平成30年7月3日(火)

 今朝の閣議では,法務省案件はありませんでした。

日系四世の更なる受入制度に関する質疑について

【記者】
 7月1日から,日系四世の方々の更なる受入制度が施行されました。これに対する大臣の所感をお願いします。

【大臣】
 今回の日系四世の更なる受入制度ですが,日系四世の若者を受け入れ,日本文化を習得する活動等を通じ,日本に対する理解や関心を深めていただき,そのような方々に日本と外国の日系人社会との結び付きを強めるための架け橋になる人材を育成することを目的とするものです。
 法務省としては,多くの方々にこの制度そのものを知っていただくとともに,日系四世の方が日本での生活に困らないよう,ボランティア精神を持って日系四世の方のサポートをしていただくサポーター制度をつくったところですので,こうしたサポーターに一人でも多くの方になっていただくべく,法務省が一体となって,関連団体や地方公共団体,民間団体などに制度の周知及びサポーター候補者の募集活動を同時に行ってきたところです。
 本制度の開始により,我が国を祖国とすることに誇りを持ち,また,我が国に憧れを持つ日系四世の方が一人でも多く我が国を訪れることを期待しています。そのため,法務省としても引き続きサポーター候補者の募集活動等の取組を進めていく所存です。

民事裁判のIT化に関する質疑について

【記者】
 民事裁判のIT化について,日本は出遅れているという報道があったと思いますが,現在の状況や課題について教えてください。

【大臣】
 我が国における民事裁判手続のIT化については,平成16年に民事訴訟法が改正され,オンラインでの申立てを可能とする規定が整備され,平成18年には支払督促手続についてオンラインでの申立てが可能となりましたが,民事訴訟一般については最高裁規則等が整備されていないことから,未だオンラインでの訴え提起等は認められていないという現状です。
 もっとも,諸外国の状況をみると,御指摘のとおり,海外,例えばシンガポールや韓国などでは,裁判手続等のIT化が広く普及・定着しているという状況です。
 そこで,本年6月の「未来投資戦略2018」において,民事裁判手続等の全面IT化を目指すこととされ,法務省においては必要な法整備の実現に向け,来年度中の法制審議会への諮問を視野に入れて速やかに検討・準備を行うこととされているところです。 裁判手続のIT化については,本人訴訟における本人へのサポート策をどうするか,あるいは,どのような情報セキュリティ対策を講ずるかといった課題が指摘されており,これらの課題についてしっかりと検討した上で,国民の皆様にとって使いやすい民事裁判手続となるよう,IT化の実現に取り組んでまいりたいと考えています。

技能実習計画の認定の取消しに関する質疑について

【記者】
 技能実習制度をめぐり,今回,宇和島で1件,技能実習計画の認定の取消しが行われたと思いますが,それについて大臣の所感をお聞かせください。

【大臣】
 本年7月3日,法務省及び厚生労働省は,技能実習の受入企業である愛媛県宇和島市所在の有限会社エポックの中国人4名に係る技能実習計画の認定の取消しを行いました。
 本件は,昨年11月の技能実習法施行後,初の技能実習計画の認定取消事案です。取消しの理由としては,同社が外国人に対して不法就労をさせていたことに関連し,罰金の刑に処せられたということで,技能実習計画の認定の取消事由に該当することとなったものです。
 法務省としては,今後とも,技能実習制度の主務官庁として,本制度を共管する厚生労働省及び制度の管理運用機関である外国人技能実習機構としっかりと連携し,技能実習制度の適切な運用に向け,必要な措置を執ってまいりたいと考えています。

(以上)