平成30年5月15日(火)

 今朝の閣議においては,法務省案件はありませんでした。

成年年齢の引下げに関する質疑について

【記者】
 成年年齢を引き下げる民法改正法案の審議が本格化しましたが,「国民の関心が高まっていないため,法改正は時期尚早」との指摘があります。これに対する大臣のお考えをお聞かせください。
 また,法案の所管省庁として,制度改正の周知にどのようにして取り組むお考えかについても,併せてお聞かせください。

【大臣】
 成年年齢引下げについて,時期尚早という御指摘があることについては承知をしています。
 政府としては,これまで消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策など,成年年齢引下げの環境整備のための施策の充実に努めてきました。これにより,環境整備の施策について相応の効果が上がっているものと考えています。
 今後とも,成年年齢引下げの意義,またその環境整備に向けた取組が行われていることを周知すること等により,国民の十分な理解が得られるよう,努めていきたいと思っています。
 具体的な周知の方法としては,民法改正法案の成立後に,成年年齢の引下げの意味や,その時期等についての国民への浸透度等を調査することや,また,若者との意見交換を行うことを検討しています。これらの取組によって得られた結果を分析した上で,効果的な周知活動を行いたいと考えています。
 また,引下げの直接の影響を受ける若年者に対して効果的に周知活動を行うために,高等学校等に対し,成年年齢の引下げの意味や,他の年齢要件がどのように変わるのかといった内容を周知するためのポスターやパンフレットの配布を検討しています。
 このほか,成年年齢の引下げは,その直接の対象となる18歳,19歳の若年者のみならず,その親権者等を含む国民全般に影響を与えるものですので,幅広く説明会を開催するなどして,国民一般に対し,周知活動を進めていきたいと考えています。
 民法改正法案においては,成立から施行まで3年以上の周知期間を確保することとしています。その期間内に,十分な周知活動を行うことができるようしっかりと努力をしてまいりたいと考えています。
 

入国管理局収容問題に関する質疑について

【記者】
 入国管理局の収容問題について質問します。先週から今週にかけて,入国管理局で2人の方が自殺を図ったと聞いています。それから,4月に東日本入国管理センターでインド人の被収容者が自殺するという事案がありました。大村入国管理センターのように監視体制が行き届いていないところもあるのですが,こうした今の入国管理局の状況について大臣がどのように考えていらっしゃるか,また,無期限の長期収容や,仮放免まで行かない事例など,処遇以外のことでも見直すべきことがあるのではないかと思いますが,大臣は全体としてどのようにお考えなのか,また,収容状況についてどのようにお考えなのか,入国管理局から報告は受けているのかお伺いします。

【大臣】
 先月13日に東日本入国管理センターにおいて,死亡事故が発生したことは承知していますが,同様の事故が今般再び発生したという御指摘については,必ずしも定かではありません。東日本入国管理センターの収容施設においては,日頃から被収容者の日常等の把握をしっかりと行いながら,こうした事故防止のために配慮した取組をしていくということを徹底しています。また,臨床心理士によるカウンセリングも大切なものと考えており,心のケアの面についてもしっかりと取組をしていくという方針をとっています。退去強制令書が発付された被収容者に対しては,我が国から速やかに送還することをもって収容状態の解消に努めることが大事である一方で,的確な動静の把握を行い,心のケアを含めての心情把握を行いながら,事故が起こらないよう,また,被収容者が追い込まれないよう配慮し,未然防止のため,これからも丁寧な対応をしていきたいと思っています。

【記者】
 改善の様子や調査の在り方を一般に公開する,あるいは,専門医の委員会を立ち上げるなど,検証はどのようにされるお考えでしょうか。また,改善が実際どのようにされているかをどのようにチェックされるお考えでしょうか。

【大臣】
 現在発生しているそれぞれの事故に対し,どういう背景があったのかを把握しなければなりませんが,プライバシー等の観点により,個別事案の詳細についてはお答えを差し控えますが,こうした事故が起こらないようにしていくという予防的な対応は大変大事であると考えており,まず,今起こっている事故の詳細について,事実を確認しながら検討を進めていきたいと思います。これまでも,こうしたことが起こらないよう様々な対応をしており,引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

(以上)