平成30年1月9日(火)

 今朝の閣議では,法務省案件はありませんでした。

司法取引に関する質疑について

【記者】
 2016年の刑事訴訟法改正に伴い,今年から司法取引が導入されることになります。司法取引をめぐっては,虚偽の供述により,えん罪が生まれる可能性も指摘されていますが,今後の運用についての大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 御質問のありました合意制度は,一定の財政経済犯罪等を対象として,首謀者の関与状況を始め,組織的な犯罪等の全容の解明に資する供述等を得ることを可能にするものであり,本年6月までに施行されます。
 この制度については,御指摘のとおり,被疑者・被告人が,虚偽の供述をして第三者を巻き込むおそれがあるとの指摘がありますが,そのようなことが生じないように,制度上,次のような手当てが講じられています。
 すなわち,協議の開始から合意の成立に至るまで常に弁護人が関与する仕組みとしています。
 また,合意に基づく供述が他人の公判で使われるときは,合意内容が記載された書面が,当該他人にも裁判所にもオープンにされ,供述の信用性が厳しく吟味される仕組みとしています。
 さらに,合意をした者が捜査機関に対して虚偽の供述等をした場合には,新設の罰則による処罰の対象となります。
 このように,合意制度は,虚偽の供述により第三者を巻き込むおそれに適切に対処することができるよう,制度上の手当てが講じられているところです。
 現在,検察当局においても,この合意制度の施行に向けて準備が進められているところであると承知しており,検察官としては,合意をしようとする者の供述に十分な裏付証拠があるなど,その供述が裁判でも十分に信用できるものか否かを慎重に吟味することになるものと考えられます。

(以上)