平成30年2月20日(火)

 今朝の閣議においては,法務省案件はありませんでした。

相続分野の民法改正に関する質疑について

【記者】
 先週の法制審議会総会で,相続分野の民法改正の要綱が決定し,大臣への答申も行われました。改めて,この民法改正の意義と狙いをお聞かせください。また,スケジュールとしては,来月上旬にも閣議決定し,国会へ法案提出する予定と伺っていますが,今通常国会中の成立に関し,大臣の御所感をお願いします。

【大臣】
 民法改正の意義と狙いですが,相続法分野については,昭和55年以来,実質的に大きな見直しはされてきませんでした。この間,社会の高齢化が更に進展し,相続開始時における配偶者の年齢も相対的に高齢化しているため,その保護の必要性が高まっているものと考えています。今回の相続法の見直しは,このような社会経済情勢の変化に対応するものであり,多岐にわたる改正項目が掲げられています。主な改正項目としては,残された配偶者等の生活に配慮する観点から,配偶者の居住の権利を保護するための方策等が盛り込まれています。このほかにも,遺言の利用を促進し,相続をめぐる紛争を防止する等の観点から,自筆証書遺言の方式を緩和すること等も盛り込まれています。
 関係法案の国会提出の予定ですが,今後,この要綱を踏まえ,今国会に関係法案を提出することができるよう作業を進めてまいりたいと考えており,今国会に法案を提出した場合には,国会において慎重な御審議をいただいた上で,速やかな成立をお願いしたいと考えています。

法テラスの業務拡充に関する質疑について

【記者】
 法テラスが高齢者の金銭トラブル解決のために,自宅などに出向いて法律相談に応じる取組を始めました。司法と福祉をつなぐ接点としての役割が期待される中,法テラスの存在自体の認知度が低いとの指摘もあります。出張相談や法テラスの認知度アップの取組について大臣の所感を教えてください。

【大臣】
 日本司法支援センター,通称「法テラス」は,本年1月24日に改正総合法律支援法が施行され,御指摘のような内容の拡充された新たな業務内容,更には司法ソーシャルワークについて,しっかりと取り組む方向になったところです。しかし,まだまだ認知度については,一部調査によると4割を超える方が法テラスを知らないことから,より一層の周知が必要であると考えています。法務省としても,法テラスによる法的支援について高齢者を中心に幅広く周知することができるように,また寄り添い型の支援として広く行きわたることができるように,その存在を広く周知することは極めて大事なことであると思っています。法テラスの業務内容を御存知なければ相談することはできませんので,その意味では,こちらから出向いていく出張相談も大変重要な取組であると考えています。法テラスについて,一般の方々に御理解していただくことができるように,業務内容を含めた御説明をしっかりと行い,また,報道機関においても法テラスの業務内容の周知をしていただけるよう御協力をお願いします。

(以上)