平成30年8月7日(火)
10:56~11:06
於:記者会見室

冒頭発言

おはようございます。私からは特にございません。

質疑応答

日米FFR

Q: 米国時間の9日から日米の貿易協議が始まります。自動車貿易等も一つの争点となると思いますが、先日の大臣の米国出張も踏まえて、日本政府としての対処方針等をお聞かせください。

A: 茂木大臣とライトハイザー通商代表による日米協議、いわゆるFFRの第1回の会合が8月9日、米国のワシントンD.C.で開催されます。
 日本は、TPP11や日EU・EPAの早期発効に向けて取り組んでいるところでありまして、アメリカとの間でも自由貿易の拡大や多角的貿易体制の強化に向けて、また、二国間関係にとどまらず、日米両国がアジア太平洋地域の発展にいかに協力すべきかについて、建設的な議論が行われることを期待したいと思っております。

 私は、これとは別に7月30日から8月4日の日程で、カリフォルニア、インディアナ・オハイオ・ミシガンの各州を訪問いたしました。特に中西部3州に関しては、経済産業大臣として初めての訪問ということになるわけであります。
 日本企業が投資をした製造業の現場で働くアメリカ人や地元の関係者、部品サプライヤーを含む日系企業と意見交換をするとともに、地元のメディアの取材にも複数対応させていただきました。
 日系企業の投資を通じた米国への大きな貢献、また米国社会の一員として完全に米国に溶け込んで活動をしていると、そういうことについて強く発信ができたのではないかなと思っています。

新潟県知事訪問

Q: 大臣は、昨日、新潟県知事の花角知事と面会されまして、原発について初めて意見交換されたと思いますが、地元の原発への不安という声も直接お聞きになったと思いますけれども、面会を終えての受け止めを。

A: いろんな調査結果も見て、やはり原発に関して不満を持っておられる住民の方が多いということについては、これは真摯に受け止めていかなければいけないと思っています。
 昨日、知事とも議論をさせていただきましたけれども、特に充実した防災計画をどういう形で策定をしていくか、その関連で、訓練の評価が東京電力は非常に低かったということについては、これは東京電力にしっかり取り組んでもらわなければいけないという点で、知事とは意見の一致を見たところであります。

柏崎刈羽原発

Q: 関連でもう一問なんですけれども、同じ柏崎刈羽の関係で、先般、小早川社長が地元の柏崎市長と面会した際、柏崎刈羽の1号から5号機の廃炉計画の策定に向けて社内で検討しているというような発言がありましたが、こちらについての受け止めをお聞かせください。

A: 東京電力の電力構成について一般論をおっしゃったのではないかと思っております。いずれにしても、これは東京電力の経営判断にかかわることでありますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

プルトニウム保有量

Q: 少し前になるんですが、原子力委員会がプルトニウムの削減に向けた新しい考え方をまとめました。幾つかの項目を挙げて、今後プルトニウムの保有量の水準がこれ以上増えないようにとか削減していくということを打ち出しましたけれども、これについての受け止めと、今後、経産省がどう対応していくかについて、お伺いします。

A: 核燃料サイクルの推進に当たっては、これはエネ基にも記載されているとおり、「利用目的のないプルトニウムは持たない」という原則を引き続き維持をして、堅持をして、プルトニウムの保有量の削減に取り組むことになっているわけであります。
 7月31日の原子力委員会による「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」においても、この基本原則に沿って決定・公表されたものと理解をしております。

 これまでも経産省としては、事業者間で連携してプルサーマルに取り組むよう要求をしてきているところであります。具体的にどう取り組むかについては、まず事業者において検討すべきことではありますけれども、引き続きプルサーマルの一層の推進や再処理等拠出金法の枠組みに基づく国の関与などによって、量の削減を含むプルトニウムの適切な管理と利用を行っていきたいと思います。

Q: 指針の議論の過程では、一つのアイデアとして、再稼働が進んでいる電力会社に進んでいない電力会社が燃料を譲り渡して燃やせるところで燃やしてもらうというような考え方も原子力委員会の委員長が提示をしているんですけれども、プルトニウムを削減する上で、そういったオプションについては大臣御自身はどうお考えになりますか。

A: 事業者間の連携ということが我々も重要だと考えているところであります。

イラン制裁

Q: 先週、ワシントンでイラン制裁に関して日米協議が開催されましたけれども、昨日ワシントンの記者会見で、米国政府はイラン産原油の輸入国に対して限定的な制裁適用除外について案件ごとに交渉するという発言が高官からありました。日本としては、米国と限定的な制裁適用除外についても交渉する用意があるのか、お伺いさせてください。

A: これはもうアメリカによる制裁が今後どういう影響を及ぼすかについては、これまで以上に注意深く分析をしながら、日本企業の活動に悪影響が及ぼされることがないよう、引き続き米国と粘り強く協議を行ってまいりたいと思います。

Q: 今の質問に関連で、7日から自動車と鉄鋼に関してはイラン制裁の再開が予定されています。原油と比べると軽微かとは思うんですけれども、日本への影響、対処方針について教えてください。

A: 自動車とアルミ・鉄鋼の金属原料の分野の制裁について、米国時間の8月7日から再適用が開始されると理解をしております。これについても日本企業の影響などを注意深く分析してまいりたいと思っています。

原子力損害賠償法の見直し

Q: 昨日、原子力損害賠償法の見直しを議論していた専門部会で、現行の1,200億円の賠償措置額の引き上げを見送るという方針が示されて固まりました。事故への備えが不十分なんじゃないかとか、国がもっと前に出るべきだという意見もあるんですけれども、大臣の受け止めをお願いします。

A: 昨日の原子力損害賠償制度専門部会において、文部科学省の方から賠償措置額の見直しは行わず、検討を継続する必要がある一方で、和解仲介手続に係る時効中断などの被災者救済に資する措置について検討を進めるとの説明があったところであります。

 今後の検討に当たっては、迅速かつ公正な被害者への賠償の実施、そして国民負担の最小化、そして原子力事業者の予見可能性の確保といった観点を踏まえて、経産省としても引き続き協力してまいりたいと思います。

イラン制裁

Q: 先ほどの対イラン制裁に関連して2点質問させてください。
 次回協議の日程と、あと、いつごろまでに制裁適用免除を得られるかどうかというめどが得られると見ていらっしゃるか、大臣の御所見をお伺いさせてください。

 2点目が、日本の石油元売りは、イラン原油輸入に関して、政府の方針を8月中には示してほしいと言っているんですけれども、先ほど大臣がおっしゃられたように、米国との協議が今後も継続する中、日本としてイラン原油の輸入に関するそういった方針は、いつごろまでにどういったような方針をとるのかというのを教えていただけますでしょうか。

A: まとめてお答えしますけれども、アメリカの対イラン制裁に関しては、8月1日と2日にワシントンD.C.において、第2回の日米協議が開催されたところであります。
 この協議では、日本側から日本企業の活動に悪影響が及ぼされるべきでないなどの基本的立場に基づいて主張を行いまして、双方はアメリカの対イラン制裁再適用について協議を実施したところであります。今後とも粘り強く協議を実施していきたいと思います。

 また、イラン産原油輸入をめぐる日米間の交渉状況や見通しでありますけれども、今回の協議では、日本側からはエネルギーの安定供給や日本企業の活動に悪影響が及ぼされるべきではないなどの基本的立場に基づいて主張を行ったところでありまして、日米双方は米国のイラン制裁再適用について協議を実施しているところであります。

 外交上のやりとりでもありますので、これ以上の詳細や今後の見込みについては説明を控えたいと思います。

以上

最終更新日:2018年8月8日