平成30年11月20日(火曜日)
9時52分~10時03分
於:記者会見室

冒頭発言

フランス・中国出張

おはようございます。
冒頭、私から1点申し上げます。
諸般の事情が許せば、明日21日水曜日から25日日曜日まで、フランスのパリ及び中国の北京に出張いたします。
パリにおいては、第164回BIE、博覧会国際事務局の総会が開催をされ、日本が立候補しております2025年国際博覧会の開催国決定投票が行われます。これに私自身が出席をして、投票に先立って、最後の支持要請を行います。大阪・関西への誘致を勝ち取れるよう、最後の最後まで全力を尽くしたいと思います。
また、北京においては、第12回日中省エネルギー・環境総合フォーラムに出席する予定です。
私からは以上です。

質疑応答

日産カルロス・ゴーン会長逮捕

Q:3点ありまして、1問ずつお伺いします。
東京地検特捜部が日産のカルロス・ゴーン会長を金融商品取引法違反の疑いで逮捕しましたけれども、企業ガバナンスの上で重大な問題との指摘もありますけれども、大臣の受け止めをお伺いします。

A:まず、このような事態に至ったことは、まことに遺憾であります。
詳細については、現在、東京地検特捜部が事情聴取中ということでありますので、現段階でコメントは控えさせていただきます。
なお、トップへの権限の集中が、この事案の原因の一つと見る向きもあるわけですけれども、日産の取締役会が今後立ち上げるとしている第三者委員会において、ガバナンスの在り方について徹底的に議論を深めていただきたいと思います。
現在の日産、ルノー、三菱のアライアンスについては、この事案とは関係なく、安定的な関係を維持していくことが重要と認識をしていますし、また、今後のアライアンスの在り方については、関係者が納得のいく形で議論が建設的に進むことを期待しているところであります。

2025年国際博覧会

Q:続きまして、大臣、先程ありましたけれども、万博の開催地の投票に向けて大臣も御出張されますけれども、政府としての最後の取組と意気込みをお伺いしたいと思います。

A:ロシアもアゼルバイジャンも大変有力な候補でありまして、予断を許さないというのが現状だと思っています。大阪・関西への誘致をしっかり勝ち取れるように、最後まで全力を尽くしていきたいと思います。
どういう取組をするかについては、これは現段階では手の内を明かすわけにはいきませんので、控えさせていただきたいと思います。

APEC

Q:最後に、APECは首脳宣言を出せないまま閉幕しました。米中の対立が浮き彫りになったという指摘もありますけれども、大臣の所感をお伺いします。

A:首脳宣言が出せない状況になっておりますし、残念ながら、私が参加した閣僚会合も宣言が出せないという状況になっております。
具体的に会議の中で、どのエコノミーがどのような発言をしたかについては、これは言及できないルールになっているわけでありますが、あえて一般論で申し上げれば、米中両国が、世界経済の安定的な成長と発展につながる関係を構築することは、日本を含むアジアのみならず、世界全体にとっても重要であります。引き続き、経済や日本企業への影響も含めて、しっかりと動向を注視していきたいと思います。
同時に、日本政府としては、日本企業が継続してグローバルな経済活動を安定的に行えるよう、CPTPPの拡大、日EU・EPAの早期発効や、またRCEPの来年の妥結などを目指して、自由で公正な経済圏を世界に広げていく上での主導的役割を果たしてまいりたいと考えています。

日産カルロス・ゴーン会長逮捕

Q:日産のゴーン会長の逮捕について、もう一点、昨日、フランスのマクロン大統領などもコメントしていた海外から注目も高い事案であると思うんですが、今回の事案は日本の自動車ブランドの低下の影響だとか貿易への影響があるとお考えでしょうか。

A:まずは、今回まだ進行中の事案でありますので、事態の推移をしっかりと見守っていきたいと思います。
いずれにしても、日産の取締役会が今後立ち上げるこの第三者委員会で、まずガバナンスの問題についてしっかりと議論をしていただきたいと思いますし、そのときには、日産も出ておりました品質の問題とガバナンスの関係ということについても、しっかり議論を頂くことを期待したいと思っています。

Q:昨日、フランスのマクロン大統領もアライアンスについて、注目して見ていくとおっしゃっていましたけれども、今後、アライアンスについて、フランスの政府との話し合いをするのか、そういったお考えはありますでしょうか。

A:アライアンスについては、これは関係者が納得のいく形で議論が建設的に進むことを期待したいと思っています。

キャッシュレスの推進

Q:テレビ朝日の先週の世論調査で、いわゆるキャッシュレスの件で、評価しないという人が評価する人の、ポイント還元については3倍、それからプレミアム商品券についても評価しないという人が評価する人の倍いたということで、まだ理解が進んでいないと思うんですけれども、どのように理解を進めていかれるおつもりでしょうか。

A:まずこの施策は、1つは、大企業に比べて還元措置をなかなか採れない中小企業をしっかり助けていくという趣旨であること、このことをしっかり御理解を頂きたいと思っています。
また、結果としてキャッシュレスが進めば、中小・小規模事業者にとっては、レジ締めの問題ですとか、あるいは会計、帳簿をつける問題ですとか、そういった問題から経営者が解放されて生産性の向上にもつながっていく、あるいは、そこで余った時間をもう少し販売そのものに力を注ぐことができるというようなメリットがあるということを、まず店舗側によく周知徹底をすることも重要だと思っていますし、また消費者にとっても、今、買い物難民といって、買い物に行くだけでも大変という中で、例えば現金を引き下ろすのにわざわざ車に乗って出かけないとだめだ、また、そういう現金を自宅に置いておくことに不安を感じていらっしゃるような方にとっても、消費者一般にとってもメリットがあるということもしっかりと説明をしていかなきゃいけないと思っています。
また、一部報道で、例えばレジを入れ替えなきゃいけないとか、レジ端末が今あるのにどうするんですかみたいな報道が行われたことによって、なにか端末を入れ替えなきゃいけない、端末を置く場所が必要である、あるいは、そのための費用が多額にかかるという誤解が広がっていますが、今、キャッシュレスというのは、タブレットやスマホがあれば、パソコンさえ必要ない、それで導入可能だということ、こういうこともしっかりと御理解を頂く努力を続けていく必要があると思っています。
いずれにしても、消費税率引き上げに当たっては、前回の3%引き上げの経験を生かして、あらゆる施策を総動員して経済に影響を及ぼさないよう全力で対応していきたいと思っています。

Q:もう一つ、クレジットカードの手数料率の引き下げについて、クレジットカード会社からも民業圧迫だというような厳しい声もあるんですけれども、なぜそこまでして進めようとしているのか、分かりやすく教えてください。

A:現実に、日本の、これはクレジットカード業界の構造を話し出すと長くなりますけれども、日本のクレジットカードの手数料が海外に比べて高いというのは事実でありまして、そのことがキャッシュレスの一番先頭ランナーであるクレジットカードの普及が進んでこなかった大きな原因だと思っています。
そういう意味で、手数料を引き下げるというのは、これはクレジットカード会社のためでもあるわけであります。しかも、今、新たに入ってきているキャッシュレスサービスというのは、今のクレジットカードに比べても低い手数料で、もっと、銀行口座と直結をした場合は、もう10分の1程度の手数料で参入をしてくるわけでありますから、これはクレジットカード業界としても、今後生き残るためにも手数料を引き下げるというのは、これはもう当然向かっていくべき方向だと思っています。
ただ、いずれにしても、当然これは民間のお仕事でありますから、我々は強制することはできないわけでありますから、クレジットカード業界において、よくお考えを頂きたいと思っています。

サイバーセキュリティ

Q:ちょっと別件で、サイバーセキュリティ担当の櫻田大臣がPCを触ったことがないということで世界に衝撃を与えているわけですけれども、経産省でもサイバーセキュリティの部署がありますが、PCを触ったことがなくても大臣の仕事というのは可能なのか、教えていただきたいと思います。

A:サイバーセキュリティというのは非常に重要な政策です。私も経産大臣として、何もかも全部自分でやったことを担当しているわけではありません。閣僚というのは、これは経営トップでも一緒でしょうけれども、自分が経験したことがないことでも、しっかり下からレクチャーを受けて、そしてきちっと判断をするのが閣僚の仕事だと思っています。
また、サイバーセキュリティという面でいけば、これはいかに中小企業の経営者に、この重要性を理解してもらうかということが非常に重要であります。櫻田大臣は、今後、サイバーセキュリティについて、しっかり勉強していただく中で、櫻田さん自身も中小・小規模事業者の経営者出身でありますから、どういう点を説明すれば中小企業の経営者に、このサイバーセキュリティの重要性を理解してもらうかというような、そういう知見を持っていただくことを、ぜひ期待したいと思っています。

以上

最終更新日:2018年11月20日