平成30年4月20日(金)

 今朝の閣議においては,法務省案件はありませんでした。
 続いて私から1件御報告します。昨年にもお伝えしましたが,昨年5月下旬以降,あたかも法務省から送られたかのように装った架空請求のはがきが出回っており,受け取られた方々から法務省にお問合せが多数寄せられています。
 実際に被害が発生したとの報道もなされています。
 これまで当省では,法務省ホームページや法務省公式ツイッターで注意を呼び掛けるとともに,消費者庁と警察庁に協力を要請し,同庁のホームページ等でも注意を呼び掛け,被害の未然防止に努めてきました。
 法務省の名称等を不正に使用した架空請求のはがきにより,実際に被害が発生していることは極めて遺憾です。法務省としても,この種の犯罪被害が発生しないように引き続き積極的な情報発信等に努めていきます。
 また,一部の報道機関でも本件について取り上げていただいてきたところですが,今後とも御協力をお願いいたします。
 

大井造船作業場における逃走事案に関する質疑について

【記者】
 松山刑務所の逃走事案の発生から明日で2週間になるのですが,いまだに身柄の確保に至っていない状況について大臣の受け止めをお願いします。あわせて,開放的施設の趣旨を踏まえ,そうした施設の保安警備に顔認証やGPSを活用することについて,大臣自身どのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 まず,いまだ身柄の拘束に至っていないということです。長い間,地域の住民の皆様,そして国民の皆様に対して,多大なる御心配と御迷惑をお掛けしていることに対して,心から深くお詫び申し上げます。法務省としても,引き続き,地域の皆様の御不安を少しでも取り除くため,地域の警戒に当たるよう指示をしています。
 本月9日に,私の指示により立ち上げた,「松山刑務所大井造船作業場からの逃走事故を契機とした開放的施設における保安警備・処遇検討委員会」の第2回の委員会を,昨日開催しました。
 第2回の委員会においては,開放的施設における処遇の実情や大井造船作業場における保安・警備体制について検討したと報告を受けたところです。
 現時点において,どのような保安警備システムを取り入れるかについて方向性は決まっておりません。もとより逃走はあってはならないわけですが,塀で囲むなどして逃走を防ぐのでは,開放的施設のメリットを生かす処遇は困難です。しかし,塀がないことにより,客観的には逃走しやすい環境になっていることも事実です。対象者の選別や心情の把握に意を用いることで逃走防止を図っているところですが,万が一,逃走を試みた場合には,直ちに把握できるような体制を構築する必要があると考えています。この委員会において,開放的施設における有効な保安警備システムについて,最先端技術の導入を含むあらゆる手段・方法を早急に検討し,対策を講じてまいりたいと考えています。

【記者】
 対策を早急にということでしたが,具体的にスケジュール感というものはありますか。

【大臣】
 この件のみならず,開放的施設における再発防止について,速やかに検討していきたいと思っています。まずは受刑者の身柄の確保が極めて重要なことであり,その上で,現段階でどのような取組をしていくのかという方向性はまだ今検討中で,具体的にいつという期限について申し上げることはできませんが,速やかにということについては心したいと思っています。

【記者】
 現地では住民のストレスだとか疲労が相当溜まっています。法務省としては,既に刑務官の派遣などをしていますが,更なる対応などをお考えでしたら教えてください。

【大臣】
 一日も早い身柄の確保に全力を尽くしていかなければなりません。同時に,長期間となると,御指摘のとおり住民の皆様が大変な御負担と御不安を抱え続けるということになるので,それぞれの今抱えている問題については,できるだけ把握し,随時の対応を図っていきたいと思っています。一日一日が変化をしていくことですが,皆様の多大なる御協力をいただいているということも事実であり,地域の皆様もパトロールをされたり,様々な安全確保のために大きな力をお寄せいただいているということ,そのことに感謝をしながら一日も早い身柄拘束に努めていきたいと思っています。

【記者】
 先ほどの質問でも現地の方々の疲労が溜まっているという話もあります。もちろん,受刑者の身柄の確保は第一だと思いますが,実際に大臣が現地の刑務所や向島に行く御予定というのはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 いつということは申し上げることはできませんが,状況を踏まえて,適切に対処していきたいと思っています。私も様々な現場の視察をしてきました。大井造船作業場の近くにある広島刑務所有井作業場の現場も視察しましたけれども,開放型の施設については,その受け入れていただいている会社の長年にわたる御努力もあります。また,同時に地域の皆様の御理解と御協力なくして開放型の施設の運営をすることはできません。その意味で,有井の場合は50年の長い御協力をいただきながら,私どもも取り組んできました。現地の企業の皆様,地域の皆様の御協力なくしてこの施設は存在できなかったということを考えると,正に,一日でも早く,身柄の確保に全力で取り組むということが必要だと思っています。重ねて申しますが,状況をしっかりと踏まえながら適切に判断していきたいと思っています。

財務事務次官セクハラ問題に関する質疑について

【記者】
 セクハラ問題で辞任した福田次官の件について伺います。テレビ朝日の記者が被害を名乗り出ましたが,福田次官は依然セクハラについて否定しています。大臣は働く女性として,この問題に対する大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 女性と男性がそれぞれの職場におきまして,自らの個性を発揮していきいきと働く上で,セクシャル・ハラスメントを始め,働く女性の心身の健康を害する様々な問題については,正に,職場においていきいきと働くことのできる環境を阻害するものであり,女性の人権に対する重大な問題であると認識をしています。
 本件については,他省の人事に関する事柄でもあり,法務大臣としてお答えをすることは,差し控えたいと思いますが,女性の人権に関する重大な問題については,私ども,人権擁護また人権啓発というところの強調事項の一つとして掲げていますので,しっかりとその面での対策についても取り組んでいきたいと思っています。

靖国神社春季例大祭に関する質疑について

【記者】
 明日から靖国神社で春の例大祭が始まります。そこで大臣は参拝されるお考えはありますか。

【大臣】
 現在,参拝をする予定はありません。

【記者】
 今の質問に関連して,靖国神社への参拝の件は今伺いましたが,真榊の奉納についてのお考えをお聞かせください。

【大臣】
 その予定もありません。

 

(以上)