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冒頭発言

(1)河野大臣のパプアニューギニアAPEC閣僚会議出席

【河野外務大臣】11月14日から16日まで,パプアニューギニアのポートモレスビーで開かれるAPEC閣僚会議に出席いたします。
 TPP11が早期発効をいたしますが,日本がアジア太平洋地域の自由貿易をしっかり引っ張っていきたいというメッセージを積極的に発信したいと思っておりますし,また,議長国のパプアニューギニアのパト外務大臣を始め,参加国とバイ会談を行うべく調整をしております。

(2)第3回「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」

【河野外務大臣】11月14日から15日に,長崎市で「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」第3回会合を開催いたします。この賢人会議は,私(大臣)の前任の岸田文雄外務大臣の肝いりで,しっかりと核兵器国,非核兵器国の橋渡しをしようということで立ち上げたものでございます。私(大臣)の代理として,辻外務大臣政務官が開会セッションに出席いたします。
 この会合では,3月に受け取った「賢人会議」の提言を踏まえ,核兵器の廃絶に向けた道筋において解決すべき,軍縮・安全保障の関係する困難な問題について,中長期的な視点からご議論をいただきたいと思っております。
 特に,「核兵器のない世界」を実現する,あるいはその前の,核兵器の削減,核軍縮,核廃絶のために,乗り越えなければいけない真の問題は何なのかということを特定していただいて,その解決のための施策,あるいは措置といったものをご議論いただきたいと思っております。
 また,賢人会議の委員におかれては,原爆資料館の視察などのプログラムに参加していただけると考えております。

ペンス米国副大統領訪日関連

【朝日新聞 清宮記者】本日,米国のペンス副大統領と安倍総理の会談に大臣もご出席されたと思うのですけれども,中国についても議題になったということで,日本と中国の間で知的財産権の侵害や軍事的拡張など,懸念を共有する部分もあると思うのですが,改めて日米間でどういった問題点,中国について共有されたか,ご認識をお願いします。

【河野外務大臣】中国についても,様々やり取りはございましたが,中での話を外に申し上げるのは差し控えたいと思います。官房副長官が詳細のブリーフをされていると思いますので,それをご参照いただきたいと思います。

【朝日新聞 清宮記者】今回の会談と離れてということでかまわないのですが,ペンス副大統領,かなり包括的な中国に対する演説もされていましたが,日本として共有できる部分というのはどういう部分なんでしょうか。

【河野外務大臣】何か今日の委員会みたいな話になってきましたけれども,米国が中国に対して持っている懸念について,ペンス副大統領はかなりしっかり発言をされたと思います。常々,トランプ大統領が “results-oriented” だったか,結果指向というふうにおっしゃっておりましたが,結果を出すべく米中で建設的に関与をしていきたいという米国の意思を表しているのではないかと思っております。
 日本としても中国の様々な貿易に関すること,あるいは強制的な技術移転を求めていること,あるいはデータの取扱いとかですね,そういうことについては,やはり国際的なルールの中で,中国にも国際ルールに合わせていただかなければならないところはございますから,そういうところについては先般の総理の訪問の中で,首脳会談その他でも問題提起をしてきております。そういうことについて,中国にもしっかり対応してもらいたいと思います。

太平洋島嶼国に対する中国の動勢

【読売新聞 梁田記者】今度,大臣もご出席なさるパプアニューギニアでの一連のAPECの会合に合わせて,中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席がパプアニューギニアで,初めて島嶼国で開かれるAPECということもあって,島嶼部の首脳を集めた会議を開くという報道がなされています。過去にも中国,こういった首脳会議,島嶼部とは開いていますけれども,一方で,今日の先ほどのペンス副大統領と安倍首相の会談でもインド太平洋地域への新たな投資という枠組みを打ち出して,日米,あるいはオーストラリアも交えてということになるかと思いますが,関与を深めていくという中で,こういった中国の動きには懸念材料,あるいはどのように関与をさせていくかというところで,どのような方針をお持ちなのかお聞かせいただければと思います。

【河野外務大臣】全般的に申し上げられることだと思いますけれども,中国がリベラルな国際秩序の中で,国際ルールに沿って,様々な支援あるいは協力関係を結んでいくということは,国際的にも非常に有意義なんだろうと思っております。ただ,他方,島嶼国の中には,言わば借金で首が回らないというような状況に陥っている国々もありますので,例えばインフラ投資一つ取ってみても,開放性,透明性,あるいはライフサイクルでの経済性,そして受け手の国の財政の健全性といったスタンダードにしっかりと沿った形で,借款なり,協力なりというのをやっていただかなければならないと思っております。
 特に気候変動の影響で,台風ですとか,あるいは大雨といったことで,島嶼国の脆弱性というのがクローズアップされている中で,日本もアメリカやオーストラリア,ニュージーランドなどと一緒に島嶼国の脆弱性をしっかりと食い止める,復元する,レジリエンスを高める,そういうことはやっていかなければいけないと思っておりますし,中には,中所得国になっているところもあろうかと思いますが,DACリストから外れたからといって,いきなりODAを切るということではなくて,必要なところにはやはり,支援を続けていくというのはやらなければならないと思いますので,そうしたところは同じ方向を向いている国々としっかり連携していきたいと思っております。

ウクライナ情勢

【毎日新聞 秋山記者】先日,11日に,ウクライナ東部の武装勢力が実効支配している地域で,選挙が強行されて,国際社会では非難の声も挙がっていますけれども,こういった動きに対する日本の立場,それとその背後にいると思われるロシアへの日本の立場というのを教えていただけますか。

【河野外務大臣】ウクライナの問題につきましては,日本もしっかりと立場を明らかにして制裁をしているところでございます。このウクライナ東部の問題は,ミンスク合意に基づいて,平和裡に問題が解決されなければならないと思っておりますので,しっかりと両当事者については,対応していただきたいと思います。

日露首脳会談

【産経新聞 力武記者】明日の夕方以降に,日露の首脳会談が予定されていると思いますけれども,このところプーチン大統領は,前提条件抜きの年内の平和条約締結であるとか,日本の四島の帰属を解決して平和条約締結という日本の立場に対して,それでは終わりが見えないのではないかというようなことを発言したりしていますが,一見,そういうところを見ると,日本とロシアとの主張には,まだまだ隔たりがあるのかなという気がしますけれども,明日の首脳会談,領土問題の解決に向けて,具体的にどのような成果を期待されますでしょうか。

【河野外務大臣】首脳会談の内容その他を予断する状況ではないと思いますが,プーチン大統領は,やはり平和条約を締結することに非常に前向きなんだろうと我々は思っております。もちろん,日本が四島の帰属の問題を解決して,平和条約を締結するんだという立場を取っていることは,プーチン大統領もよく理解をされておりますので,当然に日露の首脳会合の中では,この問題を含む二国間,それから北朝鮮を含む地域情勢,国際情勢について話が及ぶものと,私は理解しております。