英語版 (English)

冒頭発言

我が国核兵器廃絶決議案の賛成多数での採択

【河野外務大臣】ニューヨーク時間の11月1日,日本時間だと2日の早朝になるのだと思いますが,我が国が提案をいたしました核廃絶に関する決議案が,賛成160か国で採択されました。昨年は144か国の支持を頂いておりますので,16か国増えたことになります。69か国の共同提案国の中には,核保有国である英国も入ってくれておりますので,橋渡しをしていこうという目的に向けては一歩かなという気がしております。
 米国,フランスは残念ながら棄権になりましたが,投票行動の説明の中で,日本の努力に敬意を払う,あるいは最も現実的な決議案というような評価を頂いておりますが,若干のパラグラフの中で意見の違いがあって棄権になったと承知をしております。非常に残念ではありますが,引き続き,こうした橋渡しの努力を続けてまいりたいと思っております。
 朝から,イランの話をいろいろ聞かれておりますが,一部ニュースが流れていると承知をしておりますが,米国が正式に発表をしているものではないわけでして,私(大臣)もそれ以上付け加えることはございません。

我が国核兵器廃絶決議案の賛成多数での採択

【朝日新聞 清宮記者】今,お話のあった核兵器廃絶決議案についてお伺いします。米国,フランスが棄権に回ったことに加えて,オーストリアなど核兵器禁止条約の推進国は今年も棄権にとどまっている国が多いと思うのですが,核保有国と非核保有国の溝が大きい中で,両方から賛同を得るのは難しくなっているのではないかとも思うのですが,核軍縮をめぐる現状認識と改めて今回の決議の意義についてお願いします。

【河野外務大臣】核兵器禁止条約に入っている国も多く賛成をしてくれております。ブレイクダウンはまだしっかり見ておりませんが,核保有国も英国が共同提案国にまでなってくれているということで,橋渡しの役割はしっかり果たせているのではないかと思っております。

【読売新聞 梁田記者】今回,賛同国は増えたということで,ただ一方で,意見の相違もあると,具体的にどういったところの意見の相違をこれから日本として埋めることが必要で,なおかつ今回,賛同国が増えたところはどういったところに要因があったと見てらっしゃるのでしょうか。

【河野外務大臣】昨年は核兵器禁止条約の直後ということもありましたので,なるべく両サイドが乗ってくれるような文言にいたしました。今年は少し核軍縮,核廃絶に向けて一歩踏み出したような文言にしたということが,賛成が増えたことかなと思っております。
 米国とは,例えばこれまでのNPTの合意文書に関する考え方の違いといったところがありましたが,米国もかなりいろいろ交渉をやっている中では,前向きではありました。フランスも同様に若干の文言が引っかかって棄権せざるを得ないけれども,かなり前向きな反応は頂いていたということで,これからも日本はしっかりこうした試みを続けていきたいと思っております。

韓国大法院による日本企業に対する判決確定

【産経新聞 力武記者】韓国の徴用工裁判の判決についてなんですけれども,判決が出て以降,河野大臣も安倍総理もそうですけれども,1965年以降築いてきた友好関係,その法的基盤が根本から覆えされたというふうに強い抗議とともに,今後の日韓関係への懸念も込めてそうおっしゃっていらっしゃるのだと思うんですけれども,昨日,韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が行った施政方針演説で,判決そのものについて触れなかったことは別にしても,今後の日韓関係をどうしていきたいかについても言及がありませんでした。そうした大統領の姿勢をどうご覧になっているかということについてお願いします。

【河野外務大臣】この間のデンマークのP4Gのサミットの会議場で,わざわざ文在寅大統領の方から声をかけてくれて,パートナーシップ宣言の件でいろいろ尽力を頂いてありがとうというようなご発言もありました。未来志向の日韓関係を築いていこうという思いは,両側にあるわけでありますから,ただ,こうしたその前提となる両国関係の法的基盤が崩れてしまっては未来志向も何もありませんので,今,韓国政府の中でしっかりと協議をしていただいて,対応をどうするかということを検討していただいていると思いますので,確実にこの問題に韓国政府が対応し,引き続き,両国が前向きな未来志向の関係を築いていけると期待しております。

米国による対イラン制裁

【NHK 奥住記者】イラン産原油の制裁に関連してなんですけれども,先ほど,今の時点で言えることはないということだったんですが,イランの核合意そのものを支持するという日本のスタンスに,今の時点でお変わりはないかどうか教えてください。

【河野外務大臣】日本はJCPOAを支持するというスタンスに変わりはございません。

韓国大法院による日本企業に対する判決確定

【共同通信 斎藤記者】韓国の徴用工判決の関連で,改めてお伺いしたいと思います。韓国最高裁の判決は,原告の個人請求権については消滅していないと,こういうふうに判断したと伝えられています。日本政府としては,個人請求権について消滅したと安倍内閣として捉えているのか,それとも消滅していないと捉えているのか,この点について教えていただけたらと思います。もし,消滅していないという従来の政府答弁を踏襲するとすれば,請求先はどこになるのか,日本になるのか,韓国になるのか,この辺についても言及していただければ助かります。

【河野外務大臣】細かいことは国際法局が説明をいたしますが,この問題については,もう既に完全かつ最終的に終わっているという日本の立場に何ら変わりはございません。

シリアにおける邦人ジャーナリスト拘束事案

【共同通信 江藤記者】安田純平さんについて伺います。外務省として,これまでの経緯とか現地の状況についてお話を聞かれたと思いますが,その狙いですね,お話を聞いた内容を今後どう生かしていきたいかお聞かせください。

【河野外務大臣】お話を伺わせていただきました。今後の在外での邦人保護にしっかり役立ててまいりたいと思います。