傷みが発生し、また、茨城県において、生育が遅延したため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 茨城県において、天候の回復に伴い、生育が回復傾向であるものの、長野県において、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
キャベツ |
群馬(48%) 千葉(18%) 茨城(16%) |
・ 群馬県及び茨城県において、生育が平年並みであるものの、千葉県において、台風第24号に伴う塩害の発生により、生育の低下が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
ほうれんそう | 群馬(44%) 茨城(21%) 栃木(16%) |
・ 群馬県、茨城県及び栃木県において、9月の日照不足に伴う生育の低下により、細身傾向となり、また、台風第24号に伴う葉の損傷等が生じたため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 10月後半も、出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
ねぎ | 北海道(20%) 青森(20%) 秋田(15%) |
・ 青森県及び秋田県において、生育が平年並みであるものの、北海道において、6月下旬から7月上旬にかけての長雨により、定植できなかったほ場があり、作付けが減少。 また、北海道において、10月上旬の降雨により、収穫作業が遅延。 これらのことから、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 北海道において、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
レタス | 茨城(56%) 長野(30%) |
・ 茨城県での9月の長雨に伴う生育遅延や、台風第24号に伴う葉の損傷に加えて、長野県での9月の長雨に伴う傷みの発生により、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
きゅうり | 埼玉(27%) 群馬(27%) 福島(15%) |
・ 群馬県及び福島県において、9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 群馬県において、天候の回復に伴い、生育は回復傾向。 |
平年並みに戻る | |
なす | 高知(30%) 栃木(21%) 群馬(21%) |
・ 高知県、栃木県及び群馬県において、9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 高知県において、天候の回復に伴い、生育が回復傾向であるものの、栃木県及び群馬県において、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。 |
高値水準で推移 | |
トマト | 千葉(20%) 福島(15%) 茨城(14%) |
・ 千葉県及び茨城県において、9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
ピーマン | 茨城(55%) 岩手(17%) |
・ 岩手県において、生育が平年並みであるものの、茨城県において、9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。 ・ 茨城県において、天候の回復に伴い、生育が回復傾向であるため、10月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。 |
平年並みに戻る | |
ばれいしょ | 北海道(98%) |
・ 出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 | |
さといも | 埼玉(51%) 千葉(26%) |
・ 埼玉県において、生育が平年並みであるものの、千葉県において、7月の高温、干ばつや台風第24号に伴う風害等より生育が低下し、小玉での出荷が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準で推移 | |
たまねぎ | 北海道(95%) |
・ 出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
注:「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
<添付資料>
東京都中央卸売市場における指定野菜の価格の平年比(PDF : 50KB)
お問合せ先
生産局園芸作物課
担当者:朝倉、坂田
代表:03-3502-8111(内線4822)
ダイヤルイン:03-3502-5961
FAX番号:03-3502-0889