平成30年11月20日
農林水産省

農林水産省は、「第2回拡大豚コレラ疫学調査チーム検討会」を持ち回りにより開催し、岐阜県における2例目の豚コレラ発生に伴う疫学調査結果について議論を行い、調査結果概要及び農場における発生予防対策を取りまとめましたので、公表します。

1.概要

拡大豚コレラ疫学調査チームは、岐阜県における2例目の豚コレラ発生に伴い、チーム員を現地に派遣し、平成30年11月16日(金曜日)~17日(土曜日)に現地調査を実施しました。本日、その結果概要について、チームの委員持ち回りにより第2回拡大豚コレラ疫学調査チーム検討会を開催しました。
現地調査において、今後の豚コレラの発生予防対策について、再度、注意喚起すべき事項が確認されたことから、現地調査の結果概要及び農場における発生予防対策を検討会において以下のとおり取りまとめましたので、公表します。

2.検討会の概要

1.現地調査結果の概要

豚コレラに限らず、家畜の伝染性疾病の発生予防のためには、農場に病原体を侵入させないことが第一です。そのため、家畜伝染病予防法では家畜の所有者が守るべき衛生管理の基準を「飼養衛生管理基準」として定めているところです。
飼養衛生管理基準では、農場において厳格な衛生管理が必要な区域を「衛生管理区域」として定め、衛生管理区域への病原体の侵入防止等について、その方法を示しています。衛生管理区域では、飼料や堆肥の管理、豚の出荷のための作業等が行われるため、衛生管理区域が病原体により汚染した場合、豚舎内へのウイルスの侵入を防止することは非常に難しくなります。

この点について、今回の岐阜市畜産センターでの豚コレラの発生に関しては、

(ア)飼料置き場や堆肥置き場が豚舎間で共有されており、飼養管理者等が豚舎間を移動するが、それぞれの豚舎周辺だけが衛生管理区域に設定されていたこと

(イ)同センターの公園エリアや周辺の山塊では豚コレラに感染した野生いのししが確認されていたが、公園エリアと畜産エリアで共通の重機が使用されており、畜産エリア(本来の衛生管理区域)で使用する際に、洗浄・消毒が行われていない事例もあったこと

さらに、豚舎への出入りについても、

(ウ)飼養管理者等が豚舎に入る際に専用の衣服としておらず、また、豚舎ごとに踏込消毒槽及び専用の長靴が設置されていたとのことだが、他の長靴を消毒のみで豚舎で使用していた場合があること

が確認されています。

2.農場における発生予防対策

現地調査結果概要を踏まえて、豚飼養農場においては、確実に以下の対策を履行していただくようお願いします。

(1)適切な衛生管理区域の設定
飼料給与、清掃、豚の出荷及び死亡豚の管理等の一連の作業に関連する農場内の敷地の全てを衛生管理区域に指定するよう、改めて確認すること。

(2)衛生管理区域への病原体の侵入防止措置の徹底
次の対策を徹底することにより、衛生管理区域への病原体の侵入を防止すること

ア、野生動物の侵入防止
野生いのししで豚コレラ陽性が確認されている地域においては、電柵やワイヤーメッシュを設置することにより、衛生管理区域への病原体の侵入を防止すること。
飼養衛生管理基準第4「野生動物等からの病原体の侵入防止」
イ、衛生管理区域内で使用する器具や重機等については、充分な水洗を行い、適切な消毒を行った後、衛生管理区域内で使用すること。
飼養衛生管理基準第3の4「衛生管理区域に立ち入る車両の消毒」及び8「他の畜産関係施設等で使用した物品等を衛生管理区域に持ち込む際の措置」

(3)畜舎に立ち入る際の衛生対策の徹底
衛生管理区域専用の衣服および靴を使用すること。野生いのししで豚コレラ陽性が確認されている地域においては、豚舎ごとに豚舎専用の衣服及び靴を設置し、豚舎内に立ち入る際には、確実にそれらを使用すること。また、豚舎外で使用していた器具や重機等については、充分な水洗を行い、適切な消毒を行った後、豚舎内で使用すること。
飼養衛生管理基準第3の6「衛生管理区域専用の衣服及び靴の設置及び使用」

(4)教育訓練等
畜舎内での飼養管理を行う者は出来るだけ限定し、消毒や作業手順について定期的に教育や訓練を行うこと。

<添付資料>
現地調査結果の概要(PDF : 74KB)

お問合せ先

消費・安全局動物衛生課

担当者:山野、栗栖
代表:03-3502-8111(内線4428)
ダイヤルイン:03-3502-5994
FAX番号:03-3502-3385

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