平成30年9月11日(火)

 今朝の閣議では,法務省案件はありませんでした。

質の高い法曹人材の確保に関する質疑について

【記者】
   本日夕方に司法試験合格発表があると思いますが,司法試験の受験者数が年々減っている状況にあって,法科大学院でも募集停止が相次いでいます。今後,優秀な質の高い法曹人材の確保に向けて,危機感を抱いていれば,大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 法の支配の担い手となるべき法曹の志望者が大幅に減少してきている状況については,大変危機的な状況であると認識しており,質の高い法曹を多数輩出していくための環境整備は正に喫緊の課題であると考えています。
 平成27年6月の法曹養成制度改革推進会議決定では,法曹志望者数の回復に向けて,法曹有資格者の活動領域の拡大,法科大学院改革,司法試験の在り方の検討等の取組を進めるとされたところです。
 法務省としても文部科学省としっかりと連携しつつ,他の関係機関等の協力も得ながら,法曹有資格者の活動領域の拡大に向けた取組など,法曹志望者の回復に向けて必要な取組を引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

障害者雇用促進の取組に関する質疑について

【記者】
 行政機関における障害者雇用率の問題に関して,法務省における障害者の雇用促進のための取組の進捗状況をお聞かせください。

【大臣】
 法の支配の実現を使命とし,また,障害のある方々の人権啓発に取り組む法務省において,障害者雇用率制度を適正に運用できていなかったことについては,改めて誠に遺憾であると申し上げます。
 今回の事態を受け,関係閣僚会議及び関係府省連絡会議が開催されました。政府一体となって,再発防止はもとより,障害者雇用の推進等に向けた取組を更に進めることとされ,先般,関係府省連絡会議の下に,弁護士などの第三者も参画した検証委員会が設置されたところです。
 法務省においては,こうした政府方針を受け,省内一体となって対応を進めることとしました。本年9月4日,「法務省障害者雇用推進プロジェクトチーム」を設置し,障害のある方々の活躍できる職域を拡充するとともに,そのための環境整備を含めた,具体的な検討を進めることとし,昨日,第1回会議を開催しました。また法務省としては,検証委員会の検証にも全面的に協力しながら,今回の事態の経緯についても明らかにしてまいる所存です。
 法務省としては,政府方針の下,再発防止を徹底するとともに,障害のある方々の雇用に積極的に取り組み,法定雇用率の速やかな達成に全力で努めてまいりたいと考えています。

外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会に関する質疑について

【記者】
 今週の13日に予定されている「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会」ですが,これは主に事務方のメンバーが中心となってやっておられるだろうと思いますが,どなたの指示でこのような構成にしたのか,それから検討会においては有識者も入っているわけですが,有識者のメンバーはどのようにお決めになったのかということについてお聞かせください。

【大臣】
 外国人材の受入れ・共生のための総合的な対応策等の検討会は年内に予定している総合的対応策の取りまとめのための機関であり,国民,また外国人の双方の視点に配慮しつつ,多文化共生施策の企画・立案に資する意見聴取等を実施するため,本年8月31日に設置しました。
 構成員については,法務省大臣官房政策立案総括審議官を議長として,関係省庁及び有識者で構成しています。
 有識者の選定についての御質問もありましたが,共生施策の企画及び立案にあたり,国民と外国人の方々から,様々な視点からの御質問を聴取したいと思っており,そうしたものが適切に反映することできるかについて,学会,経済界,労働界,法曹会,自治体から,広く関係者に参集いただき,御意見をお聞きしているところです。
 なお,本検討会の有識者の方々は,全員が出入国管理政策懇談会の構成員を兼ねています。

【記者】
 そうしますと関係閣僚会議があり,幹事会があり,検討会があるとのことですが,この三者はどのような関係なのでしょうか。基本的なことは検討会の方で議論して,最終的には関係閣僚会議の方で決定するといった形になるのでしょうか。会議体の関係についてお聞かせください。また,有識者の立場はどのようになるのかもお聞かせください。

【大臣】
 まず,関係閣僚会議は外国人受入れ行政のための総合的な政策の立案のために不可欠な会議体であり,最終的な意思決定をするものです。また意思決定のために幅広く国民の皆様や外国人の方々をはじめとして,関係する方々の意見を最大限吸収してまいりたいと思っており,先ほど申し上げたような有識者会議を加えた形で,事務的・実務的な検討を進めていく三層構造としています。それぞれ幅広い意見聴取をしっかり踏まえた上,意思決定のプロセス,計画作りのプロセス,それぞれ有機的な連携を図りながら,取り組んでまいりたいと思っています。

【記者】
 9月4日の記者会見で,「『国民の声』を聴く会議」を設置予定であると大臣がおっしゃっていましたが,「『国民の声』を聴く会議」は外国人の意見を検討する会議とは別に設置するということでしょうか。それとも「国民の声」というのに外国人も含まれているのでしょうか。また,会議の具体的な内容についてお聞かせください。

【大臣】
 継続的に幅広く意見を聴取していくことが,これから極めて大事であり,当然のことながら政策立案のために,そうした声をインプットすることも大切です。また,制度が導入された後も,その声を聞き続けることが大切です。そして,会議体は,開催の頻度など,非常に限られており,毎日開催できる訳ではありませんので,できるだけ幅広い御意見を聴取するという趣旨で,法務省の中にそのような会議体を設置しました。今申し上げた三層構造の中で,それぞれが政策立案に資する役割を十全に果たしてもらいたいと思います。

(以上)