平成30年9月7日(金)

 今朝の閣議では,法務省案件はありませんでした。

平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震に関する質疑について

【記者】
 昨日(6日)北海道地方で発生した地震について2点質問します。まず1点目は,所管する道内の刑務所等の被害状況や運営面で支障があったか教えてください。

【大臣】
 まず,今回の地震により,北海道各地で大きな被害が生じており,亡くなられた方々に対して心よりお悔やみ申し上げるとともに,被災された方々に対して,心からお見舞いを申し上げます。1日も早い救命・救済のため,その後の対応についても十分対応できるように力を尽くしてまいりたいと思っています。
 御質問の被害状況ということですが,北海道内の法務省関係官署におきましては,一部の官署において施設の被害や停電,情報ネットワークの障害等が生じたものの,停電については自家発電で対応するなど,いずれの官署においても,現時点においては,業務継続に大きな影響は生じていないとの報告を受けているところです。
 引き続き,刻々と判明してきている被災状況を的確に把握するとともに,現状の施設の状況等を踏まえた上で,各施設の安全管理と適正な運営に万全を期すよう指示したところです。

【記者】
 続いて,2点目ですが,今後,被災者に向けた法的な支援など,法務省として検討していく課題があれば,教えてください。

【大臣】
 関係部署に指示したことについて申し上げると,まず,法テラスにおいては,災害によって生じた各種法的問題について,法テラス・サポートダイヤルにおいて,問題解決に役立つ法制度等についての情報を提供しているほか,経済的にお困りの方々に対しましては,無料の法律相談を提供しているところです。関係部署に対し,法テラスと協力して,これらの制度について御利用いただくために,被災者の方々に対する一層の周知に努めるように指示しました。
 また,被災者の方々に対し,被災地域を管轄する法務局・地方法務局において,登記に関する相談や人権相談等を行っていることなど各種制度の周知に努めるとともに,被災者の方々からの相談に応じて現地に赴き,土地・建物の被害の状況の把握に努めるなど,被災者に寄り添った的確な対応を採るように指示しました。
 さらに,各矯正施設においては,大規模災害が発生した際における地域支援を適切に行うため,災害時における地方自治体との防災協定を締結するなどして,連絡体制の構築や避難場所の提供の在り方など,地域と連携した防災対策を推進しているところです。防災協定を締結している地方自治体については,必要に応じて協力要請するようこちらから積極的に働きかけるよう指示しました。また,その他の地方自治体については,札幌矯正管区から北海道庁に対し,各矯正施設から所在する地方自治体に対し,それぞれ,窓口となる連絡先を周知し,必要に応じて協力要請を受け付けるなど,可能な支援を積極的に行うよう指示したところです。
 昨日の段階で,北海道内にある21庁の矯正施設が所在する9地方自治体全てに窓口となる連絡先を周知済みであると報告を受けており,引き続き,今後の被災状況を踏まえ,地方自治体と緊密に連携を図ってまいりたいと考えています。
 加えて申し上げると,今回9月5日から6日にかけて出張し,鹿児島県内及び熊本県内の法務省関連官署の調査等を行ったところです。今回の出張について,熊本県内に関しては,法テラス熊本,熊本地方検察庁,熊本地方法務局及び熊本刑務所において,平成28年4月に発生した熊本地震における対応状況について調査をすることが重要な目的のひとつであり,それぞれの官署の取組について説明を受けたところです。
各施設において,熊本地震による被災状況に加えて,被災後の施設運営や地域住民に対する支援の状況等について説明を受け,被災体験や実際の支援の経験から得た貴重な教訓等についても聴取することができました。今回の出張で得た知見,とりわけ地域社会との連携の在り方については,今回の地震を受けた取組に対しても,しっかりと反映させてまいりたいと思っています。
 本日,各部局の審議官級による会議が予定されているところ,早速,その会議において,私から,今回の地震に対し,被災者の方々の支援のために最大限の取組を行うとともに,今後発生し得る様々な災害に対しても万全の体制で臨み,各施設の持っている機能・能力を最大限に発揮して,オール法務省として災害対応に当たることが重要であるとの認識を共有し,対応に当たるようにとの指示を行うこととしたいと考えています。

外国人留学生に対する就職支援及びクールジャパン分野における外国人材の受入れ促進に関する質疑について

【記者】
 法務省が我が国の大学を卒業した留学生に対する就職支援及びクールジャパン分野における外国人材の受入れ促進について検討しているとの報道がありますが,事実関係をお聞かせください。

【大臣】
 御指摘の報道については承知していす。まず,外国人留学生に対する就職支援については,「骨太の方針2018」において,留学生の国内での就職を促進するため,在留資格に定めます活動内容の明確化や,手続負担の軽減により,在留資格変更の円滑化を行い,留学生の卒業後の活躍の場を広げることが閣議決定されています。
 また,クールジャパン分野における外国人材の受入れ促進についても,同様に,「骨太の方針2018」において,クールジャパン関連産業の海外展開等を目的とする外国人材の受入れを一層促進するための方策について検討を進めることとされています。
 こうした閣議決定も踏まえ,外国人留学生の日本国内においての就職の機会を更に拡大するための方策及びクールジャパン分野において外国人材の受入れを促進するための方策を検討をしているところです。

台風21号による関西空港の被災状況等に関する質疑について

【記者】
 台風21号で冠水した関西空港の一部の国際便を大阪の伊丹空港,神戸空港で受け入れるとの報道があったと思いますが,事実関係について教えてください。

【大臣】
 台風21号により冠水した関西空港は,インバウンドの玄関口として,大変大きな機能を持っている空港です。関西空港の被害状況について報告を受け,昨日,入国管理局に対して,関西空港の一部の国際便について,大阪の伊丹空港,神戸空港において,出入国の手続を行うよう要請があった場合に備え,必要な人員や機材の確保を行うよう指示しました。入国管理局において所要の準備を行っているものと承知しています。
 いずれにしても,国土交通省や関西エアポート株式会社等の関係機関との連携を図りながら法務省としても必要な施策,対応を行ってまいりたいと思っています。

自民党総裁選に関する質疑について

【記者】
 本日,自民党総裁選が告示され,安倍首相と石破元幹事長との一騎打ちとなりました。上川大臣として,どちらの候補を推すのか,また,その理由についてお聞かせください。
 併せて,事実上の総理大臣を選ぶ選挙となりますが,国民に向けてどのような論戦を期待されるかという点についてもお聞かせいただければと思います。

【大臣】
 まず,1点目の御質問ですが,法務大臣という立場であり,コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 2点目ですが,自民党の総裁選は事実上の内閣総理大臣を選ぶ選挙です。非常に限られた時間ですが,緊急の対応を要する事態が生じており,限られた期間ながらも,我が国が抱える現下の内外の課題について,また,将来の国の在り方に係る課題について,優先順位をつけながら何をどのように取り組んでいくのか,国民の皆様にもしっかりと見ていただくことができるように,大いなる政策論争を期待しています。

【記者】
 総裁選の関連で質問します。昨日の北海道地震を受けて,総裁選でも明後日まで,昨日を含めて3日間,自粛,休戦状態ということになっています。これについての御所感をお聞かせください。

【大臣】
 自民党の総裁選であり,総裁選をこの時期に,どのように進めていくのかは,党本部の中で災害対策本部を立ち上げ,この間にも検討をした上で,今のような形で進めるということになりました。そのことについて私の方からコメントをする立場にはありませんので,お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

(以上)