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冒頭発言

【河野外務大臣】本日韓国政府が「和解・癒やし財団」の解散に関する方針を発表したものと承知をしておりますが,今般の発表は日韓合意に照らして問題であり,日本として到底受け入れられません。日韓合意は外相間で協議を行い,直後に首脳間でも確認し,韓国政府としての確約を取り付けたものであり,たとえ政権が変わったとしても責任を持って実施されるべきものでございます。この合意は国際社会からも高く評価されたものであり,合意の着実な実施は,我が国はもとより,国際社会に対する責務でもございます。日本はこの日韓合意のもとで約束した措置をすべて実施してきており,国際社会が韓国側による合意の実施を注視している状況でございます。日本としては,引き続き韓国側に日韓合意の着実な実施を求めてまいります。以上の日本の立場につきましては,先ほど秋葉次官から李洙勲(イ・スフン)在京韓国大使に対し,しっかりと申し入れを行ったところでございます。なお,この財団はこれまで合意時点での生存者47名のうち,34名に対し,また死亡者199名のうち,58名の遺族に対し,資金を支給しており,多くの元慰安婦の方々の評価を得ていることについては,付け加えさせて頂きます。私からは以上です。

質疑応答

【記者】日本政府が財団を設立するために拠出した10億円についてですが,これについて韓国側とどのように取り扱うか協議をするお考えはございますか。

【河野外務大臣】今後,この日韓合意の履行のために適切に使われ,また日本政府の意向に反した使われ方がしないように強く求めてまいります。

【記者】確認ですけれども,韓国側は今回財団の解散についてはふれましたが日韓合意そのものの破棄については言及していません。現時点ではその日韓合意そのものは当然生きているというご認識でしょうか。

【河野外務大臣】李洙勲(イ・スフン)大使からも合意を破棄することはない,再交渉を求めることはないという韓国側の立場について明確なご発言がありました。その上で,日本側の申し入れを本国に伝えるということでございましたので,この国際約束である日韓合意というのは両国がこれからもきちんと守っていく,そういうものだと思いますし,国際社会はこの日韓合意を非常に高く評価している,そういう状況に何ら変わりはないと認識しております。

【記者】今回の解散を受けて大臣自ら康京和(カン・ギョンファ)外相ですとかどなたかに電話会談等される予定はございますか。

【河野外務大臣】すでに日本側の立場は在京大使を通じて申し入れをしておりますので,これは韓国政府が当然適切に対応されるものと思っております。

【記者】申し入れとおっしゃいましたけど,これ抗議とは若干・・。

【河野外務大臣】もちろん,抗議という意味もございます。

【記者】先日の徴用工判決に続き,未来志向の関係を志向すると言っている中でこういった対応が出ることについて今後の日韓関係についてどうお考えですか。

【河野外務大臣】国際法を尊重する国と国との約束事をきちんと守るというのが,これはもう国際社会で生きていく上での最も基礎的な事柄でありますので,国際社会の中で韓国がしっかりと立ち位置を得るためにも,韓国側がこうした国際約束をきちんと守るということが非常に大切なことだというふうに思っております。そのことは韓国政府もしっかりと認識をされているものと考えております。

【記者】今後の日韓合意についてですね,韓国外交部は日本政府とも協議したいということをおっしゃってますけども,この点については日本側としては協議には応じる姿勢はありますか。

【河野外務大臣】まだ韓国政府から何もございませんので,韓国側がしっかり対応してくれるものと思っておりますが,必要なら話し合いをしていきたいと思います。ただし,このお金についてはですね,日韓合意に基づいて日本政府が拠出したものでございますから,日韓合意の履行のために使われるべきものであり,日本政府の意向に反するような使われ方はしないというのが,大前提でございます。ありがとうございます。